就活室便り | ファッション専門学校の東京服飾専門学校 - Part 2

就活室便り

~就活室便り~#17 空飛ぶじゅうたん・空飛ぶニット

~就活室便り~#17 空飛ぶじゅうたん・空飛ぶニット

 

 

こんにちは。就活室のHANAZONOです。寒くなり始めたら急速に寒くなり、冬支度は
急になりました。綿のトレーナーからウールのセーターへと主役は変わり、コート、
中綿の季節になりましたね。寒がりとはいいながら、寒いときに寒い、ということは
いろいろな面でとても良いことで、冬ならではのコーディネートを楽しみましょう。

ファッションビジネス的に言うと、実はアパレルが一番儲かるのは春と秋で、昨今その
季節が一番短くなった気がしてなりません。なんか冬と夏だけ、って感じですよね。当然、
アパレル各社もそれに対応して企画変更を余儀なくされます。ちょっと前まで半袖のTシャツ
なんて、冬には買えなかったんですけどね。逆に年間定番のような商品にワンチャンある
かもしれませんね。

ちなみに私は現在鎖骨骨折からの回復中で、完全回復するまでボタンのシャツやタイトな
ジャケットが着れず、Tシャツからの重ね着に冬では初挑戦中です。バックパックも背負えず、
お医者さんに、「とにかく、骨は折らないのが一番ですよ!」と言われた言葉が身に沁みます。
今後より寒くなると路面凍結とか、積雪とか滑りやすい状況が予想されます。みなさんも気を
つけてくださいね。

 

今回、産学連携実習という授業の一環で、両国の丸和繊維工業様に学生と共に工場見学に
お伺いしました。両国で66年の歴史を持つカットソー工場です。現在、都内に本社があっても
縫製をしている企業はごく稀で、東京本社は営業のみ、縫製作業は地方の工場で、という会社が
ほとんどですが、こちらではミシン40台、縫製スタッフ10名で実際に工場として運営されて
います。もちろんさらに大規模な工場が青森と福島にあるのですが、地方も人集めが大変に
なってきたことと、特にカットソーはデザイナーが直接工場とやり取りすることが多いため、
むしろ東京を拡大していく、とのことで、そのためのミシン40台という投資なんだろうと
思います。

 

この会社だけの特別な技術がありそれは「動体裁断」という技術です。この技術を考案した
機能系被服デザイナー、中澤愈教授の技術的指導を全面的に受け、試行錯誤を繰り返した末の
技術だそうです。

 

中澤愈さんはデザイナーでありながら、人体に最もフィットするパターンは皮膚である、
ということに注目し、どんな動きに対しても皮膚には窮屈感がないのは、皮膚のしわが絶妙な
伸び縮みをするからだ、という仮説を証明するため大学医学部に入学しなおし、その後実際に
解剖に明け暮れ、皮膚の研究をしたそうです。そうして、筋肉、血管の動きに対して皮膚が
どのような動きをするかを徹底的に研究されたそうです。著書には解剖して採取した皮膚の
図が多数載っているのですが、まさしくこれはパターンに対する執念としか言いようが
ありません。

写真をみていただいて(相変わらず見にくくてすいません)、講師の丸和繊維の深澤さんが
持っているシャツの脇に濃い紺のパーツがあるのがお判りでしょうか。これは脇裾から
手首までつながっているパーツで、このパーツを挿入すると皮膚と同様、つれることがなく
両手を上げることができます。ボトムにシャツの裾を入れ、両手を上げるとシャツの裾が
引っ張られてボトムから出てしまいます。動体裁断の理論に基づきこのパーツを入れた
シャツは裾が引張られることがなく、シャツがボトムから出てしまうことがありません。

普通こういう楽な動きを目指すと素材のストレッチ性に頼りがちですが、中澤教授によると
ストレッチ素材といえどもそれは皮膚と違い、ある程度の張力がかかるものなので実は疲労が
蓄積するのだそうです。普段はそこまで気づかないかもしれませんが、例えばオリンピックの
アスリートレベルだとものすごい差になるらしいです。

 

この動体裁断の技術を用い、最初に成功したのは実は宇宙においてでした。一度動いた物質は
いつまでも動き続ける、という宇宙空間において、手の動きにつれ裾が上がってしまうシャツは、
その裾の動きが止まらず上がり続け、いつの間にか勝手に脱げてしまうそうです。動体裁断で
作り上げたシャツは、そんな慣性の法則にとらわれず、裾が上がることなく、宇宙空間で
宇宙飛行士の作業に貢献しました。その時の飛行士が山崎直子さんです。テレビで彼女の
エンデバーの中での様子を見ていた方は多いと思いますが、確かに彼女のポロシャツが脱げる、
なんてことはなかったですね。

 

こんな動体裁断の技術を利用したシャツは、手を上下することの多い様々な職業の方に愛用
されているようです。指揮者、レーサー、バーテンダー、等々様々な職業の方の助けとなって
います。

