~就活室便り~#30 Chance Meeting ~TRANOI TOKYO訪問記
〜就活室便り〜#30 Chance Meeting~TRANOI TOKYO訪問記
こんにちは。就活室のHANAZONOです。いっきに暑くなったり肌寒い日があったりと
なんだか毎日忙しいですね。春物を着て春を満喫したいところですが、なかなか厚手の
ものもしまってしまうと寒の戻りがつらく、結局服のスペースが大爆発してしまってい
ます。厚手のものはかさがはるのでしまってしまうとかなりすっきりしてしまうのですが、
かといって寒い日に辛いという、なんか難しい日々が続きますね。昔は早めにすべて春物
に替えて寒い日は我慢して乗り切ったんですけど最近は年も取り、まず耐えるとか我慢する
とかの気力がなくなってきました。この前久々に渋谷へ行ったんですが、そんなに暖かい日
でなかった、というかむしろ肌寒い日だったにもかかわらず外国人観光客の方々がみんな
半袖で、ちょっとかなわないな、と思いました。私は半袖まではあと数か月かけたいと思い
ます。春物、長く楽しみたいです。
今回は3月18、19日の両日に行われたTRANOI TOKYOについてのレポートをお送りしたい
と思います。主催はプルミエール・ヴィジョン・ジャパンで、本家パリのTRANOIはパリ・
ファッションウイークが唯一公式に認める合同展示会です。そんなTRANOIが日本に進出して
前回の9月に引き続き今回が2回目。欧米ブランドのアジア進出の足がかりとして、そして日本の
ブランドの海外進出の起点として企画されており、それゆえ海外と日本の出展社数はほぼ50:50
になっています。そんな展示会に今回お邪魔し、いくつかのブースにてお話をお伺いしてきました。
まず最初は聖林公司さん。ブランド「BLUE BLUE JAPAN」を展開していらっしゃいます。
最近触れることの多い藍染めにこだわったブランドですべて日本製、綿、麻といった天然植物
繊維だけでなく革製品も藍染め、スポットライトの下ではよくわかりにくいのですが黒い革ジャン
かと思ったら濃い藍色だった、とかこだわりの製品ばかりです。染色でも十分凝った藍染め、という
企画だけでなく、パッチワーク、刺し子、ニードルパンチ、等様々な技法を凝らしてなかなかマネの
できない独自の製品を展開していらっしゃいます。写真でどうぞご確認ください。
ニードルパンチ、ジャガード、型押し、ムラ染め、グラデーション、等様々な技法のオンパレードですね。
この角度だと藍がわかりにくいのでもう1枚写真をどうぞ。
麻や綿がやはり多く、基本的に藍だけでこれだけのバリエーションを展開できるのか、とちょっとびっくり
します。今後新しいデザインはどんどん増えていくようでパタンナー、そしてMDの募集も行っていますので
一度店舗を見ていただいていいな、と思えばエントリーをどうぞ。その他店舗でのアルバイト等も募集して
いるようなので、ご興味のある方はどんどんコンタクトしてみてください。藍染め好きにはいろんなチャンス
がありそうですよ。
次にご紹介するのはイサルティ・ジャパンさん。元々高級テーラーとしての歴史が長く、高級紳士服作りには
定評があった会社ですが、近年その技術を活かして新ブランドを展開されています。写真をご覧ください。
写真だとそこまではわからないと思いますが、生地は基本的にロロピアーナをはじめとするイタリア製それを
大胆に細かいプリーツをかけたり、デザインも若めのデザインとし、確かに全く他社にはない製品になっています。
縫製は日本もしくはイタリアで、クオリティも完成度も素晴らしいです。そして値段も当然素晴らしいです。富裕層
以外おいそれと手を出せるものではないですがそれはそれ、その価値のわかる人に少量生産し、お渡ししていくって、
やっぱり素晴らしいですよね。まさしくいいものだけを銀座から、という世界です。また、アイドルグループ「ファン
トム・シータ」の衣装も手がけていて、スタイリスト志望の学生のインターンもあるみたいですよ。ファントム・シータ
のファンの方も一度コンタクトご検討なさってはいかがですか。ちなみに私はこのグループは存じ上げませんでした。
申し訳ございません。これから勉強させていただきます。
