~就活室便り~#29 いつか、どこかで 45rpm様「再び、マーケット」訪問記
~就活室便り~#29 いつか、どこかで 45rpm様「再び、マーケット」訪問記
みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。春休みに入って、みなさんいかが
お過ごしですか。やっと一区切りがついてほっと一息、4月からの新しい学年、新しい
学校、新しい職場に胸をときめかせながら、そんな新生活への準備や今までできな
かったこと、趣味、押し活、ともだち、家族との時間、などいろいろなことに十分時間
を使って春休みをお楽しみのことと思います。かく言う私も、と言いたいところですが、
なんかこの春休み中のスケジュールがまさに分刻みになってしまいまして毎日結構ハード
な日々を送っています。なんかこんなはずじゃあ、という気は少しはあるのですが、なん
だかこのまま新学期までいってしまいそう、というかもうスケジュールがいっぱいになって
しまいましたのでほっと一息はゴールデンウイークまで先延ばしすることにします。ゴール
デンウイーク中は今から毎朝10キロのラン、と、もう目標は決めてあるのですが、あまり
ゆっくりとかのんびりではないですね。実はじっとしてるのって、結構苦手なんでした。
まあ人には人の息抜きの仕方があるってことで、いずれにしろゴールデンウイーク、今から
楽しみです。
今回は3月14,15日の両日開催された45rpm様のイベント、「再び、マーケット」にお伺い
してきましたので、そのレポートをお送りしたいと思います。初めてのイベントで、しかも
企画、立案は新入社員、運営も新入社員中心ということで、どのような内容か、興味津々で
お伺いしました。ちなみに、実はこのイベントは参加者は学生限定で、入場の際に学生証の
提示を求められます。私は当然のこと、学生証は持っていないのですが、今回は特別なお計
らいで入場させて頂きました。決して強行突破ではない、ということだけ付け加えさせて
いただきます。
まず、入場すると45rpm様の歴代パンフレットが壁一面に陳列されています。写真をご覧
ください。
最初の頃は装丁が布、デニムだったりします。なんかそんなカタログいただいたら思わず飾り
たくなっちゃいますよね。
最初のコーナーは歴代バンダナのコーナーです。デニム製品と同様、社内デザイナーによる
手書の柄から型を起こしたプリントは毎年大評判、ということで、ロイヤルコペンハーゲンの
イヤープレートよろしく毎年欠かさずコレクションしている方もいらっしゃるようです。下の
写真でお分かりのように色、柄、テーマは毎シーズン変わってきています。毎回新柄を出して
いくのは大変だと思いますが毎回それを待っているファンの気持ちもよくわかりますね。
その隣にはまだ紡ぐ前のコットンが産地のネームの入った袋に詰まったまま陳列してあります。
下の写真をご覧ください。
これはスビンコットンというインドで栽培されている希少な超長綿でシルクのような光沢と
肌触りが特徴です。下の写真はジンバブエコットンですね。オーガニックコットンといえば
ジンバブエ、と言われるくらい有名な高地栽培のコットンです。
産地はいろいろあれどいずれにしろコットンはすべて手摘みで収穫、というこだわりを守り
続けているそうで、その手摘みの際に農薬使用のものは危険がある、ということで、無農薬
栽培しているものしか使っていないそうです。収穫した綿そのものはクリーム色ですが、種や
葉ガラ、等茶色い不純物が混ざりがちでそれを除去するのに大変な作業があるのですが、そう
いう種、とかを完全に除去せず、わざと織り込んでみたりしているそうです。品質にはこだわ
るが手をかけすぎて天然の良さをつぶさない、そんなこだわりを感じますね。
そうして奥へ進むと以前に使用したプリントの型の展示があり、その隣の実売コーナーへと
続きます。購入できるのはまず生地で、グラム単価の量り売りのコーナーがあります。もちろん
45rpm様で実際に使用した生地ばかりですからクオリティは保証されています。(つまり、高い、
と言うことですね。)当然コストはまったく度外視した特価で、服作りの好きな学生にはたま
らないコーナーですね。今回販売していた生地の画像をご覧ください。