また、着心地にこだわるデザイナー、ヨウジヤマモトさんとのコラボレーションでは丸和繊維
さんのオリジナルブランド(INDUSTYLE TOKYO)とヨウジヤマモトのダブルネームで商品を
開発、販売もしています。

 

空を飛ぶ話をもう一つ。日本で一番多い鈴木姓の方と車いす使用の方とはほぼ同数らしいのです。
鈴木姓の方ほどには車いすの方にお会いしませんが、それは車いすの方がそれほど外出がしにくい
ことと、外出にふさわしいおしゃれな服が見つからないことに要因があるようです。

丸和繊維さんはその動体裁断の技術を利用して車いすの方専用の「Flying Jeans」を開発しました。
写真ではわかりにくいかもしれませんが(次からもう少しうまく撮ります、すいません)、もうすでに、
座った形に曲がって作られているのがおわかりでしょうか。

車いす使用者の着心地、利便を徹底的に考え、シルエット、ポケットの位置、等を再構築し、
外出の機会が増えるよう、おしゃれで履きやすいジーンズを作り上げたのです。

山形のバリアフリープロジェクト“Gratitude”の代表、加藤さんは筋ジストロフィーの発症により、
32歳で自立歩行が困難になり、フル車いす生活を送られていますが、そんな状況に負けずに
バリアフリー活動をすすめ、その一環として車いすパラグライダーに挑戦、見事成功されました。
もちろんFlying Jeansは加藤さんと一緒に空を飛び、履き心地の良いかっこいいジーンズがその
活動の後押しになったことはご本人が語られている通り事実であります。スペースシャトルから
宇宙ステーションまで、宇宙を旅行し、車いすと共に空を飛ぶ、この両国の工場の技術を丸和繊維の
深澤さんは「リアル下町ロケット」とおっしゃっていましたが、空飛ぶじゅうたんというか
空飛ぶニットと呼びたいところですね。

 

以前にも申し上げた通り日本の衣料品の輸入浸透率は98.5%,日本での生産は1.5%しかありません。
しかしそこには世界に誇るべき技術が数多くあります。そんな技術を少しでも次代につなげていけ
たら、そんな思いは日に日に強くなります。確かに繊維縫製品で画期的な技術、革新的な技術はもう
生まれないかもしれません。でも夢を叶える、勇気を与えてくれる、気分を高揚させてくれる製品で
繊維衣料品以上の力を持つものって、そんなに多くないと思います。ましてや四季の移り変わりにつれ
一年で最低4回も新商品を発表する業界は他にはないのです。この魅力を今後も次世代にどんどん
アピールし続けていきたいと思います。

 

だいぶ予定をオーバーした気がしますが、そんな技術の一端を当学の学生にも親切丁寧に教えて
いただいている写真もご覧ください。

幾多の特殊ミシンに興奮しきりの学生たちでした。たとえ少しでもこういった日本の技術を引き継い
で言ってくれたらな、と思いつつ今後もできるだけこんな場を次世代に用意できたらな、と思います。

 

なんか今年一年早かったですね。来年もいろいろと紹介できたらと思います。

ではまた。

 

HANAZONO

 

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~就活室便り~#18 海とボタン

~就活室便り~#18 海とボタン

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。年末もいつの間にか押し迫り、
なんだか次々と迫りくる予定に追いまくられて落ち着けない毎日です。気温も
下がってきて冬本番、って感じですね。遅れていた銀杏も色づき、ライトアップと
併せて町全体が色づいたようになってきました。でも、落葉しきった木とか、枯れた
すすきやセイタカアワダチソウを見るの、結構好きなんですよね。それが私の冬休みの
イメージでもあります。夏休みの躍動的なイメージもいいものですが、なんか冬休みの
落ち着いた雰囲気が好きです。相変わらず寒いのは苦手ですが。

 

当校の名物授業の一つに「産学連携実習」があります。これは様々な企業様に連携、
協力していただき、学生が様々なものづくりをしたり、あるいは企業様にプレゼンテーション
を行ったり、と机上の理論に基づかない実践講座です。今回2年デザイナー、パタンナーコース
の学生とボタンメーカーの最大手株式会社アイリス様との連携で、リサイクル、アップサイクル
ボタンを使用し、自分の服をリメークしよう、というコンセプトのもとに作品を制作しました。

 

お話をお伺いすると、ボタンの製造後の検品でA品率は約91%とのこと。100個作れば9個、
1万個作れば900個のB品が出て、それらは市場に出回ることがありません。もったいない
といってもじゃあ傷のあるボタンのついた商品をあえて店頭で購入するか、と言われればむしろ
逆に傷物ははねますよね。いろいろ言われてもそれは野菜でも果物でも一緒です。

 

