来校ゲスト | ファッション専門学校の東京服飾専門学校 - Part 34

来校ゲスト

株式会社クレヨン様

 

 今、まさに業界の最先端で活躍されているゲストをお迎えし、業界の現状や体験談などをお話しいただく「業界研究/講演会」の授業。

 

今回は株式会社クレヨンから、代表取締役社長の田中大資様、人事部の山田雄祐様、マーチャンダイザーの立花翔太郎様、デザイナーの亀岡由紀様をお迎えして、業界の現状から人事部の目線で見た求められる人材、人気職であるマーチャンダイザーやデザイナーとして必要なことなどをお話しいただきました。

 

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Q 学生時代のうちにやっておいたほうが良いことはなんでしょう?

今のうちに自分がやりたい事について良く考え、勉強しておいてください。それが、将来好きなことを仕事にできるということにつながると思います。社会人になってからのほうが、勉強することが増えます。スピードの速さも求められるし、量も多い。社会人になってから有意義な時間を過ごせるように、学生時代から準備を進めてみてください。

 

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Q どんな人材を求めていますか?

元々販売からスタートした会社ということもあり、接客に重きを置いています。現在、販売職をめざす若者は減少しています。みなさんの世代は、ファストファッションの台頭もあり、“接客”になじみが薄く、実体験としてわからないと思うんです。販売職の魅力って、ブランドの個性をお客様にお伝えし、共感を頂く事です。それが魅力的でキラキラしてるはず。お客様と会話をしながら、一番お似合いになる一点をお勧めする――スタッフには、クレヨンのファン、スタッフ自身のファンを作ってくださいとお願いしています。

 

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Q 学生にメッセージをお願いします。

 

人事部 マネージャー 山田雄祐様

「売る」という仕事には「好きであること」は欠かせません。お客様の立場で考え、商品やブランドの魅力をお伝えする仕事は、その商品やブランドが好きでなければわかりませんから。また、色々なことに興味がある人というのは、どんな職業でも「この人についていきたい」と思わせることができます。自分の中の「好き」を増やしておけば、人として成長することができると思います。

 

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商品部 マーチャンダイザー マネージャー 立花翔太郎様

MDという仕事に一番必要なのは、“喋る”という事です。どんなに優れたコンセプトでも、会社や現場のスタッフたちに伝える伝える事が出来無いと、採用も店頭に反映する事も難しくなります。コミュニケーションが苦手な人も多くいるかもしれませんが、ファッションが好き、服が好きなら乗り越えられると思います。最終的な目標を目指して、ぜひ頑張ってください!

 

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商品部 デザイナー 亀岡由紀様

デザイナーを希望する方に伝えたいのは、最初に入る会社が大切だということ。デザイナーは、ずっと続けていく仕事です。10万円のワンピースをつくる仕事から3千円の洋服のデザインをする会社に転職するのは簡単でも、逆はとても厳しい。でも実は、3万円のワンピースを作ることが一番むずかしいんですね。こういった感覚を、若い時にぜひ身につけてください。

 

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代表取締役社長 田中大資様

いまどきの傾向として、真面目な学生が多い印象があります。それが悪いとは言いませんが、そういう人は自分で早めにブレーキをかけてしまうんですね。ファッションの仕事は銀行員ではありませんから、少しぐらい無茶をやってもいい。「不真面目はダメだけど、非真面目は大歓迎」、これはうちの創業者の言葉なんです。うちでは無茶なことをやれる人間を求めています、行き過ぎたときに止めるのは僕らの仕事ですから。

 

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スタイリスト 高木麻希さん

先日、1年スタイリスト科の「業界研究」授業のゲストとして、卒業生のスタイリスト 高木麻希さん(2008年度卒)が講演にいらっしゃいました。

 

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現在のお仕事内容を教えてください。

「今は主にTVや広告の仕事をしています。最近は、広告だと某飲料メーカーさんのWEBと店舗で流す広告映像を撮りましたね。TVは、毎週月〜金曜毎夕に番組に出られているアナウンサーさんの衣装を毎日準備したり、タレントさんの隔週でレギュラーの仕事をしたりしています」

 

どうしてスタイリストになろうと思ったんですか?

「私はもともとデザイナーになりたくて、高校も被服科を選んだんです。デザインを描いてコンテストに送って、デッサンが通ったら物を作るっていうことをやっていたんです。でも、実際に現場やショーに行くと凄すぎて。自分は、デザイナーにはなれないなって思ってしまったときに、高校の先生が「そんなに服が好きだったらスタイリストって仕事はどう?」って教えて下さって。そこで初めてスタイリストっていう職業を知りました」

 

tfacで学んだことで、特に役立っていることはなんですか?