次にご紹介するのはURUHさん。ブランド名は閏年の「うるう」に由来するそうです。こちらも素材、縫製、糸に至る
まですべて日本製、しかも日本の各産地の特色を活かした素材を使用しています。まずは写真をご覧ください。
トルソーに着せているコットンシャツは実は襟元にブレードが入っていて調節が可能で様々な着方が可能に
なっています。スカートの方もただのワッシャーではなく繊細な楊柳ベルベットを使用していて、グラデー
ションになっている染め方も1枚1枚何回も吊り染めを繰り返すことによって表現しているとのことです。
その他の素材もみな凝ったものばかりで、その一部を下の写真でご覧ください。
真ん中のスカートは実は隠しホックがいろんなところについていて、ロングから写真のような形にまで
いろんなスタイルでの着用が可能です。生地自体はジャガード織で、透け感素材、ラメ使い、等いろんな
技法を一度にぎゅっと詰め込んだ素材、デザインになっています。
現在、国内の生地生産は繊維縫製品の98%以上が輸入品となった今、どの産地でもピンチ、転換期を迎え、
なかなか生地在庫を持つほどの余裕がありません。テキスタイルコンバーターにも同じことが言え、なか
なか新しい企画、特に変わった、面白い素材を探すのは骨の折れる作業です。そんな面白い素材がこの
URUHさんにお伺いするといっぱいあふれているじゃないですか。いったい、どこでどうして生地を集め
たのかお伺いしたところ、全部別注で、まず生地を作るところから企画は始まっているそうです。そこで
さらに疑問が広がります。
私も以前テキスタイルの企画をしていたのですが、各産地、機屋の生産担当の方っていうのは本当に昔
ながらの職人さんで、ちょっと難しい注文をしたりすると、「そんなもん、できっかいな!」と大声で
開き直られるケースが多く、要望を通すのに散々苦労させられました。私が企画をしていた時の会社の
規模は大きく、一度の発注はかなりの数になるんですが、それでも産地の職人さんたちはなかなか要望を
聞いてくれず、怒鳴られ、怒られながらも何とか要望に近いものを作ってもらうのは本当に大変でした。
URUHさんは女性二人の会社です。ブランド立ち上げからの日も浅く、上代も決して安くはなく、という
ことは生地の発注も昔の私の発注よりは多いはずもなく、それが全部オリジナルの素材で構成されています。
なんかそれってすごく大変じゃないですか、ってお伺いしたらやはり大変らしいです。電話での依頼だと伝わ
らない、断られる、電話を切られる、ということが頻繁にあるそうです(やはり時が経ったとはいえ職人さん
がいきなりホワイトになるってことはありえないんですね)。そこで生地の依頼はすべて現地に赴いてお願い
しているそうです。なんか軽く言っているように聞こえるかもしれませんが、代表的な産地だけでも米沢、
桐生、新潟、石川、福井、愛知県一宮市、浜松、大阪泉佐野、兵庫、丹後、京都、等々全国各地に及び、その
産地ごとに数十件の機屋があるわけですからまさしく全国行脚、しかもデザインはじめ規格のすべてはデザイナー
の大森さんにかかっているわけですからその仕事量は推して知るべし、ですね。いずれにしろ企画が良く、
発注が生地の生産最低数量を確実にこなし、その製品が売れて支払いがきちんとしている、というこの全てが
そろっていないと生地なんてオリジナルで頼めるものではありません。CEOの松山さんと合わせて、最高の
コンビになっている、といえると思います。お二方とも前職はアパレル各社で過ごされたようですが、その時に
仕入れ先に独立の時は助けたい、という思いを抱かせるような接し方をされていた、というのも大きな要因に
なっているでしょうし、何にせよやはり情熱が周りの人を動かしている、というのが大きいんではないでしょ
うか。みなさん、人には優しく、伝わるのは情熱ですよ。みなさんの中で、将来自分のブランドを立ち上げたい、
という夢を持っている方がかなりの確率でいらっしゃいます。それには基礎からものづくりを学ぶこと、特に
(立場の弱い)仕入れ先を大切にすること、情熱をいつまでも持ち続けること、これが何より大切なことだと