今回アイリス様の全国の工場からB品を集めて頂きそれを中心として一部「環境配慮」生産の
ボタンを提供していただきました。B品に関しては私も学生と一緒に確認しましたが、あからさまに
傷、とわかるものはほとんどなく、むしろ間違い探しのレベルの問題でした。これをきちんとB品
として扱い出荷後のクレームを防ぐアイリス様の品質へのこだわりと、検品員の方のレベルの高さ
には脱帽するほかありません。

 

このようなボタンの提供を受け、学生たちは各々のテーマに基づき作品制作に入りました。自分の
服を大胆にカットして組み合わせたり、幼少期の思い出の宝物にボタンを追加してリメークしたり、
アイテムもバッグ、マフラーからシャツ、アウターに至るまで様々なものに挑戦しました。

 

11月22日は「ボタンの日」です。これは1870年のこの日に、海軍制服にネイビールックが採用され
金地桜花のボタンをつけることが決められたことに由来します。これにちなんで今年2024年11月22日は
「ボタンリメークプレゼンの日」になりました。アイリス様から加藤様をお招きし、各自自らの作品の
アピールポイントをアピールしました。その後作品を一旦お貸出しし、日本の各拠点のみならず、海外の
拠点からもご投票いただき5つの受賞先品を選んでいただきました。その受賞作が以下の写真です。この
プロジェクトの内容の記事と受賞風景の写真は12月13日の繊研新聞にも掲載されました。

大物からファッショングッズまで、アイテムも様々、リユース、アップサイクルと、テーマの幅は広い
ものの、皆それぞれの想いを作品に乗せ表現できたと思います。

このプロジェクトに参加した全員の写真が以下のものになります。

最優秀の金賞受賞作品はNARITAさんの海のニットです。

海の近くで生まれたNARITAさんは、土台のニットで海のイメージを、ボタンは海に関連して「ナット」
「漁網」「貝」「ココナッツ」から選び、サスティナブルと郷愁を表現しています。なんだか見ているだけ
で潮の香に包まれそうですね。

 

こんな形で毎回様々な企業様と様々なテーマで「産学連携実習」という授業を行っていますが、新聞発表に
なったのは実は珍しいことです。金賞受賞のNさんの作品や入賞作品だけでなく、その他のメンバーの作品
も負けず劣らず素晴らしいものでした。ただアップサイクルと郷愁と潮の香というテーマが揃ったところが
NARITAさんの受賞の要因だと思います。潮騒、ボトルに入ったメッセージ、ちぎれて打ち上げられた漁網、
ココナッツ、集めた貝殻。すべてボタンに生まれ変わってニットの海で泳ぐ、海とボタンとの相性は意外と
良いのかもしれません。

 

今回のプロジェクトは株式会社アイリス商品企画部で3度もご来校された商品企画部加藤様はじめ、三橋課長、
鯨井様をはじめとする商品企画部の皆様、ボタン集め、投票に参加して頂いた全拠点全社員の皆様のご協力が
なければこのような試みが成功することはできませんでした。改めて深くお礼申し上げます。

 

今後も様々な企業様と様々なチャレンジをしていけたらと思います。今回は繊研新聞掲載を受け、特別号の
形で#17より先に公開させていただきます。#17が本年最後の投稿になります。来年もまたいい年になると
いいですね。

ではまた。

 

HANAZONO

 

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~就活室便り~#16 染色いろいろ ジャパン・ベストニット・セレクションⅡ

~就活室便り~#16 染色いろいろ  ジャパン・ベストニット・セレクションⅡ

 

こんにちは。就活室のHANAZONOです。実は私は冬が苦手で、とにかく寒いのがどうにも
いけません。寒くないように厚着をして、と思うのですが、重ね着もコートもなんだか着こ
なしがうまくいきません。寒いのがだめで着こなしもだめ、ということでできれば3月ぐらい
まで冬眠して過ごしたいとも思うのですが、それが許される環境にいたこともありません。
朝起きるのが特につらいですよね。と言いながら猫当番で朝食当番の私は結局家族の中で一番
早く起きねばならず、冬眠は夢のまた夢、春の訪れが待ち遠しいばかりです。

 


前回に引き続き今回もジャパン・ベストニット・セレクションにてお話しさせていただいた
企業の紹介をしたいと思います。まず最初は内田染工場様。ニット製品の染色の会社です。
創業115年という老舗で、住所はなんと白山!ご近所様です。大抵洗工場、縫製工場の場合、
工場は地方にあり、東京は事務所だけ、という会社がほとんどですが内田染工場さんの場合は
全て白山で生産されているとのこと。まさしくMADE IN TOKYOですね。

