来校ゲスト | ファッション専門学校の東京服飾専門学校 - Part 38

来校ゲスト

DHE株式会社 代表取締役社長 柳原秀哉様

 

各業界のプロフェショナルの方をお招きし、体験談や業界についてお話しいただく「業界研究/講演会」の授業。業界の最前線にいるトップランナーのお話が聞けるということで、学生からの評判も高い講義です。

 

今回はファッションビジネス科の1年生のため、DHE株式会社の柳原秀哉代表取締役社長/CEOにご来校いただきました。現代人の生活に欠かせなくなったウェブコンテンツを中心に、マーケティングやプロモーション、エンターテイメントから地域創生まで様々な事業を手掛けてきたご経験をお話しいただき、ファッションとIT業界の「これから」について伺いました。

 

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Q 現在のお仕事の内容を教えてください。

ITやマーケティングの領域で仕事をしています。業界を問わず、アパレルやブランドはもちろん、医療メーカーなどあらゆる業界とお付き合いがあり、最近はタイで日本の魅力を発信する活動や某ポイントカードを広める仕事もしています。このほか、国内外の都市や企業のウェブサイトの制作、現実の風景に情報を重ねて表示するAR(拡張現実)という技術も扱っています。

 

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Q ファッション業界との共通点はありますか?

今、みなさんが使っているSNSは、きっと5年後にはなくなったり時代遅れになっているでしょう。IT業界だけでなく、ファッション業界も非常にトレンドの移り変わりが速い業界です。また、「もっとこうしたらいいのにな」と考えた人が、僕たちの想像を超えたような製品を作り出すのも共通していますね。コンピュータの技術はファッションにも応用されていて、服にチップを埋め込んで、着ている人の体温や汗を感知して温度調節をする――といったような開発も進んでいるんですよ。また、「どんな人が何をどういう風に購入したか」という統計を出し、そのデータを基にトレンドを分析することもありますから、ファッションはITとは切っても切り離せない関係ですね。

 

Q ITの観点から、今後のファッション業界の展望を教えてください。

今後数年、アパレルにおけるトレンドは、SNSを通じて洋服を購入する仕組みになるでしょう。画像だけでなく動画も取り入れて、TVや映画を見ているときに「この服いいな」と思ったら、すぐに購入できるような仕組みも出来上がっていくと思います。いまはどの企業でもスマホ向けのソーシャルメディアに一番お金をかけているでしょう。一方で、百貨店などの実店舗でも、「どの商品が売れているのか」だけでなく「どの商品が手に取られているのか」をリアルタイムに知ることができるシステムができあがっているんですよ。

学校では、流行の先を見る力、いわゆる“センス”を磨いていってほしいです。いつも一緒にいる仲間や先生、授業で得た知識や経験が高めてくれるものだと思います。

 

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Q 学生にアドバイスをお願いします。

ファッション以外にも何か別のジャンルも極めてみてください。これはある人の言葉ですが、5年(約10,000時間)かければひとつのジャンルで「100人に1人」の存在(専門家)になれると言われていますが、そこから「1000人に1人」になるのは難しいんですね。でも次の5年で別のジャンルで「100人に1人」の存在になれば、100人×100人で「1万人に1人」の存在になれる。そういう将来設計も頭に入れておくと、自分の可能性を広げることができますよ。

今の学生さんたちは、生まれたときからインターネットがある世代。便利なものがあって当たり前だと思うからこそ、「こうあったらいいのにな」や「ここが不便だな」と思ったことを大切にしてほしいです。ファッションの仕事にも通じることだと思いますが、そうして気づいたことが、その人にとってのアイデアになったり、仕事につながったりすると思います。

 

株式会社VHF プレス兼アートディレクター 若月円佳様

各業界のプロフェッショナルの方に経験談をお話しいただく1年生の人気授業「業界研究/講演会」。

 

今回はPEACH JOHNをはじめ様々なプレスを経て、現在ではQuatrzeや14、BETHなどのブランドを展開する株式会社VHFでプレス兼アートディレクターとしてご活躍中の若月円佳様にご来校いただきました。

 

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Qプレスという仕事を目指したきっかけはなんですか?