「全部役立っているんですよ。でも、一番はマテリアル(素材)。難しかったのであまり好きじゃなかったんですけど、本当に役に立つので覚えた方がいいです。ディティールと生地の説明は、今でもよく言葉にしていますね。あと、広告の仕事はMacを使って資料を作るので、PCには慣れていた方がいいと思います」

 

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仕事で大変なことはなんですか?

「以前やったCMでは、服以外にもたくさん用意しなくてはいけないものがあって大変でした。例えば、そのシーンにつかうクッションなどの小物や家具など、空間までコーディネートするのがスタイリストの仕事なので、自分の好きな服ばかりを用意していればいいって訳じゃないんですよ」

 

スタイリストという仕事の魅力はなんですか?

「服とはちょっと関係ないんですが、特別な場所に入れて頂けたり、自分じゃ行かないような場所に連れて行ってもらえることですね! ロンドンオリンピックのメディアセンターに、キャスターさんのスタイリングをしに行ったこともあるんですよ! あと、競馬の優勝ジョッキーに花束を渡す方のスタイリングをしたことがあるんですが、VIPしか入れない席に入ったことがありましたね。自分じゃ絶対に行かないようなところだったので、新鮮でしたね。北海道に泊まりがけで仕事に行った時は、毎晩美味しいものを食べさせてもらいました。最高でしたね」

 

スタイリストになるために何をしたらいいですか?(1SB makitaくんより)

「スタイリストに限らず、やりたいことがあるなら、それに必要なことを人一倍勉強して、努力すること! 人と同じことをやっていても抜け出せないですからね」

 

DHE株式会社 代表取締役社長 柳原秀哉様

 

各業界のプロフェショナルの方をお招きし、体験談や業界についてお話しいただく「業界研究/講演会」の授業。業界の最前線にいるトップランナーのお話が聞けるということで、学生からの評判も高い講義です。

 

今回はファッションビジネス科の1年生のため、DHE株式会社の柳原秀哉代表取締役社長/CEOにご来校いただきました。現代人の生活に欠かせなくなったウェブコンテンツを中心に、マーケティングやプロモーション、エンターテイメントから地域創生まで様々な事業を手掛けてきたご経験をお話しいただき、ファッションとIT業界の「これから」について伺いました。

 

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Q 現在のお仕事の内容を教えてください。

ITやマーケティングの領域で仕事をしています。業界を問わず、アパレルやブランドはもちろん、医療メーカーなどあらゆる業界とお付き合いがあり、最近はタイで日本の魅力を発信する活動や某ポイントカードを広める仕事もしています。このほか、国内外の都市や企業のウェブサイトの制作、現実の風景に情報を重ねて表示するAR(拡張現実)という技術も扱っています。

 

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Q ファッション業界との共通点はありますか?

今、みなさんが使っているSNSは、きっと5年後にはなくなったり時代遅れになっているでしょう。IT業界だけでなく、ファッション業界も非常にトレンドの移り変わりが速い業界です。また、「もっとこうしたらいいのにな」と考えた人が、僕たちの想像を超えたような製品を作り出すのも共通していますね。コンピュータの技術はファッションにも応用されていて、服にチップを埋め込んで、着ている人の体温や汗を感知して温度調節をする――といったような開発も進んでいるんですよ。また、「どんな人が何をどういう風に購入したか」という統計を出し、そのデータを基にトレンドを分析することもありますから、ファッションはITとは切っても切り離せない関係ですね。

 

Q ITの観点から、今後のファッション業界の展望を教えてください。

今後数年、アパレルにおけるトレンドは、SNSを通じて洋服を購入する仕組みになるでしょう。画像だけでなく動画も取り入れて、TVや映画を見ているときに「この服いいな」と思ったら、すぐに購入できるような仕組みも出来上がっていくと思います。いまはどの企業でもスマホ向けのソーシャルメディアに一番お金をかけているでしょう。一方で、百貨店などの実店舗でも、「どの商品が売れているのか」だけでなく「どの商品が手に取られているのか」をリアルタイムに知ることができるシステムができあがっているんですよ。

学校では、流行の先を見る力、いわゆる“センス”を磨いていってほしいです。いつも一緒にいる仲間や先生、授業で得た知識や経験が高めてくれるものだと思います。

 