写真を見ておわかりいただけるかどうかわかりませんが、Tシャツの染色でも抜染剤を使いながら、
最初からブリーチ感覚が楽しめる染色をされています。染める時の生地の折り返し具合の違いなど
でどれも一様の色になることはなく、一着一着ブリーチ、濃淡、グラデーションの出方が違う染色
方法で、それを再現性がない、という欠点に捉えるか、一着一着がオンリーワン、という魅力に
捉えるか、捉え方は人それぞれと思いますが、現在では魅力に感じる方の方が圧倒的に多いのでは
ないでしょうか。その他特殊染からウール系のセーターまで様々な製品を染色していらっしゃいます。
ご近所ということもあり、ぜひ一度学生と一緒にお伺いしたいと思っています。見学だけでなく、
何らかの共同作業もできたら良いですね。

 

次にご紹介するのは小倉メリヤス製造所様。こちらも創業95年という老舗です。墨田区に本社を構え、
工場は栃木県佐野にあるそうです。

こちらで目を引くのはプリントデニムです。

写真を見ておわかりでしょうか。この色落ち加減は全部おプリントの表現で実際は一切の洗い加工は
していません。裏はこんな感じです。


まさに先染め感満載ですが実はこれもプリント。表裏プリントすることで普通のデニムと見た目では
区別がつきません。洗い工程をなくしたことで、水の使用量を90%カットすることができ、なお、
洗いや脱色をしていない副産物として染色堅牢度が飛躍的にアップしたとのこと。当然ブリーチ柄は
自由に設定できるので、デザイナーの以降に合わせたどんな表現も可能です。以前は、あれだけ流行
したサンドウオッシュが工員の健康問題で一気になくなったことがありましたが、今回は人体だけで
なく環境にも配慮し、なおかつ柄の自由度が高く、洗った後の処理もないため生産性は向上し、素材の
自由度も非常に高くなっています。写真ではわかりにくいのですが、最初の写真の1番手前にあるGパン
の素材はニットで(そう見えませんよね)、あまり激しい洗い加工には耐えられないように思える柔ら
かく薄手の素材です。それがこの見え方に染色できるのですから素材の幅は飛躍的に広がったと言って
良いでしょう。

その技術の応用で様々な防水、撥水加工、ラミネート、片面吸水/片面ドライ乾燥加工といった数多くの
加工をしていらっしゃいます(というよりデニムプリントの方がその技術の応用だと思うのですが)。
UV加工、シルクプロテイン加工などは紫外線対策、肌の保護、といった今求められるものがいっぱい
詰まった技術と言えるのではないでしょうか。

 

佐野工場では染色だけでなく製品の縫製もされており、縫製スタッフも募集中とのこと。栃木が実家の方、
一度ご検討なさってはいかがでしょうか。

現在縫製品は98.5%が輸入品となり、国内生産は1.5%に過ぎません。しかしだからといって技術的には
輸入品に劣っているどころかまさしく世界一と呼ばれる技術が数多くあります。この世界一の技術を、
世界に向けてどんどんアピールしていけたら、と思わない日はありません。

豊臣秀吉が6ヶ月という短期間で築いた肥前名護屋城。これを現代のゼネコンが、現代の技術で、現在の
重機を駆使して建築したとすると、最低でも3年はかかるそうです。そんな現代の技術も重機もかなわない
当時の築城技術も、城造りを辞めた途端、すぐに失われてしまいました。それは日本だけでなく、多分ピラ
ミッドにしても、世界の7不思議って多分そういうように普通の技術だったものがいつの間にか‘不思議‘に
なっていったんだと思います。

縫製にしろ染色にしろ編織にしろ日本にしかない技術はいっぱいあります。これを次代に引き継いでいか
ないと日本にはまた沢山の“不思議“だけが残されることになります。あるアパレルのMDと話していた時、
このまま行くと後数年後には日本でジャケットが縫える工場がなくなるのではないか、という話題になり
ました。

内田染工場でお相手してくださったKさんは、文化服装学院のご出身だそうで、学生時代に一度授業で内田
染工場さんとコラボし、就職は他の企業に就職したものの、その学生時代の体験が忘れられず、結局出戻り
とは言いませんがお世話になることになったそうです。今後みなさんにそんな体験のお手伝いが少しだけで
も出来たら、そして日本の技術を引き継いでいっていただけたらと思います。

現在では新技術というとIT系に限定されてしまいがちですが、繊維服飾系(昔は漢字のつくりから、“いとへん“
業界と呼ばれました)の技術は奥が深いですよ。そんな深みにどっぷり浸かってみたい方、応援しています。

 

染色いろいろ。色柄いろいろ。今回のジャパン・ベストニット・セレクション、染色もそうですが、ニットは
型の自由度も高く、いろいろ見どころ満載でした。今後もこんな情報を少しずつでもおお伝えしていけたらと
思っています。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

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~就活室便り~#15 Apex Fizで乾杯 ジャパン・ベストニット・セレクション

~就活室便り~#15 Apex  Fizで乾杯 ジャパン・ベストニット・セレクション

 

