~就活室便り2024~ #1 辻洋装店訪問記 | ファッション専門学校の東京服飾専門学校

~就活室便り2024~ #1 辻洋装店訪問記

こんにちは。就活室のHANAZONOです。
長かった夏休みもやっと終わり、気持ち新たに新学期が始まりますね。
まだ台風だったり残暑だったりといろいろ辛いことも多いですが、
無理しない範囲で適度に頑張っていきましょう。

 

今回から就活に少しでも役に立つ情報、企業訪問記、等アップしていけたらと思います。
よろしくお願いいたします。

 

まず第一回目は都内でもはや数少なくなった縫製工場で、フォーマル作らせたら日本一、
そして工賃も日本一、と自負される辻洋装店訪問記です。

 

辻洋装店さんは縫製工場では珍しく、都内、中野で現在も営業を1947年の創業以来77年
続けていらっしゃいます。現在工員は30名、縫製工場には珍しく工員は全員日本人とのこと。
仕事の割合としては8割がアパレルの加工賃仕事、そして2割がOEMとのことです。
縫製工賃仕事とOEMとの違いは、以下の仕事が増えることです。

 

・パターン作成
・シーチング組み
・1stサンプル作成→検討、修正
・2ndサンプル作成

 

要はアパレルメーカーの生産管理機能をそのまま引き受ける、ということですね。
実際パタンナーの方(モデリスト、と、呼ばれていました、多分、記憶が確かなら)が
3人いらっしゃって、社外の打ち合わせ、等その方たちがすべてやっていらっしゃるようです。
アパレルからの依頼の型紙も一度すべてそのモデリストの方たちがやり直しているようです。

 

現在の主力はジュン・アシダでその次にエストネーション、ユナイテッドアローズ等が続くそうです。
工場内写真をもっと紹介したかったのですが、店頭に出る前の商品が写っているもの、工員さんのお顔が
写っている写真はNGとのことで、そう言われると載せる写真がなくなってしまいました。すいません。
その代わりにき公式インスタグラムでは現在縫っているものの動画もアップされています。下のリンクからどうぞ。

 

https://www.instagram.com/tsujiyosoten1947/

 

各工程も見学させて頂きましたが、特徴的だったのは以下の点です。

 

・裁断の細かさ―イタリー製などの柔らかい強撚糸使いの生地は、生地自体の物性もさることながら、
生地の巻き取り時のテンションのかかり具合などによって縮み率が同じ反物の中でも安定しないものが多く、
そのまま作業を進めるとパッカリング(縫製時に発生する縫い合わせ部分のしわ)やバブリング(縫製部分のプクつき)
の原因となります。その対策として、まず反物を一日放反し、少し落ち着いたところで荒裁ち、そして荒裁ちした
パーツを更に一日干すそうです。そうやって安定させた後、本裁断に進む、という普通の縫製工場より数倍手のかかる
方法を維持していらっしゃいます。これが製品になった時の安定性に貢献し、他社製品との比較では水洗いによる型崩れ
に対し3倍の強度を持つ、とのテストデータが出ているようです。

・縫製生産現場は大手工場のようにライン生産でなく、4人が1つのチームとなって1型仕上げる体制になっています。
ライン生産と比べてそのチームの中での分担領域が多いため、いろんな工程を早く習得できるとのこと。そしてそのチーム
リーダーから教わる合格基準を見極める目、良い製品を見極める目、価値判断の基準を教わる、という点は若い工員にとって
は本当に何物にも代えがたい宝物となるようです。

・プロなのでいくら素晴らしいものが作れても商業ベースに乗らなければ何の価値もないものになってしまうため各自手元に
ストップウォッチを置き、効率も追及していました。また各自の生産枚数も表、グラフにより可視化されており、競争意識
によるモチベーション向上だけでなく、困難な作業が続いてしまうチームをなくし平均化するとか、アパレル企業との値段交渉
にも役立っているようです。

 

会社として、社員に一番求めるのは「思いやりの持てる人間になる」、ということだそうです。
それはチーム内での思いやり、助け合いだけでなく各人の両親、家族に対しても一緒だとのこと。
半年に一度はご両親宛に、感謝の気持ちを綴った葉書を書いて届けているそうです。家族もチーム、仕事もチーム、
思いやりだけは忘れずにいたいですね。

こんな辻洋装店さんにご興味のある方は以下のホームページも覗いてみてください。

 

https://tsujiyosoten.co.jp/

 

~就活室便り2024~ 1回目は辻洋装店さんでした。ではまた。

 

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