私は元々雑誌の編集者になりたくて、大学でもエディトリアルや本の装丁を勉強していたんです。色々な雑誌を見ていく中で、綺麗な写真を使った広告が目に留まって「私もこんな綺麗なイメージを作る側に行きたいな」と思い、プレスを目指すようになりました。

 

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Qプレスというのはどんな仕事をするのですか?

一般の会社では「広報」や「宣伝」にあたるのが、ファッション業界だと「プレス」という仕事になります。会社がどんなに優れた商品を作っても、消費者がその商品の存在を知らなければ買ってもらえませんよね? ですから雑誌掲載や広告の制作、イベントの企画やCMの制作、最近だとSNSなども使って商品やブランドを知ってもらったり、そういう仕組みを作るのがプレスのおもな仕事になります。

 

Qプレスという仕事のやりがいはなんですか?

ブランドのプレスというと、雑誌やSNSで芸能人と一緒に写真に写っていたり、華やかな印象があるかもしれません。たしかに他の仕事より、有名人に接する機会が多い仕事なんですけど、ショーや広告など大人数が関わる仕事のまとめ役をしたり、資料の作成や記事のチェックなど、地道なデスクワークも多いんですよ。そうやってできあがった雑誌の広告や、掲載記事を見ると言葉にできない達成感がありますね。タレントさんや社長さんしか出席できないような華やかなパーティーに出席できるのも、役得だなぁって思いますね(笑)。

 

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Qどうしたらプレスになることができますか?

プレスというのは採用が少なく、あっても経験者のみの募集だったりと“狭き門”です。それでも私のように販売職で採用されてプレスになる人も多いので、「熱意」と「適性」があることをアピールすればプレスになることは夢ではありません。外部との窓口になる立場なので、笑顔で接しやすい人や、イベントを取り仕切るリーダーシップのある人は適性がありますよ。またプレスというのは“そのブランドの顔”になりうる人なので、私も転職して、所属する会社が変わったらファッションを見直して、そのブランドの理想像に近づける努力をしていました。

 

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このほか若月様には、実際にプレスになるために実践していたことや、華やかなショーの裏話など様々なお話をしていただきました。tfac生たちも普段からTVなど目にする有名人の話に、興味深そうに聞き入っていました。貴重なお話、ありがとうございました!

松竹芸能 タレント兼スタイリスト 深海様

先日、1年スタイリスト科の講演会のゲストとして松竹芸能 タレント兼スタイリストの深海様がいらっしゃいました。

 

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スタイリストを目指す上で、やっておいた方がいいことはありますか?

「好きな雑誌を決めておくとこと! そして、その雑誌のスタイリストさんを調べるといいと思います。スタイリストって自分自身のカラーだったり、自分らしさをしっかり世の中に発信していくことが一番大事なの。自分がタレントさん側から『この人だったらこういう風にしてくれるだろうな』って思われることが大事です!」

 

なぜスタイリストになろうと思ったんですか?

「子どもの頃、すごく貧乏で服を買えなかったんですよ。自分が我慢していたからこそのギャップがあって、凄く服が好きで憧れがあって。ショップ店員さんも経験したあと、自分が好きなスタイリストさんを探して、その人に付きたいと思ってお願いして、アシスタントになったのがきっかけですね。」

 

学生時代にすべきことはなんですか?

「2年生になったら私たちの授業があるんですけど、最初に自己紹介をしてもらうんですよ。でも、普通の自己紹介じゃ誰にも覚えてもらえないの。アパレル業界に就職するなら、自分自身を価値のあるものにしないといけない。そうしないと、人に使ってもらえない職業。だってスタイリストっていっぱいいるんだから、誰でもいいじゃない? 私じゃなきゃいけない理由ってその人の“人間力”だから、いかに自分を好きになってもらうかが大事。だから、自己紹介がうまくなるっていうのはすごく大事」

 

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日頃心がけていることはありますか?

