スタイリスト 持田洋輔さん | ファッション専門学校の東京服飾専門学校

スタイリスト 持田洋輔さん

自分にしか出来ないことを探してスタイリストの道へ

 

―持田さんは、雑誌「美的」のスタイリングをご担当されているとお聞きしました。

 

そうですね。雑誌は「美的」の連載ページ、タレント系だと主に白洲迅さんのスタイリングをしています。そのほかにも、広告系、アーティストのアー写やブランドのイメージルックに携わることが多いですね。ファッション系のお仕事をやっていますが、広告系の「combi」やファミリー向けのスタイリングも担当しています。

 

―スタイリストを目指す前、別の業界にいらっしゃったのですよね。ファッション業界を志す背景にも、衝撃的な一言があったとか、、

 

もともとパン職人を目指して、お菓子の専門学校に通っていたんです。その頃に付き合っていた彼女がとてもオシャレが好きな子でした。私自身、二十歳くらいまでファッションに興味がなかったのですが、ある日、そんなオシャレ好きな彼女に「一緒に歩きたくない」と衝撃的な一言を言われまして(笑)。ことあるごとに彼女に洋服を選んでもらい、色々な服を着ていくうちに、着るものでテンションが変わることを「面白い」と感じるようになってきたんです。そこからファッションに興味を持つようになりましたね。彼女からの言葉のおかげもあったかもしれません(笑)。

 

 

―そうなんですね(笑)。

とは言っても、そこからすぐにファッション業界へ飛び込んだわけではないですよね。どのようにスタイリストへの憧れを持つようになったのでしょうか?

 

ファンション好きな彼女と出会い、オシャレに興味を持ち始めた頃には、すでにパン屋さんに就職することが決まっていたんです。自分の性格上、一度決めたことは曲げないので、まずは3年働こうと思いました。働きつつも、ファッション業界についてリサーチをして、プレスやバイヤー、デザイナーなど、どんな職種があるのかを調べましたね。その中でもスタイリストになろうと思ったのは、「1人でどうにかしなくてはいけない仕事」というところに惹かれたからです。どの業種もそうですが、職場の仲間が退職するとき、「あなたがいないと回らないよ」とよく言うじゃないですか。でも次の日には何事もなかったかのように回っていて。「いてもいなくても一緒」と言われているような、その感じが嫌だなと思っていたんです。それをファッション業界に当てはめたときに、スタイリストって代わりが効かない仕事だと思いましたし、幼い頃からテレビを見るのが好きだったというのもあって、スタイリストを選びました。

 

―パン屋さんで働きつつ、ファッションの知識はどのように習得していったのですか?

 

私、実は勉強が好きではないんですよ(笑)。好きなことだったら、よく見るしよく聞くし退屈しないじゃないですか。勉強をするというよりかは、単純に「好きだから調べる」という感じで知識を取り込んでいきました。休みの日にはいろんなショップを回って買い物をしましたね。当時、お気に入りのセレクトショップがあったので、休みの日に渋谷まで通い詰めていましたよ。

 

 

研修で出会った師匠のスタイリングに一目惚れ

 

―なるほど。そこから本格的にファッションの道を歩み始めるわけですね。

 

そうなんです。tfacに入学をして、1年生の夏休みから研修制度を利用し研修に行き始めました。最初は、芸人さんをメインに担当しているスタイリストさんのアシスタントに行っていたんです。もちろん楽しかったのですが、芸人さんってファッションではなく、あくまでも喋りが中心じゃないですか。1年経たのちに、「やっぱりファッション業界のスタイリングをしたい」と思い、先生に相談をして、また1からスタイリストさんを探しました。そこで先生に紹介をしてもらったのが、私の師匠に当たる人です。一目惚れでした。その人の仕事のスタンスやモノづくりはもちろん、今まで自分が見てこなかったスタイリングや世界観があって、2年生になってからはずっとその方の研修に行っていました。

 

―良い出会いでしたね。スタイリストの夢を実現させるために、学生時代はどう過ごされていましたか?

 

同級生の男子3人で、ほぼ毎週土日は街を歩いていました。中目黒から青山まで歩いて、いたるショップに入り試着をしていました。学園の購買においてある雑誌もよく読んでいましたし、ネットで調べたりもしました。それから、スタイリストは道を覚えなくてはいけないということを知ったので、覚えるために休日は自分の足を使って積極的に街を歩くようにしていましたね。

 

―tfacで学んできたことで、実際にお仕事で役立った授業はありますか?

 

「スタイリング実習」の授業は、アイロンの掛け方や底ばりのやり方など、スタイリストとしての基礎を学ぶことができるので大事な授業でしたね。それから、「素材学」です。学生時代にはあまり意味がないと思っていたのですが、卒業してからは大切さが1番見に沁みて分かった授業です。素材によってアイロンの掛け方も違いますし、素材によって同じアイテムでも動き方やシルエットが変わるじゃないですか。スタイリストとして色々な服に触れるようになってからは、素材学で学んだことがとても役立ちましたね。

 

―そうなんですね。スタイリストのお仕事はどのような流れで進んで行くのでしょうか?