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Q 学生にアドバイスをお願いします。

ファッション以外にも何か別のジャンルも極めてみてください。これはある人の言葉ですが、5年(約10,000時間)かければひとつのジャンルで「100人に1人」の存在(専門家)になれると言われていますが、そこから「1000人に1人」になるのは難しいんですね。でも次の5年で別のジャンルで「100人に1人」の存在になれば、100人×100人で「1万人に1人」の存在になれる。そういう将来設計も頭に入れておくと、自分の可能性を広げることができますよ。

今の学生さんたちは、生まれたときからインターネットがある世代。便利なものがあって当たり前だと思うからこそ、「こうあったらいいのにな」や「ここが不便だな」と思ったことを大切にしてほしいです。ファッションの仕事にも通じることだと思いますが、そうして気づいたことが、その人にとってのアイデアになったり、仕事につながったりすると思います。

 

株式会社VHF プレス兼アートディレクター 若月円佳様

各業界のプロフェッショナルの方に経験談をお話しいただく1年生の人気授業「業界研究/講演会」。

 

今回はPEACH JOHNをはじめ様々なプレスを経て、現在ではQuatrzeや14、BETHなどのブランドを展開する株式会社VHFでプレス兼アートディレクターとしてご活躍中の若月円佳様にご来校いただきました。

 

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Qプレスという仕事を目指したきっかけはなんですか?

私は元々雑誌の編集者になりたくて、大学でもエディトリアルや本の装丁を勉強していたんです。色々な雑誌を見ていく中で、綺麗な写真を使った広告が目に留まって「私もこんな綺麗なイメージを作る側に行きたいな」と思い、プレスを目指すようになりました。

 

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Qプレスというのはどんな仕事をするのですか?

一般の会社では「広報」や「宣伝」にあたるのが、ファッション業界だと「プレス」という仕事になります。会社がどんなに優れた商品を作っても、消費者がその商品の存在を知らなければ買ってもらえませんよね? ですから雑誌掲載や広告の制作、イベントの企画やCMの制作、最近だとSNSなども使って商品やブランドを知ってもらったり、そういう仕組みを作るのがプレスのおもな仕事になります。

 

Qプレスという仕事のやりがいはなんですか?

ブランドのプレスというと、雑誌やSNSで芸能人と一緒に写真に写っていたり、華やかな印象があるかもしれません。たしかに他の仕事より、有名人に接する機会が多い仕事なんですけど、ショーや広告など大人数が関わる仕事のまとめ役をしたり、資料の作成や記事のチェックなど、地道なデスクワークも多いんですよ。そうやってできあがった雑誌の広告や、掲載記事を見ると言葉にできない達成感がありますね。タレントさんや社長さんしか出席できないような華やかなパーティーに出席できるのも、役得だなぁって思いますね(笑)。

 

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Qどうしたらプレスになることができますか?

プレスというのは採用が少なく、あっても経験者のみの募集だったりと“狭き門”です。それでも私のように販売職で採用されてプレスになる人も多いので、「熱意」と「適性」があることをアピールすればプレスになることは夢ではありません。外部との窓口になる立場なので、笑顔で接しやすい人や、イベントを取り仕切るリーダーシップのある人は適性がありますよ。またプレスというのは“そのブランドの顔”になりうる人なので、私も転職して、所属する会社が変わったらファッションを見直して、そのブランドの理想像に近づける努力をしていました。

 

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このほか若月様には、実際にプレスになるために実践していたことや、華やかなショーの裏話など様々なお話をしていただきました。tfac生たちも普段からTVなど目にする有名人の話に、興味深そうに聞き入っていました。貴重なお話、ありがとうございました!

松竹芸能 タレント兼スタイリスト 深海様

先日、1年スタイリスト科の講演会のゲストとして松竹芸能 タレント兼スタイリストの深海様がいらっしゃいました。

 

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スタイリストを目指す上で、やっておいた方がいいことはありますか?

「好きな雑誌を決めておくとこと! そして、その雑誌のスタイリストさんを調べるといいと思います。スタイリストって自分自身のカラーだったり、自分らしさをしっかり世の中に発信していくことが一番大事なの。自分がタレントさん側から『この人だったらこういう風にしてくれるだろうな』って思われることが大事です!」

 

なぜスタイリストになろうと思ったんですか?