「これは、スタイリストになる人もそうだし、アパレルに就職する人もなんだけど、みんなそこで終わりで良いって訳じゃないじゃない? アパレルだったら店長だったり、エリアマネージャーとかになったり? どんどん上を目指していく訳じゃない? そのときに、最終的に必要になるのは決定する能力だと思うの。スタイリストって半年先を見なきゃいけない仕事。要はこれを打ち出しましょうって決めること。雑誌でも、タレント専属でも、こっちの方がおしゃれなんですって自分で決めて、それをすすめる。これが可愛いですって決定する意思能力が一番大事だったりします」

 

スタイリストになってからするべきことはなんですか?

「この人がどういう服が好きかっていうリサーチ能力がすごく大事。わたしも、初めてやらせてもらう人のときは事前にその人のインスタを見たりとか、その人がどんな私服が好きかっていうのとか調べるの。みんな誰かに服プレゼントすることってあるでしょ? そのとき、なんとなく好みってあるじゃない? この人チェック好きだからチェックあげときゃ間違いない、みたいなそんな感じね」

 

お仕事で失敗してしまったことはありますか?

「いっぱいある。韓国でロケがあったの。飛行機だから、荷物全部広げて、しわを伸ばさなきゃいけないじゃない? でもアイロンが壊れちゃったの。ホテルに借りようと思ったらアイロンが無くて大変! でも、服のしわが伸びてないことは私のミスだし、そのまま本番にいく訳にはいかないから、あらゆる手を使ってしわを伸ばさなきゃいけないの。でも、夜の便で行ったからもう夜11時くらいで、次の日は朝5時から撮影だから、買いに行けないわけ。だから、ネットでしらべたら、やかんでアイロンの代わりになりますていう情報を見つけてたの。やかんめっちゃ必要ですって言ってやかん借りて、やかんにお湯溜めて、アイロンみたいにかけるんだけど、やかんの口からお湯が出てきたりしてあっつ〜! ってなりながら4時間くらいかけてしわ伸ばしてたのが失敗談かなぁ。次の日乾いてたから結果オーライだけどね。スタイリストってみんなめっちゃ準備するんだけど、その準備が全部覆るときがあるから」

 

最後にひとこと、メッセージをお願いします。

「結局一番大事なのは好きっていう気持ちなのよ。それがあるとがんばれるの。スタイリストになるのは凄く難しいけど、みんなになってほしいって思ってるのよ。人見知りとか、コミュニケーションを取るのが苦手とか、そういうのはいいです。好きって気持ちは誰にもまけないぞっていう気持ちはずっと持っていてほしいですね」

スタイリスト 加藤尚子さん

先日、体験入学のゲストとして当校の卒業生でスタイリストの加藤尚子さんがご来校されました。

 

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Q:現在のお仕事内容を教えて下さい。

「基本的には女性アイドルグループをメインに仕事をしています。TV媒体では、フリーのアナウンサーさんのスタイリングをすることもあります」

 

Q:アイドルグループは、人数が多くて大変ではないですか?

「私が担当させてもらっているのは、どんなに多くても8人なんです。事前に好みやサイズ感を教えて頂いているので、その中で選ぶんですが、常にそれが頭に入っているかと言われたら自信無いですね(笑)資料を読み返したりすることはあります(笑)レギュラーでやっている子達は日々会っているので、気分で変わってしまう好みなんかも読み取って合わせるようにしていますね」

 

Q:お仕事の楽しさ、魅力は何ですか?

「この学校に入学するときに願書にも書いたんですけど、人と接する仕事がしたかったんですよ。なおかつ洋服も好きだったので、それを合わせた仕事ってなんだろうって考えたときに、スタイリストという仕事を見つけたんです」

 

Q: 仕事をする上で、日頃心がけている事や注意している事などありますか?