こんにちは。就活室のHANAZONOです。先日やっとクリスマスツリーを出し、リースを玄関ドアに
飾って我が家でもだんだんクリスマスモードに入ってきました。年末に向けてなんだか急に寒くも
なってきたようで、冬支度、クリスマス、新年の準備とあわただしい季節になってきました。12月は、
8日が初めて我が家に猫がやってきた記念日(捨て猫ですが自分で捕まえて保護しました)、25日と
28日は子供の誕生日、とクリスマスとあわせてパーティーが延々と続く月です。25日が誕生日と
クリスマスとかぶっているのですがパーティーは絶対に別々が良い、との本人の希望でパーティーの
回数は増えることはあっても減ることはありません。25日前後にケーキを買いにいくと、ろうそくを
追加で依頼している方が思ったより多いような気がします。パーティーは1回で済まされているのか
どうか、よそのうちの事情もなんとなく気にかかるところです。

 

12月3日、4日の2日間、ジャパン・ベストニット・セレクションが浜松町の都立貿易産業センターで
開催されました。ちょっとすごい混雑でびっくりしましたけれど、その中でお話を伺ったいくつかの
企業をご紹介したいと思います。

 

まず最初は島精機様。島精機といえばホールガーメント(完全無縫製横編み機)を独自に開発し、
従来のニット製品にあった裁断、リンキング、縫い目、等をすべてなくし、ニットの持つ伸縮性を
最大限に活かしながら立体的で着やすく、しかも裁断がないので裁断くずも出ないという、着易さと
SDGsを両立した、革命的な編み機です。紙に印刷された世界地図から地球儀を作ることは至難の業
ですが、この機会を使えば最初から立体の地球儀が出てくる、そんなイメージです。着ていて邪魔に
なる縫い目がないため着ていて着やすく、従来の縫製部分が伸縮しないカットソーの弱点を克服し、
縫い代がないためシルエットもすっきりするという、ニットの弱点をほぼ解消した製法といえると
思います。最近ではいろんなところでシームレスニットの文字を目にしますが、あの超大手の製品も、
みな島精機の編み機を使った製品です。

というようなことは業界ではかなり有名なことで、というか常識になっているのですが、その島精機
さんが開発したApex Fiz Designというソフトです。

 

 下の写真を見て頂きたいのですが、同じ2枚のウールのチェックの生地スワッチがあります。この
左右の違いがわかりますでしょうか。

答えは向かって右は本物の生地、左は印刷です。

このApex Fiz Designというソフトは、illustrator、等のほかのソフトと違い、実際の糸をスキャンする
ことでテキスタイル・デザイン・シュミレーションに革新的なリアリティーを持ち込むことが可能に
なりました。従来でしたら柄のピッチ、配色の変更、等の確認の場合には試織しなければならず、
それには多大なリードタイムとコストがかかりました。それが不要になったばかりかCADと連動する
ことにより製品イメージの確認もできるようになったのです。製品サンプルを1着作れば各色サンプルは
その写真を加工するだけで各色サンプルも不要ならネット通販、カタログの写真撮影も不要になった
のです。

お話をお伺いしたらシャツ専業アパレルのK社のシャツ、ネクタイのWEBカタログはこのシステムを
使用した合成写真だそうです。超人気アパレルA社もサンプル作成は一色だけでほかの色はやはり合成
だそうです。その画像も見せていただきましたが、画面で見るとなおさらどれが実写でどれが合成かは
わかりづらいです。このシステムが製品企画時にもたらすメリットはものすごいものがありますが、
WEBカタログ作成時の時短、コストの削減にもたらす効果はそれ以上かもしれません。なんかひょっと
したらアパレルメーカー就職時にこのソフトを使用できるかどうかが必須項目になるかも知れません。

 

何事も百聞は一見に如かず、ということで、学生と一緒に企業訪問させていただくお願いをしてきま
した。このシステムに興味を持ち、覚えようという意欲がある学生がいたら応援したいと思いますし、
それ以上にこんなシステムの開発にたずさわりたい、ホールガーメントをより深く学びたい、などの
理由で島精機さんに就職したい、という学生がいたらそれも応援したいと思います。ただし、開発は
本社で、すなわち和歌山ですよ。和歌山に引っ越してでも島精機さんで働きたい、という学生が出たら
それはそれでなんかいいな、と思います。

カツオでもタイでも、みんなおいしそうですよね。

 

と、いう話をしていたらやはり紙面が尽きてしまったようです。今回の展示会参加企業の中で少なく
ともあと2社はご紹介したいので期待していただけたらと思います。

 