「子どもの頃、すごく貧乏で服を買えなかったんですよ。自分が我慢していたからこそのギャップがあって、凄く服が好きで憧れがあって。ショップ店員さんも経験したあと、自分が好きなスタイリストさんを探して、その人に付きたいと思ってお願いして、アシスタントになったのがきっかけですね。」

 

学生時代にすべきことはなんですか?

「2年生になったら私たちの授業があるんですけど、最初に自己紹介をしてもらうんですよ。でも、普通の自己紹介じゃ誰にも覚えてもらえないの。アパレル業界に就職するなら、自分自身を価値のあるものにしないといけない。そうしないと、人に使ってもらえない職業。だってスタイリストっていっぱいいるんだから、誰でもいいじゃない? 私じゃなきゃいけない理由ってその人の“人間力”だから、いかに自分を好きになってもらうかが大事。だから、自己紹介がうまくなるっていうのはすごく大事」

 

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日頃心がけていることはありますか?

「これは、スタイリストになる人もそうだし、アパレルに就職する人もなんだけど、みんなそこで終わりで良いって訳じゃないじゃない? アパレルだったら店長だったり、エリアマネージャーとかになったり? どんどん上を目指していく訳じゃない? そのときに、最終的に必要になるのは決定する能力だと思うの。スタイリストって半年先を見なきゃいけない仕事。要はこれを打ち出しましょうって決めること。雑誌でも、タレント専属でも、こっちの方がおしゃれなんですって自分で決めて、それをすすめる。これが可愛いですって決定する意思能力が一番大事だったりします」

 

スタイリストになってからするべきことはなんですか?

「この人がどういう服が好きかっていうリサーチ能力がすごく大事。わたしも、初めてやらせてもらう人のときは事前にその人のインスタを見たりとか、その人がどんな私服が好きかっていうのとか調べるの。みんな誰かに服プレゼントすることってあるでしょ? そのとき、なんとなく好みってあるじゃない? この人チェック好きだからチェックあげときゃ間違いない、みたいなそんな感じね」

 

お仕事で失敗してしまったことはありますか?

「いっぱいある。韓国でロケがあったの。飛行機だから、荷物全部広げて、しわを伸ばさなきゃいけないじゃない? でもアイロンが壊れちゃったの。ホテルに借りようと思ったらアイロンが無くて大変! でも、服のしわが伸びてないことは私のミスだし、そのまま本番にいく訳にはいかないから、あらゆる手を使ってしわを伸ばさなきゃいけないの。でも、夜の便で行ったからもう夜11時くらいで、次の日は朝5時から撮影だから、買いに行けないわけ。だから、ネットでしらべたら、やかんでアイロンの代わりになりますていう情報を見つけてたの。やかんめっちゃ必要ですって言ってやかん借りて、やかんにお湯溜めて、アイロンみたいにかけるんだけど、やかんの口からお湯が出てきたりしてあっつ〜! ってなりながら4時間くらいかけてしわ伸ばしてたのが失敗談かなぁ。次の日乾いてたから結果オーライだけどね。スタイリストってみんなめっちゃ準備するんだけど、その準備が全部覆るときがあるから」

 

最後にひとこと、メッセージをお願いします。

「結局一番大事なのは好きっていう気持ちなのよ。それがあるとがんばれるの。スタイリストになるのは凄く難しいけど、みんなになってほしいって思ってるのよ。人見知りとか、コミュニケーションを取るのが苦手とか、そういうのはいいです。好きって気持ちは誰にもまけないぞっていう気持ちはずっと持っていてほしいですね」

スタイリスト 加藤尚子さん

先日、体験入学のゲストとして当校の卒業生でスタイリストの加藤尚子さんがご来校されました。

 

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Q:現在のお仕事内容を教えて下さい。

「基本的には女性アイドルグループをメインに仕事をしています。TV媒体では、フリーのアナウンサーさんのスタイリングをすることもあります」

 

Q:アイドルグループは、人数が多くて大変ではないですか?

「私が担当させてもらっているのは、どんなに多くても8人なんです。事前に好みやサイズ感を教えて頂いているので、その中で選ぶんですが、常にそれが頭に入っているかと言われたら自信無いですね(笑)資料を読み返したりすることはあります(笑)レギュラーでやっている子達は日々会っているので、気分で変わってしまう好みなんかも読み取って合わせるようにしていますね」

 

Q:お仕事の楽しさ、魅力は何ですか?