「タレントさんのスタイリングをする時は、ご本人やTV番組のイメージを損なわないようにしないといけないので、ただ単純に流行ものを着せればいいという訳ではないんです。タレントさんの個性をいかに出してあげるかというのが私の仕事だと思うんですね。後、とても単純ですが遅刻しないこと! 私が行かなかったら、その日の洋服は何も無くなってしまうので大惨事です! 朝ちゃんと起きられるかっていうのは毎回心配です(笑)」

 

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Q:加藤さんは卒業後、本校講師の佐藤先生に師事されたとのことですが、先生のもとでお仕事するというのはどうでしたか?

「仕事なので、学生時代よりは厳しくなりましたね。でも、先生っていう感覚がずっと抜けなくて、現場でも先生って呼んでいました。現場では皆さん普通に『佐藤さん』って呼ぶんですけど、私が『先生』って呼ぶから、あの人なんだろう? って思われていたと思いますね(笑)」

 

Q:卒業してからtfac生と仕事することはありましたか?

「ありました。先生ともお会いすることがありましたし、同級生に会うこともあります。結構会う確率が高くて、この前なんかタレントさんが5人くらいしかいないのに、スタイリストが3人tfac生だったんです! やっぱりちょっと安心しますよね。うちの学校頑張ってるんだな〜って思うし、嬉しいです」

 

Q:学校で学んだことで卒業後も役に立っている事があれば、教えて下さい。

「スタイリングの授業です。田舎から出てきたので、東京のどこに何があるかなんて全然分からなかったんです。でも、授業で地図を勉強したので、凄く助かりました。洋服のディティールやアイテムの名前、柄だったりとかっていうのは、正直学生の時は、私洋服作らないし関係ないかなぁって思っちゃってたんですね。でも、今仕事をしていて、洋服のデザインをして欲しいって言われることもあるので、そうなると造形の授業を含め、全てが大事だったって思いますね」

 

Q:本校に入学を決めた理由はなんでしたか? 今もこの学校に入って良かったと思うのはどんなことですか?

「私も体験入学に参加して、入学を決めたんです。他の学校もいくつか行ったんですが、なぜここに決めたかっていうと、先生と生徒の距離がすごく近くて、親身に相談ができそうだなって思ったんですね。先生が友達のような、アットホームな学校で、凄く楽しそうって思って入学を決めました」

 

Q:これからファッションの世界を目指す皆さんに、メッセージをお願いします。

「これから入学して、社会に出て……それからは長いですけど、学生のうちにしか学べないことっていうのはたくさんあると思うので、いっぱい勉強して自分がやりたい職業についてもらえればと思います」

 

スタイリスト 中野みずきさん/株式会社クリエイティブ・ギルド 前田早紀子さん

8月17日、当校の卒業生でスタイリストの中野みずきさんと、株式会社クリエイティブ・ギルドの前田早紀子さんが体験入学のゲストとしてご来校されました。

 

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Q:現在のお仕事内容を教えて下さい。

中野「『Popteen』などの雑誌をメインに、WEB通販やカタログなどの仕事をしています。基本的には中高生〜30代くらいまでをターゲットにした仕事が多いですね。『小悪魔ageha』は立ち上げの時からずっとやっていて、その繋がりで今もお仕事を頂いています」

前田「コンサート衣装の装飾の仕事をしています。最近だとアイドルのツアー衣装などをやりました。コンサート衣装って時期は関係ないので、夏に毛皮を付けたりするんですよ! 毛皮は縫い目が見えないので、縫い終わってから抜けていてやり直しになることもあります。すごく難しいんです」

 

Q:夏に毛皮って暑そうですね…!

前田「そうなんです。アイドルの皆さんはステージでスポットライトに当たったりして凄く暑いので、裏をメッシュ生地にしたりして、少しでも暑くないように工夫しているんですよ。他にも、重そうにみえて軽い衣装を作ったり。どうやって作ればそう見えるかって考えるのも難しいところですね」

 

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Q:お仕事の楽しさ、魅力は何ですか?