今年もあと少し。風邪ひかずに頑張って行きましょう。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

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~就活室便り~#14 3D モデリングとハレルヤ

~就活室便り~#14  3Dモデリングとハレルヤ

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。季節は少しずつ進み、と思っていたら
いつの間にかもう12月、今年も残すところあとわずかとなりました。わたし個人的には
とにかくいろんなことがあった激動の年だったのですが、みなさんはいかがだったで
しょうか。年が改まったからといってすべてが変わるわけではないので(わたしは今年は
見事に変わりましたが)、年末とか年始とかってあまり意識したことはないのですが、
昨日何の予備知識もなく、リリースされたばかりのショーン・メンデスの新譜を聴いて
みると、ラストナンバーでレナード・コーエンの「ハレルヤ」をカバーしていました。
この静かなメロディーと説教臭い歌詞で有名なこの曲(あくまでも私見です)を聞いて
いると、どうしてもクリスマスを意識しますね。なかなかキリスト教の信仰の話は
個人的に理解の及ばないところがありますが、なぜかクリスマスの意味だけは理解して
いる気になっています。みなさん、良いクリスマスになることを願っています。

 

さて、就活室便りですが、今回がジャパンクリエーション編第3弾になります。テキ
スタイルコンバーターはかなりの数の企業が縮小、撤退していきましたが、その中で、
例外的に業績を伸ばした、というか、伸ばし続けている企業、サンウェル様をご紹介します。

現在アパレル製品の98%以上が輸入品になり、国内の生産は厳しい現実に直面しています。
テキスタイルコンバーター各社が在庫の圧縮を迫られ、受注分しか生産できず、それゆえ
納期、価格共、アパレル各社の対応が困難になっていく中、逆に自社企画の商品の在庫を
しっかり持ち、納期を短縮化し、生地オーダー後に不足が出た時のフォローもしっかりする、
といったテキスタイルコンバーターとして当然といえば当然の業務を積み重ねることに
よって業績を伸ばしてきた会社がサンウェル様です。わたし個人の感想としては今元気な
生地屋さんベスト3に入る会社だと思います。そしてその3社共、本社は関西です。やはり、
特に繊維の商売は大阪強いですね。

 

そんなサンウェルさん、2年前から「3Dモデリングサービス」を始めました。これは同社の
生地を3Dデータ化し、パソコンやスマホで生地や製品が見られるというサービスです。

 

現在アパレル企業では3Dモデリング、バーチャル試着の導入が始まっています。2Dの
製品パターンをパソコンで3D製品としてアバターに装着、物理的にサンプルを制作しなく
ても製品検討が可能になり、アパレルのコストカットと資源の無駄遣いの削減につながる
技術として注目されています。製品サンプルはファーストサンプルから仕様の変更があれば
そのサンプルは市場に出ることもなく処分対象としてその後日の目を見ることはありません。
それ以降も仕様に修正があればセカンドサンプルもサードサンプルもその運命は一緒です。

それに対し3Ⅾモデリングは丈、袖の長さ、細部のデザイン、等細かな修正がパソコン上で
修正可能で、修正サンプルを作らなくてもデザインの修正点の確認が可能なため、これを
企画会議にそのまま使用すればサンプル数の削減とリードタイムの減少につながることは
間違いありません。

 

サンウェル様の3Ⅾモデリングサービスはこういった3Dモデリングの仕様にに対応するもの
です。アバターの服にその生地を選べば、色、柄だけでなく、光沢、落ち、揺れ感、等々
様々な生地の情報を伝えてくれます。

アパレルはサンプル作成時にまず一着分の用尺の生地をオーダーします。これを業界用語で
「着分」といいます。その後修正がある度に一着々ずつ着分を追加し、最後に進行する全色の
サンプルを作ります。これは「各色サンプル」と呼ばれるものです。そして着分のオーダーも
その分追加になります。

 

アパレル各社は基本的に必ずシーズンごとの展示会を開き、そこでお客様の意見を聞き、
修正点をまとめ、受注を取ることで発注数量を決め、原材料をオーダーします。そこで修正が
あった場合はその各色サンプルも当然良品として日の目を見ることはありません。これらの
サンプルの無駄がアパレル産業の環境に対する厳しい評価になっている一因でもあります。

3Dモデリングの技術はこれらの無駄を少しでも少なくしていく点に貢献し、その意味で地球に
やさしい技術と言えます。アパレルの無駄の解消に役立つだけでなく、生地屋さんにしても
カットの手間と小口出荷の繰り返しという手のかかる作業の減少、その間の小口輸送の縮小に
よる運送業のエネルギーカットにつながる、等地球にやさしい点は枚挙にいとまがありません。

わたしも実際サンウェル様のブースで拝見し驚いたのですがアバターをかなりの運動量で
動かすことができ、まさに生地の落ち、ドレープ性が実際のサンプルが動いているように
見てとれるのにはびっくりしました。ではその写真を載せればすぐわかるじゃないか、
と言われると思いますが、何せ素人カメラマンのやることなのでお見せできる写真がない
のはご容赦ください。いつかは写真もうまく撮れるようになろうと思います。

 

その代わり授業として何回かサンウェル様に訪問させていただき、一度本校にもお招き
して講義をしていただきたいと考えています。会社訪問に関しては将来のデザイナー、
パタンナーを目指すコースの学生を優先して参加させ、それ以外にも将来のMD候補でも
あるビジネス科のみなさまもお連れできたらな、と思っています。