全て限定品ですし、こういう生地が買いたかった、と後悔している方はぜひ来年ご参加ください。
次にTシャツの古着コーナーがあります。古着コーナーは実際にスタッフが着用されていたもので、
それを徹底的にクリーニングして仕上げたものだそうです。大体3年物が中心、ということでし
たが、十分にエイジングされた独特のカラーになっています。色はだいぶ擦れ感は出ていますが
生地は痛んでないので元の品質がそれだけ良かったということですね。
こう写真で見ていただくとビンテージの良さがよくわかりますね。
次はビンテージデニムの大特価コーナーです。写真をご覧ください。
いい具合にブリーチしてますね。全て一点ものなのでサイズが合えばお買い得です。そしてこの
コーナーの壁面には古いミシン、かつてのパターンがレイアウトしてあります。
服って不思議なもので、古いミシンでゆっくり作るのと最新鋭の高速ミシンで作るのと表情が
まったく違ってきます。生地も同じ仕様、同じ素材、同じ組織、つくりであっても手織りの機械と
高速織機とはまったく違うものが出来上がります。スローはスローで良いところがあるので昔の
機械、伝統的な工法も残していきたいですよね。
そしていつかはこんなミシンを使ってのワークショップも開催したい、とのことでした。ミシン
好きの方は見るだけでも価値がありますよ。
この後は藍染め体験コーナーになります。一度に大勢の方が同時にできるものではないので予約制、
となっていましたが、私がお伺いしたときはちょうどその体験中でした。
この壺に藍の染料が入っていて、今浸けた生地を広げているところです。こうして浸けては乾かし
浸けては乾かしを繰り返していくのが藍染めの技法だそうです。そんな藍染めの染料と染めたもの
を干しているのが次の写真です。
ショールームにこれだけ藍の染料がどーんとあると迫力がありますよ。
現在45rpm様では2反の藍畑を持っていて自社で栽培した藍を使って製品染めをしているそうですが、
それでも全生産量に足りていないらしく、畑は既に確保し使用する藍をすべて自社生産でまかなって
行くそうです。当然無農薬で、服作りでここまで染料にこだわった話は聞いたことがありません。
デニムを作るのに綿を植えて藍を育ててそこからこだわってはじめる。良いセーターを作ろうとして
アルパカの飼育からまず始めるって人、あまり見かけないですよね。でも、“これだけは譲れない”、
とか、“どうしてもここにこだわって”、とか、そういう話って良いですよね。私は結構こだわりの話
には弱くて、すぐに応援したくなってしまいます。みなさんもこれだけは、っていうこだわりは必ず
伝わりますよ。こだわり続けている方、自信をもってくださいね。
そのこだわりの染料で再度染に入るところです。下がプロが染めた製品です。このいらいら感も何も
藍染めの特徴が出ていて良いですよね。水玉が見えると思いますが、これも藍染めのプリントで、
しかも裏はパッチワークになっていて様々な柄が組み合わされています。まさしくワンオフの高級品
ですね。
またデニム素材ばかりに目が行きがちですが、シルクをはじめ各種素材にも藍染めは可能で、先ほど
の水玉のようにプリント染めも可能です。下の写真がシルクを染めたもの、またプリント染めの製品
です。シルクのスカーフと刺し子、藍の泥染め、等様々な素材、手法がそろっています。
ところでみなさん、藍染めとインディゴ染の違いを知っていますか?インディゴは経糸をインディゴ、
横糸を白糸という縦横の糸の色が違う交織、という手法で織られています。綾織の場合、表には経糸の
色しか出ないので、最初は紺、というかデニムカラーになっています。それが経年変化、摩擦、洗濯、
日光、等様々な要因で色落ちし、色が落ちるたびに裏の横糸の色が表に出てきます。それが、はいた時
のしわ、等の形状により、ヒゲ、と呼ばれるような模様をかたちづくりながら色落ちし、それが一つの
味となっています。このヒゲは、「Whiskering(ウィスカーリング)」と呼ばれ、現在では
ストーンウオッシュ加工、等、新品のうちから加工によりこれらを再現している製品をよく見かけます。
これに対し、藍染は基本的に白生地を藍の染料に浸けて染めるのでインディゴの先染めと呼ばれる手法に
対し、後染めと呼ばれる手法になります。この手法で染色された生地は裏表の差がありません。そうする