中野「なぜ私が雑誌の仕事を選んでいるかというと、小さくても自分の名前が載って、紙として手元に残る事がうれしいからですね。自分で小道具を用意する事があるんですが、背景など世界感をスタッフ全員で作りこみ、完成させる事が楽しいです。」

 

Q:やりがいを感じる時はどのような時ですか?

中野「徹夜明けで撮影して、体はボロボロの状態なんですけど、実際にモデルさんに着てもらって「これ可愛い!」とか、「なんで私の最近の好み知ってるの?」とか言ってもらえるとがんばって良かったって思います。「買い取りしたい!」って言われるとよし! ってなりますね(笑)」

 

前田「自分が装飾した衣装をアイドルが着て、それをお客さんが観て喜んでいるのを見ると、やっていて良かったって思いますね。ご本人に褒めてもらえると、凄く嬉しいです」

 

Q:大変なことは何ですか?

中野「タレントさんだったら、何パターンか組めばいいと思うんですけど、雑誌はそうはいかなくて。この前は125体の秋服のコーディネートをしたんですよ〜! 服だけじゃなくて、合わせる小物や靴なんかも沢山集めるので本当に大変でした。借りるだけで3日、準備に1日、コーディネートを組むのに1日半くらいかかりました」

前田「デザイナーのイメージに近付けるってことも大事なんですけど、アイドルからのオーダーにも答えなきゃいけないので大変ですね。凄く難しいんですけど、終わった後『ありがとう』って言われるとその苦労も忘れちゃいますね」

 

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Q: 仕事をする上で、日頃心がけている事や注意している事などありますか?

中野「とにかくモノを集めるのが仕事なので、このお店はシンプルなモノが多いとか、ここはさし色になるアイテムが豊富だとか、そういうアンテナを常に張っておかないといけないと思っていますね。ショップ店員さんを見て、最近このアクセサリー付けてる人多いな、とか…細かいことも普段から意識するようにしています」

前田「体調管理ですね。1ヶ月に3つのコンサートが重なることもあるんですが、必ず期日までに完成させないといけないので、体調を崩さないように気を付けています。もちろん早く確実に縫製することも大切です。ミスした物をやり直す時間はとてももったいないですからね!」

 

Q:学校で学んだことで卒業後も役に立っている事があれば、教えて下さい。

中野「研修にたくさん行けたことは凄く勉強になりました。就職も、研修でお世話になった方のところに決まったので。いろんなジャンルのスタイリストさんのところへ研修に行かせて頂いて、やっぱり自分は雑誌がやりたいんだなっていうのが、在学中に分かったのも良かったと思います」

前田「研修ですね。現場の雰囲気っていうのは、実際にそこへ行ってみないと分からないことだと思いますし、現場でしか学べないことっていうのもたくさんありますからね。研修で教えてもらったことが、学校のファッションショーに役に立ったりもするので、研修はとても良い経験になりましたね」

 

Q:これからファッションの世界を目指す皆さんに、メッセージをお願いします。

中野「私は北海道から上京してこの学校に入って、同じ夢を持つ友達と出会えました。一緒に頑張れる友達がいたから、辛い時も続けられました。だから仲間を見つけることもとても大切なことだと思います。そして一番大事なのは『私は絶対にスタイリストになる!』ってあきらめずに思い続けることですね」

前田「私は在学中は縫製はあまり出来なくて…入学時なんて本当に初心者で、3年まで通っても皆よりは出来なくて。でも縫える、縫えないよりも『やりたい』っていう気持ちが大事なんですよね。研修行ってみて、やっぱりこの仕事がしたいって思って勉強もいっぱいしたので、自分は出来ないからやめようって思わないことだと思いますね」

 

〈Guest Profile〉

■フリースタイリスト

中野 みずき さん

2004年3月、本校のスタイリスト科を卒業し、鈴木美保氏に師事。

2007年3月に独立し、現在は雑誌「Popteen」、「小悪魔ageha」「姉ageha」を中心に広告、タレントさんや女優さんのスタイリングやカタログなど幅広く活躍中。今年の後期2より、本校講師として従事される予定。