思います。亜アパレル企画の原点を見せていただいたような気がします。たった二人の会社なので、お二人の
コンセプトに賛同していただける方、募集中ですよ。みなさんもご興味を持ったらURUHさん、調べてみて
ください。
次のご紹介はCOQさんです。テキスタイルデザイナー梶原加奈子さんが立ち上げたブランドで、自然から
インスピレーションを得たという靴下、ウエア、インテリア雑貨、等各種の商品を展開していらっしゃい
ます。まずは写真をどうぞ。
やはりテキスタイルデザイナーということでとにかく全て配色がいいです。それでなければこのブースに
立ち止まらなかったかもしれませんが、全商品いい配色でしたよ。あまり商品の写真を大きく載せるのは
はばかられ、ちょっと小さいですが、それでもきれいな色だということはわかりますよね。実は日本では
本当にきれい目のミックス配色って、本当に少ないんです。モノトーンとか、ど派手って、結構多いんで
すけどね。
自然からのインスピレーションがこの会社のテーマになっていて、北海道ではそんな自然派ホテルまで
経営していらっしゃいます。ホテルが先でそこでの販売用にニットを始めたのか、生地が先で、ホテルが
後かはよく存じ上げませんが、いずれにしろテーマは一貫していることは間違いないです。現在なんでも
値上がりでそんな時は特にいろんな色が控えめになりがちなので、明るい色で世の中を照らしていただき
たいですよね。
、というところで時間切れになってしまい、もう一軒、Parc1さんの写真を撮り忘れてしまいました。
その代わりにいただいたパンフレットだけでもご紹介出来たらと思います。
市場調査で渋谷西武にお伺いしたときはいつも拝見していたのですが、この合同展でまさかお会いできる
とは思いませんでした。お話も非常に貴重な内容のことを拝聴し、まさしく次世代を担うデザイナー、
パタンナー、スタイリスト、衣装制作、MD、バイヤーを目指す学生たちに聞かせたいお話ばかりでした。
詳しく書きたいところですが今回このPark1さんだけブログ掲載の許可も写真も間に合わなくなってしまった
ので、いずれは講演をまず依頼し、別の機会に詳しくご紹介させて頂ければと思います。
元々はちょっと軽く館内を廻ってほかの展示会とともに少し触れさせていただけたらな、と思っていた
TRANOI TOKYOでしたが、結局時間が足りなくなってしまうほどいろんなお話を各ブースでお伺いし、
なんだかまとまりもないレポートになってしまったことはお詫び申し上げます。海外を含めるとファッション
関係の展示会は年間かなりの数が開催されており、どこの展示会は良いだとか、どこは行く価値がない、
とかその手の話が業界関係者の間では毎日のあいさつのように交わされています。しかしいつも思うのは
その展示会の良し悪しって、実際行って、見て、触って、話してみないと分からないことですよね。行って
初めて行く価値のない展示会だったかどうかわかるわけで結局足で稼ぐのがこの業界です。とにかく行って
探してみる、ほしいものがあれば行って作ってもらう、いい商品は行って買ってもらう。ファッション業界に
属している限りは常にアクティブでありたいですね。みなさんもどんどん動きながら考え、考えながら動き
ましょう。一人でいつまでもインドアで考えてても煮詰まりはしますが解放はしません。偶然の出会いを求めて
どんどん外に出ていきましょう。きっと何とかなると思いますし、私の場合もいろいろ奇跡的に何とかなって
きました。みなさんもきっと何かの出会いが、発見があると思いますよ。応援しています。頑張って歩き続けて
ください。
次回も新しい出会いを求めての展示会訪問記をお届けする予定です。
ではまた。
HANAZONO
スタイリスト・デザイナー・衣装制作の就職はtfac
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詳しくは下記よりご確認ください。
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- 2025年04月04日
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