 

今後さらに発展していくであろう3Dモデリングの技術。それでは将来パタンナー職は
無くなるのでしょうか。答えはNOだと思います。着ごごち、触りごこち、暖かさ、涼しさ、
等服にはどうしても着て見て触ってみなければわからない点があまりにも多いからです。
これがこの業界の魅力であり難しさであり醍醐味だと思います。みなさんも今後服飾の
魅力に肩までどっぷり浸かっていきましょう。とは言っても地球環境を考えても無駄は
無駄で極力省いていくべきです。しかし省きすぎて良いものがなくなってしまう、これでは
SDGsとは呼べない、という話です。みなさんも無駄は極力省きながらクリエイティブな
造形に磨きをかけていきましょう。

 

冒頭の「ハレルヤ」という曲では信仰とそれを守ることが誘惑の多い現生ではいかに
難しいか、ということが歌われています。誘惑に負けて最後に絞り出した言葉が「ハレルヤ」、
というようなちょっと説教くさい曲ですが、私たちもSDGsの信仰だけにかたよると大切な
ものをなくしてしまうかもしれません。要は偏らず、慎重に、広い視野で、楽しさを忘れずに、
というようなことを言いたかったのですが少しはわかっていただけたでしょうか。

 

来週からはまた別の展示会情報をお伝えできればと思っています。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

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東京服飾専門学校 次回オープンカレッジの日程

12/21に開催予定です。

 

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~就活室便り=#13 ふたこぶらくだとあったか起毛

~就活室便り~#13 ふたこぶらくだとあったか起毛

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。昼はともかく朝晩はだいぶ冷える
ようになってきたので特に私を含む遠距離通勤者は少し温かいアウターが欲しくなり
ますね。でも脱ぎ着して手にもって重いとか厚いとか邪魔になる素材は敬遠しがち
ですね。ただでさえ朝家を出る時の空がだんだん暗くなってくるとそれだけで寒さを
感じます。昼との寒暖差が結構あるので着るもので調節、って結構むずかしいと思い
ます。軽く、薄く、暖かい、そんな素材をジャパンクリエーションのブースでいくつ
か見つけたのでその報告をさせて頂きたいと思います。

 

まずは株式会社ラインズ クリスタルクロス事業部さんの「クリスタルキャメル」。
ここは元々クリスタルクロスという名前でヨーロッパからのインポート生地100%の
テキスタイルコンバーターだったのですが、昨今の円安とコロナおよびウクライナ侵攻
以降の運賃値上がりでそのままの経営が難しく、大阪のアパレル企業の買収、資金援助
を受け形態を変更し、それでも以前と変わらず他にはない独自の素材が売りの会社です。

 

今回の売りは極薄中綿で素材はキャメル。私もまったく知らなかったのですが、ひとこぶ
らくだの生息地は非常に暑い地域、ふたこぶらくだは夏は45度、厳冬期には-30度を記録
するような過酷な環境を生き抜いているそうです。そのため、ふたこぶらくだの原毛はきわ
めて細く、暑さに耐える吸湿性と寒さに耐える保温性を兼ね備えているそうです。私も実際の
シート状にしたキャメルの中綿を見せていただきましたが今まで見たことがないほど薄く、
軽いものでした。当然その中綿を使った製品も薄く、軽くなり、脱ぎ着しやすく暖冬が続く
日本ではぴったりの素材だと思います。また、薄いシートのため、ダウンよりはデザイン的な
自由度はかなり大きいです。

 

採取方法は放牧地で自由に過ごす中で自然に抜け落ちた毛を採取、もしくはブラッシングする
という方法で集めているそうです。そのため年間生産量はウールの0.1%しかなく、その分高価で、
それが最大の弱点といえます。

 

みなさんダウンの採取方法を知っていますか?基本的には水鳥の毛を生きたままむしり取ります。
その数か月後、また羽が生えそろってきたらまたむしり、ストレスに耐え切れず死亡した水鳥のみ
食用になります。羊毛も毛を無理やり刈り取るという点では羊にストレスがかかります。特にメリ
ノ種は羊毛の量が多く取れるように体中しわができるように改良したため、臀部や陰部のしわに
糞がたまりやすくウジ虫が湧いてしまい、その対策のため皮膚の一部を無麻酔で切り取ってしまう
「ミュールジング」という行為が行われています。日本では無印良品をはじめとしてノンミュール
ジングウールを使用するメーカーが増えつつありますが、いずれにしろ羊毛の最大の産地オースト
ラリアではこの行為を規制する動きはありません。この2例と比べるといかにらくだの原料採取方法
が動物にストレスをかけない「アニマルウェルフェア」の考えに適しているかわかります。その分
ダウンより値段は高くなりますがその薄さ、軽さ、デザイン性だけでも選ぶ価値はありそうです。
クリスタルクロス事業部ではこの中綿を使った製品のOEM, ODMも受け付けているそうなので実際
店頭で見たときには一度ご試着なさってみてください。製品サンプルの写真を紹介しておきます。