 

■株式会社クリエイティブ・ギルド

衣装製作

前田 早紀子さん

2015年3月にテクニカル科を卒業後

学生時代の研修を経て、念願の株式会社クリエイティブ・ギルドに入社しました。

現在は一流芸能人の舞台からアイドルグループのコンサート衣装、人気テレビ番

組に出演するタレント衣装に至るまで、幅広くエンターテインメント全般の衣装

製作および衣装装飾を手がけるクリエィティブ・ギルドさんに従事していらっし

ゃいます。

衣装デザイナー&スタイリスト 米山裕也さん

8月22日、当校の卒業生で衣装デザイナー&スタイリストの米山裕也さんがご来校され、ゲストトークを開催いたしました。

 

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衣装製作には、衣装を着るご本人も関わることがあるんですか?

「もちろんです。オファーを受けたら、まずコンサートのテーマやコンセプトに合わせて、衣装をどんな感じにしたいのかっていうのを打ち合わせします。その時にアイドル側からオーダーがあったりしますね。そのアイデアがどうやったら一番活きるのかっていうのを提案します。出来上がったデザイン画はご本人に確認して頂き、納得して頂いてから製作します」

 

グループ衣装を製作する際に気を付けていることは何ですか?

「それぞれの個性を出しながらも、グループのバランスを崩さないように意識していますね。例えば、1人だけ衣装の丈が短いとか、色味が極端に暗いとか……そういうことが無いように気を付けています。後は、なるべくその人のスタイルを良く見せられるようなデザインを考えています」

 

フィッティングに立ち会うことはあるんですか?

「はい。フィッティングに立ち会って、実際に本人が着たのを見てバランス・大きさ・サイズ感を確認します。実際に着てみると、ダンスを踊るときにこの丈だと邪魔だとか、動きにくいっていう問題が出てくることがあるので、そこで修正をし たりします」

 

1回のコンサートでどの位の衣装を作るんですか?

「コンサート全体で大体5〜6回くらい着替えがあるんですが、それを一人で担当するときもあるし、別のデザイナーさんと分けてやることもありますね。2人でやるときは、最初にどういうイメージで行くかを打ち合わせして、同じような衣装が出来ないようにしています」

 

デザインを考えるときに大切なことはなんですか?

「要求されたものをコンセプトに合わせてデザインすること。その上で更に、その人たちらしいものを提案していくことですね」

 

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こだわって製作する中で、予算をオーバーしてしまうなんてこともあるのではないですか?

「ありますね。実際に作ってみないと、いくらかかるかってことは分からないじゃないですか。これ位かかるかな? って予想出来るような、前例があるものをやっていたら、いつまで経っても同じような衣装しか出来ないんですよ。失敗してもそれは次に活かせるので、やったことがないものにどんどん挑戦していかなきゃいけないと思いますね」

 

様々なアイドルの衣装を担当している米山さんですが、時間に追われることもあるのでは……?

「あります。オーダーが来た時点で既に時間が足りないなってこともあるんですが、そういうときはどうやったら間に合うのかって考えますね。例えば刺繍をする衣装があるとしたら、最初に刺繍をしてもらって、その布を裁断して、縫製して……っていうのが普通なんですけど、そんな時間が無いときは、刺繍の部分と、衣装制作を別々に同時進行で行って、最後にドッキングさせるようにするとか。どうやったら納期内に完成させられるかって考えるのもデザイナーの仕事のひとつなので、服作りの行程は知っていた方がいいと思います」

 

学校で学んで、今も役立っていることはなんですか?

「基礎知識は学校で学びましたね。その後実際に現場に出てみてから、基礎の大切さが分かりました」

 

お仕事のやりがいはどんなところですか?