と普通のデニムのような“ヒゲ”ができません。下の写真をご覧ください。
実はこのパンツ、もう1年以上はいていらっしゃるそうですが、確かに“ヒゲ”らしいものはどこにも
見当たりませんね。そういった派手な経年変化もなく、藍染めの製品は全体的に少しずつ色が落ちていく
そうです。藍染めのほうがよりエレガント寄りで、デニムの“ヒゲ”
のワイルドさが苦手な方にはぴったりの染色方法だといえると思います。ちなみにいくらパンツをお召
とはいえ、女性の足を撮影するのはきちんとご本人の許可を取ってあります。ご安心ください。
藍はそういった経年変化、染色回数、等様々な方法で色の変化を表現できます。そんなカラー見本を
以下の写真でご覧いただければと思います。
端に向かってだんだん色が濃くなっていくのは染色回数の差だそうです。こうして様々な染色回数で
染め上げた藍の製品が毎日の着用で少しずつ変化していく、それを毎日楽しんでいきたいですね。
というような藍染めの説明は先程ご試着中のパンツを撮らせていただいた女性がぜんぶ説明して
くださったのですが、現在入社2年目、普段は大阪の店舗でお勤めということですが、今回のこの
イベントのために特別に出張参加しているとのことでした。ちょっと2年目でこの商品知識?という
ことでお話をしている途中でびっくりしてしまったのですが、やはり藍にかける熱情が尋常なもので
はなく、それが助けになっての商品知識、という話でしたが、やはり自分の情熱と、それを受け止める
職場環境の両方がそろってるんだな、というのが私の感想です。
大体日本の企業で必要なのは、前例を踏襲した企画、予算的に無理がなくたとえ問題が発生しても
経費内で処理できる企画、何かがあっても特に上司の責任が問われない企画、等の企画が採用される
ことがほとんどで今回のように学生対象で直接利益を生むわけでなく、しかも結構大規模で予算も
かなり必要、人的要因も必要、しかも前例がない、というような企画がしかも新入社員から提出された、
というような場合にゴーサインが出る、ということはまずありえません。そのような企画を自主的に
提出する新入社員がいる、ということもすごいことですが、それを面白いからやろう、と決断、後押し
するトップの方々の度量もすごい、と思います。なんかこの両輪がかみ合って回る会社って、いいです
よね。もちろん、ただこんなことやりたい、っていう社員の希望がすべて叶えられえるって訳じゃない
ですよ。当然企画の精度、等はかなりの高レベルのものが求められ、何回も突き返しもあったこととは
思いますが、それにも負けず突き進む情熱がこのイベントを実現させたんだと思います。なんかこうして
チャレンジできるって、いいですよね。45rpm様、いつもちょっとうらやましい感じがします。
創業以来の歴史を忘れず、ものづくりの基本を忘れず、古布、古着、いにしえの図案、型までにスポット
ライトを当て続け、レガシーとして未来へつないでいく。そして以前の製品にも、以前の企画、図案にも
また、いつかどこかで出会える、そんな出会いがまた未来への道を紡いでいく、そんな可能性をこの
「再び、マーケット」というイベントで感じました。確かにファッションの世界では流行の移り変わりは
早いですが、いいもの、いい素材、着やすい服、等普遍的なものも多くあります。そうしていいものを語り
継ぎながらまた、いつかどこかでそんないいものに巡り合えたら幸せですよね。デザイナー、パタンナーを
目指す方、スタイリストとしてその作品を広めていく方、みなさんの進路はいろいろですがそのみなさんの
これからの仕事がいつか、どこかでまた再評価されていくといいですね。そんなみなさんに少しでも役に
立つ情報を発信し続けていけたらな、と思っています。
なんかいくつになってもいろんな体験ができて世の中って、広いですよ。次回はまたそんな広い世の中の
展示会情報をお送りしたいと思います。
ではまた。
HANAZONO
スタイリスト・デザイナー・衣装制作の就職はtfac
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- 2025年03月28日
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