「この学校に入学するときに願書にも書いたんですけど、人と接する仕事がしたかったんですよ。なおかつ洋服も好きだったので、それを合わせた仕事ってなんだろうって考えたときに、スタイリストという仕事を見つけたんです」

 

Q: 仕事をする上で、日頃心がけている事や注意している事などありますか?

「タレントさんのスタイリングをする時は、ご本人やTV番組のイメージを損なわないようにしないといけないので、ただ単純に流行ものを着せればいいという訳ではないんです。タレントさんの個性をいかに出してあげるかというのが私の仕事だと思うんですね。後、とても単純ですが遅刻しないこと! 私が行かなかったら、その日の洋服は何も無くなってしまうので大惨事です! 朝ちゃんと起きられるかっていうのは毎回心配です(笑)」

 

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Q:加藤さんは卒業後、本校講師の佐藤先生に師事されたとのことですが、先生のもとでお仕事するというのはどうでしたか?

「仕事なので、学生時代よりは厳しくなりましたね。でも、先生っていう感覚がずっと抜けなくて、現場でも先生って呼んでいました。現場では皆さん普通に『佐藤さん』って呼ぶんですけど、私が『先生』って呼ぶから、あの人なんだろう? って思われていたと思いますね(笑)」

 

Q:卒業してからtfac生と仕事することはありましたか?

「ありました。先生ともお会いすることがありましたし、同級生に会うこともあります。結構会う確率が高くて、この前なんかタレントさんが5人くらいしかいないのに、スタイリストが3人tfac生だったんです! やっぱりちょっと安心しますよね。うちの学校頑張ってるんだな〜って思うし、嬉しいです」

 

Q:学校で学んだことで卒業後も役に立っている事があれば、教えて下さい。

「スタイリングの授業です。田舎から出てきたので、東京のどこに何があるかなんて全然分からなかったんです。でも、授業で地図を勉強したので、凄く助かりました。洋服のディティールやアイテムの名前、柄だったりとかっていうのは、正直学生の時は、私洋服作らないし関係ないかなぁって思っちゃってたんですね。でも、今仕事をしていて、洋服のデザインをして欲しいって言われることもあるので、そうなると造形の授業を含め、全てが大事だったって思いますね」

 

Q:本校に入学を決めた理由はなんでしたか? 今もこの学校に入って良かったと思うのはどんなことですか?

「私も体験入学に参加して、入学を決めたんです。他の学校もいくつか行ったんですが、なぜここに決めたかっていうと、先生と生徒の距離がすごく近くて、親身に相談ができそうだなって思ったんですね。先生が友達のような、アットホームな学校で、凄く楽しそうって思って入学を決めました」

 

Q:これからファッションの世界を目指す皆さんに、メッセージをお願いします。

「これから入学して、社会に出て……それからは長いですけど、学生のうちにしか学べないことっていうのはたくさんあると思うので、いっぱい勉強して自分がやりたい職業についてもらえればと思います」

 

スタイリスト 中野みずきさん/株式会社クリエイティブ・ギルド 前田早紀子さん

8月17日、当校の卒業生でスタイリストの中野みずきさんと、株式会社クリエイティブ・ギルドの前田早紀子さんが体験入学のゲストとしてご来校されました。

 

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Q:現在のお仕事内容を教えて下さい。

中野「『Popteen』などの雑誌をメインに、WEB通販やカタログなどの仕事をしています。基本的には中高生〜30代くらいまでをターゲットにした仕事が多いですね。『小悪魔ageha』は立ち上げの時からずっとやっていて、その繋がりで今もお仕事を頂いています」

前田「コンサート衣装の装飾の仕事をしています。最近だとアイドルのツアー衣装などをやりました。コンサート衣装って時期は関係ないので、夏に毛皮を付けたりするんですよ! 毛皮は縫い目が見えないので、縫い終わってから抜けていてやり直しになることもあります。すごく難しいんです」

 

Q:夏に毛皮って暑そうですね…!

前田「そうなんです。アイドルの皆さんはステージでスポットライトに当たったりして凄く暑いので、裏をメッシュ生地にしたりして、少しでも暑くないように工夫しているんですよ。他にも、重そうにみえて軽い衣装を作ったり。どうやって作ればそう見えるかって考えるのも難しいところですね」

 

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Q:お仕事の楽しさ、魅力は何ですか?

中野「なぜ私が雑誌の仕事を選んでいるかというと、小さくても自分の名前が載って、紙として手元に残る事がうれしいからですね。自分で小道具を用意する事があるんですが、背景など世界感をスタッフ全員で作りこみ、完成させる事が楽しいです。」

 

Q:やりがいを感じる時はどのような時ですか?