「頭の中に描いた今までにない新しいことが、上手くいったときにやりがいを感じますね。イメージ出来ても、形にしてみたら違うってことはよくあるんですよ。だから思った通りに形になったときには嬉しいですね」

 

デザインを考えるとき、生地から考えることはありますか?(2T藤谷さん)

「あります。この生地があるから、こういうものを提案しようって考えることもありますし、このデザインだからこういう生地を使おうっていうパターンもあります。それは場合によりますね。いい生地を見つけたとき、可愛い衣装が出来そうだな〜って思っても、カッコいい衣装を作って欲しいって言われたら、

その生地はボツになっちゃうんですけど、他のときに使おうかなって思って、とりあえず買っちゃったりもしますね」

 

 お忙しい中、大変貴重なお話をお聞かせ頂きました。米山さん、本当にありがとうございました!

株式会社ジーユー プレス 鎌田ちひろ様

7月31日、当校の卒業生で株式会社ジーユー プレスの鎌田ちひろ様が、体験入学のゲストとしてご来校されました。

 

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Q:現在のお仕事内容を教えて下さい。

主にファッション誌へGUの商品をPRするお仕事です。GUの商品を雑誌に載せて頂けるように、スタイリストさんへの商品サンプルの貸し出しや、雑誌の編集者さんへ新しい商品の紹介をしたりします。最近だとwebで“プレスがお勧めする着まわし”を提案したりしました。以前「JELLY」(ぶんか社)という雑誌とコラボして丸ごと1冊GUのお洋服を使った「GU×JELLY BOOK」という本を作ったのですが、また近々別の新プロジェクトを考えており、モデルさんを編集の方と相談したり、スタイリストさんとスタイリングを考えながら、着々と準備を進めています。

 

Q:お仕事の楽しさ、魅力は何ですか?

ファッションが好きでこの業界を目指しましたので、やっぱり一足先のトレンドをいち早く知れるというのが魅力だと思いますね。それと、プレスという仕事は、スタイリストさんや編集者の方など、たくさんの方と出会えるというところも魅力のひとつではないかと思います。

 

Q:やりがいを感じる時は?

自分が紹介した商品や、コメントが雑誌などに載ったときは「私がオススメした商品を載せてもらえたんだな」ってやりがいを感じますね。それを見た家族や友人から反応があったときも嬉しいですね。

 

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Q:学校で学んだことで卒業後も役に立っている事があれば、教えて下さい。

スタイリストのアシスタント時代は「スタイリング」の授業が役に立ちました。スチーマーやアイロン、タグの管理の仕方や地図の読み方……スタイリストが当たり前に出来なくてはならないことですが、教えてもらわないと分からないことでもあります。それを授業で教えて頂けてよかったと思います。

プレスになってから、やっていてよかったと思ったのは「Mac演習」ですね。ExcelやPower Pointを使って資料を作ることが多いので、とても役立っています。

 

Q:本校に入学を決めた理由は、なんでしたか? この学校に入って良かったと思うことを教えてください。

この学校の体験入学には、2回参加しました。そのときに学生スタッフや、先生方が真摯にお話して下さったことと、学校の雰囲気や見せていただいたムービーから、フレンドリーで楽しそうなのが伝わってきて、ここで勉強したいなと思ったので入学を決めました。卒業してからも研修制度などで、学校と親密な関係を持ち続けられるのは嬉しいですね。

 

Q:これからファッションの世界を目指す皆さんに、メッセージをお願いします。

皆さん、ファッションが好きで、色んな夢を持っていると思います。その気持ちをいつまでも持ち続けてもらいたいと思います。様々なことに興味を持って、色んなところへ行って、たくさん経験をして下さい。その経験が、必ず仕事に繋がりますよ!

 

 

■株式会社ジーユー プレス

鎌田 ちひろ様

2012年3月、本校のスタイリスト科を卒業後、スタイリストJOE氏に師事。アシスタントを約1年勤める。その後2013年8月より株式会社ジーユーにてプレスアシスタントへ転職。2014年9月よりプレスの職に就く。現在は、プレスルーム運営、プレスリリース作成、展示会運営など雑誌媒体中心の業務を担当。