 

仕事内容や現場によって、かかる日数や必要なリース数は変わりますが、一連の流れとしては、アポイント、リース、撮影、返却というのはどの現場でも変わらないですね。

 

ファッション誌だと、まずはクライアントから「こんな企画で何ページやりますよ。」といった話がきます。そこから打ち合わせをして、どこで服を借りるのか、自分なりにリースリストを作るんです。数十件にのぼることもあります。その後、各リース先にアポイントを取ります。例えば50件アポイントすると、かかる時間は丸一日。そこで大事なのがバランスです。リースをする場所って全部違うわけじゃないですか。現在地が渋谷、最終目的地が巣鴨だとすると、目的地まで無駄なく綺麗にアポイントを取りたいんです。先方の予定も考えつつ、綺麗に行くためのバランスをとるのが難しくて。アポイントが取れたら、いざ、借りに。30件借りるとしたら2日掛かります。借りられたら服をバラし、コーディネートを組み、撮影をして、返却という流れですね。ここまでで掛かった日数は、ちょうど1週間くらいです。

 

―時間をかけて衣装を調達するんですね。忙しいことと思いますが、スタイリストをする上で楽しいと感じることはどんなことですか?

 

私の場合はどんなことをしていても、好きでやっていることなので基本的に全て楽しいです。スタイリストって、人と触れ合うことが多いんですよ。リースに30件行けば30人の担当者がいるわけで、30人と話せるじゃないですか。自分は人と喋ることが好きなので、その時点でもう楽しいんです。そのあとに好きな服でコーディネートを考える、それも楽しいですよね。あえて言うのであれば、返却が少しめんどくさいくらい(笑)。とは言いつつ、アシスタント時代は返却作業に力を入れていました。アシスタントは基本的にリースではなく返却をやることが多いんです。となると、アシスタントがプレスと関われる機会は返却しかないんですよ。私はアシスタント時代、「返却のときにどれほどお喋りをしてプレスに印象を残すか」ばかりを考えていました。良い印象か悪い印象かは置いておいて、まず覚えてもらえるわけじゃないですか。「よく喋るな」って(笑)。だから、普通の人は5時間で終わる返却作業を10時間かけて返却をしていました。

 

―印象付けも大切なんですね。

 

師匠が同行していれば「遅い」と言われてしまうので出来ませんが、その時は私だけだったので、ロケバスに衣装を積み込み、ロケバスさんと一緒に返却へ行っていました。もしかしたら、ロケバスさんには「遅いな」と思われていたかも(笑)。

 

―なるほど(笑)。では、スタイリストの意外なお仕事って何かありますか?

 

スタイリストによってはリメイクをしたり、1から衣装を作ってしまう人もいますね。自分は作ることはないですが、雑誌のクレジットを書いているということは意外だと思われるかもしれません。アイテムの金額やブランド名、問い合わせ先、これらは編集さんがやってると思われていますが、実はスタイリストがやっています。プレスと直接繋がっているのは我々スタイリストなので、伝票に書いてある情報を抜き取って書き起こし、編集さんに渡して誌面に乗せてもらう感じですね。

 

―そうだったんですね。現在、持田さんはスタイリストとしての顔を持つ一方で、tfacの先生としても授業をご担当されていますよね。どんなことを意識して授業されているんですか?

 

tfacの卒業生ということもあり、どんなスタイルで授業をやっているか、いま何が足りないのかというのが分かるんです。やるべきこともあるけれど、自由に授業をして良いとなったとき、自分の4年間のアシスタント経験を思い出してみました。すると、スタイリストはもちろん、ファッション業界のどの職種でも、トークや自分の魅せ方、ブランディングが大切だと感じました。何をしたいのか、どんな作品を作りたいのか、実現させるための共通項目として、「どう相手に伝えるか」だと思うんです。作りたいものがあるとき、適切に伝えられなければゴール地点は変わってしまうじゃないですか。だからこそ、言葉ってとても大事だと実感していて。資料を作れば、トークがなくても出来なくはないのかもしれないですが、細かい部分というのは人と人とのコミュニケーションですよね。なので、当初は雑学を教えるよりも「自分をプレゼンする」という授業を重視していましたね。

 

 

 

ファッション業界はとにかくアツい世界

 

―ファッション業界で活躍するためにも、大切なことですね。

最後に、これからファッション業界を目指す学生の皆さんへメッセージをお願いします。

 

ファッションというのは好きじゃないと厳しい面もあると思うんです。例えば、お金の面だったり休日だったり、他の業種より足りていない部分というのはあると思っていて。でもその分、ファッションをお仕事にしている人は、ファッションが心から好きな人が多くアツい世界なんです。同じ志を持った人たちが集まってるので、「団結力」や、良い意味での「軽さ」、「抜け感」というのが他の業種よりあると思っています。だからこそ、熱中もできる気がするんです。ファッション業界に熱い希望を持っている学生の皆さんは、その熱を持ったままスタイリストになってくれると嬉しいです。同時に、先にこの業界にいる我々スタイリストは、その熱を冷まさないようにする使命もあると感じています。tfacは、しっかりサポートしてくれる先生が多いので、安心して飛び込んできて欲しいです。

 

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