中野「徹夜明けで撮影して、体はボロボロの状態なんですけど、実際にモデルさんに着てもらって「これ可愛い!」とか、「なんで私の最近の好み知ってるの?」とか言ってもらえるとがんばって良かったって思います。「買い取りしたい!」って言われるとよし! ってなりますね(笑)」

 

前田「自分が装飾した衣装をアイドルが着て、それをお客さんが観て喜んでいるのを見ると、やっていて良かったって思いますね。ご本人に褒めてもらえると、凄く嬉しいです」

 

Q:大変なことは何ですか?

中野「タレントさんだったら、何パターンか組めばいいと思うんですけど、雑誌はそうはいかなくて。この前は125体の秋服のコーディネートをしたんですよ〜! 服だけじゃなくて、合わせる小物や靴なんかも沢山集めるので本当に大変でした。借りるだけで3日、準備に1日、コーディネートを組むのに1日半くらいかかりました」

前田「デザイナーのイメージに近付けるってことも大事なんですけど、アイドルからのオーダーにも答えなきゃいけないので大変ですね。凄く難しいんですけど、終わった後『ありがとう』って言われるとその苦労も忘れちゃいますね」

 

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Q: 仕事をする上で、日頃心がけている事や注意している事などありますか?

中野「とにかくモノを集めるのが仕事なので、このお店はシンプルなモノが多いとか、ここはさし色になるアイテムが豊富だとか、そういうアンテナを常に張っておかないといけないと思っていますね。ショップ店員さんを見て、最近このアクセサリー付けてる人多いな、とか…細かいことも普段から意識するようにしています」

前田「体調管理ですね。1ヶ月に3つのコンサートが重なることもあるんですが、必ず期日までに完成させないといけないので、体調を崩さないように気を付けています。もちろん早く確実に縫製することも大切です。ミスした物をやり直す時間はとてももったいないですからね!」

 

Q:学校で学んだことで卒業後も役に立っている事があれば、教えて下さい。

中野「研修にたくさん行けたことは凄く勉強になりました。就職も、研修でお世話になった方のところに決まったので。いろんなジャンルのスタイリストさんのところへ研修に行かせて頂いて、やっぱり自分は雑誌がやりたいんだなっていうのが、在学中に分かったのも良かったと思います」

前田「研修ですね。現場の雰囲気っていうのは、実際にそこへ行ってみないと分からないことだと思いますし、現場でしか学べないことっていうのもたくさんありますからね。研修で教えてもらったことが、学校のファッションショーに役に立ったりもするので、研修はとても良い経験になりましたね」

 

Q:これからファッションの世界を目指す皆さんに、メッセージをお願いします。

中野「私は北海道から上京してこの学校に入って、同じ夢を持つ友達と出会えました。一緒に頑張れる友達がいたから、辛い時も続けられました。だから仲間を見つけることもとても大切なことだと思います。そして一番大事なのは『私は絶対にスタイリストになる!』ってあきらめずに思い続けることですね」

前田「私は在学中は縫製はあまり出来なくて…入学時なんて本当に初心者で、3年まで通っても皆よりは出来なくて。でも縫える、縫えないよりも『やりたい』っていう気持ちが大事なんですよね。研修行ってみて、やっぱりこの仕事がしたいって思って勉強もいっぱいしたので、自分は出来ないからやめようって思わないことだと思いますね」

 

〈Guest Profile〉

■フリースタイリスト

中野 みずき さん

2004年3月、本校のスタイリスト科を卒業し、鈴木美保氏に師事。

2007年3月に独立し、現在は雑誌「Popteen」、「小悪魔ageha」「姉ageha」を中心に広告、タレントさんや女優さんのスタイリングやカタログなど幅広く活躍中。今年の後期2より、本校講師として従事される予定。

 

■株式会社クリエイティブ・ギルド

衣装製作

前田 早紀子さん

2015年3月にテクニカル科を卒業後

学生時代の研修を経て、念願の株式会社クリエイティブ・ギルドに入社しました。

現在は一流芸能人の舞台からアイドルグループのコンサート衣装、人気テレビ番

組に出演するタレント衣装に至るまで、幅広くエンターテインメント全般の衣装

製作および衣装装飾を手がけるクリエィティブ・ギルドさんに従事していらっし

ゃいます。