次に紹介させていただくのはIAAZAJホールディングさん。グループの中心は第一編物さんで
富山のニット、生地製品メーカーです。ここではニット素材の編み、染色、後加工から自社で
縫製工場も運営し、子供服はアパレルブランドまで持っているのでデザイナー、パタンナー、
縫製技術者、営業、と幅広く就職でもお世話になれそうですね。

 

今回特殊技術ということで企業秘密に係ることは詳しく説明していただけなかったのですが、
こんな裏が透けて見えるような薄手のニットスポーツウェアですが、

実は裏を見ると超繊細な起毛が施してあるという、まさしく軽く、薄く,暖かいの言葉がぴったり
当てはまる製品になっています。この製品は大手スポーツメーカーからの引き合いも多く、また
自社ブランドとしても展開しているようです。

日本はこのように地方、非大企業(IAAZAJホールディングさんを中小企業と呼ぶには抵抗が
あるので)から新技術、新商品がどんどん出てくることが強みだと思います。みなさんも東京
だけでなく、いろんな土地、いろんな地方で自分のやりたい仕事に就くことも考えてみてくだ
さい。私もいろんな土地のいろんな企業をどんどん紹介していきたいと思います。

 

年末まであと数件展示会があり、魅力的な企業があればどんどん紹介していきたいと思います。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

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~就活室便り~#12 ジャパンクリエーションにて

~就活室便り~#12 ジャパンクリエーションにて

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。気温もだいぶ下がり、やっと
秋らしくなってきました。もうすでにダウン、中綿系をデビューしている人から、
かたくなに半袖の人まで季節の変わり目は色々ですね。それでもまだ都内では
紅葉には程遠いようで、特にイチョウなんかは年末までいっちゃうかなあ、
という雰囲気ですね。街中では栗や焼き芋の文字があふれ、味覚は一足先に
秋本番のようです。

 

11月6,7の両日東京国際フォーラムで開催されたジャパンクリエーションに
行ってきました。テキスタイル総合合同展としては国内最大の展示会であり、
そのコンセプト、トレンド分析の質は、プルミエールビジョンに近いものが
あると思います。入場すると真ん中に各社の次期主力素材INDEXがテーマごと
に並べられ、その右側が産地ブース、産地出展コーナー、左側にテキスタイル
メーカー、コンバーターの出展ブースが並ぶのは従来通り。

たとえどんなに技術が進んでもファッションの世界はハイテクよりはハイ
タッチ。結構広いインデックスコーナーの各素材をくまなく触っていきます。
表面感、光沢、風合い、落ち、発色性、軽さ(重さ)、暖かみ、ふくらみ、
シャリ感、透け感、等々それぞれの生地で特徴が違います。

この隣にはテキスタイル人気投票コーナーがあり、多くの人が投票していま
した(私もしました)。以前はあくまでも「ビジネスの場」としての展示会
ということで学生は入場できませんでしたが前回より学生の入場が可能になり、
人気投票コーナーでは高校生の姿が目立ちました。次代をしょって立つ学生たち
にぜひ最新のテキスタイルを見ていただきたいですね。

 

私は多分ジャパンクリエーションの皆勤賞をいただいてもいいと思うくらい毎回
参加しているのですが、その中で一番の楽しみの1つは東レさんのブースです。
はっきり言って合繊メーカーの中で素材開発力で東レさんにかなうメーカーがある
ように思えません。植物由来、リサイクルは当たり前、今回も遮光素材、撥水、
疑似シルク、等幅広く出展していらっしゃいました。特にこの3体に使用している
素材の完成度が高かったです。

もちろん東レさんといえば合皮、スエードを抜きには語れませんが、今回はその
中でも「ウルトラスエード」というブランドに絞り込んで陳列していらっしゃい
ました。ウルトラスエードも年々バリエーションが増え、後加工と合わせると
まさに1大ブランドとなります。

 

さて、それ以外の気になったブースを紹介、といったところでちょうどお時間と
なったようです。次回にいくつかのブースを紹介させて頂きたいと思います。

ただジャパンクリエーションの名称で行われるのも今回で最後。次回からは
「TOKYO TEXTILE SCOPE」という名称で場所も東京都立産業貿易センター
浜松町館に移り来年5月に開催されます。好評な展示会であれば何の変更もなく
継続して開催されるはずですが色々変更がある、ということはとにかくそういう
ことです。技術的には世界最高峰といっていい日本のテキスタイルこれからも
どんどん発展していって欲しいと思います。

 

全体の流れだけの話になってしまいましたが次回はもっと具体例を紹介させて
いただきます。

 

ではまた。

 

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