就活室便り | ファッション専門学校の東京服飾専門学校

就活室便り

~就活室便り~2024#8 スポーツウェアのアップサイクルとえんぴつ

スポーツウェアのアップサイクルとえんぴつ

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。日々の寒暖差は相変わらずですが、
朝晩は長袖、上衣がぴったりの季節になってきましたね。重ね着コーディネートがや
はりファッションの基本になると思うのでこれから防寒具で身を固めてしまう季節ま
でたっぷりコーディネートを楽しみましょう。

 

今回ご紹介するのは富山スポーツウェアの縫製工場、ミヤモリ様です。ゴールドウィン
グループの一端を担い、ノースフェース、等の縫製、その他スポーツウェアのOEM、
ODM等いろんな商品を展開していらっしゃいます。

基本的に生地はパターンに合わせて裁断、縫製し製品になります。その裁断の際に必ず
裁断残の生地が残ります。これはいくら企画段階で型入れを入念にやっても決してなく
なるものではありません。茄子のへたを取るとか、魚の鱗を取り除くと同じくらい避け
ることができない行為です。

ところがこのミヤモリ様はその裁断片を繊維炭素体に加工、えんぴつの芯にして「服の
鉛筆」と言う商品を作りました。これにより、縫製メーカーながら日本文具大賞2023
のサスティナブル部門で優秀賞を受賞されています。

それ以外にも地元富山が生産量日本一となるハトムギの殻を再利用、ハトムギヌカ油を
抽出し、それを浸透させたルームウエアやスキンケア商品まで開発されています。これら
のアップサイクル商品が今では会社の売り上げの2割を占めるそうです。

今回のファッションワールド東京の富山県ブースに出展していらっしゃいましたのでお
邪魔してきました。ブース展示はそのハトムギ製品中心となっていました。

元々はデザイナー、パタンナー、縫製スタッフの就職についてお話をさせて頂いていた
のですが、縫製工場が鉛筆、スキンケアという全くの異分野にチャレンジされる、とい
うお話をお伺いし、そのバイタリティーには驚かざるを得ません。現在いろんな縫製
工場様が生き残りをかけて異業種に乗り出していますが、それもほとんど自社ブランド、
OEM、ODM、等現在の本業の発展型であり、廃棄物のアップサイクルの方向に進んだ
会社はこのミヤモリ様以外思い当たりません。それがすでに売り上げの2割を占めると
なるとその方向を模索した経営感覚には脱帽せざるを得ません。

今までウール、カシミヤ、綿、合繊を中心としたリサイクル繊維をいろんなところで
目にするようになりました。しかし、静電気、洗濯、品質、染色、強度の点で不安点が
あり、何よりコストが高く、しかも何回もリサイクルでいる訳ではないので廃棄物の
減少には貢献しない可能性もあり、そして再生生地でも絶対裁断くずは出るのです。

現在のリサイクルポリエステルは殆どがペットボトル由来で繊維製品からのリサイクル
はほぼありません。何を主眼として「エコ」、と言うかは分かりませんが再生ポリエス
テルはペットボトルのリサイクルの輪を止めているだけ、という考えもできます。

そして、サスティナブルを謳う製品で何より重要なのはその製品がよくできているこ
とだと思います。なんか、久々に無塗装のえんぴつを持つとなんかいいな、と思います。

これが頂いた服の鉛筆の試供品ですが、結局色々見せたいので持って歩きたいのと
もったいないのとでまだ削っていません。ミヤモリ様には来校して頂いての講義も
お願いしているのでそれらがひと段落して落ち着いたら使おうかな、と思っています
。なんかえんぴつの話題と共に引っ張ってしまいましたが来週は新進ブランドの紹介
も出来たらと思っています。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

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就活室便り ~2024#7~ ボタンとSDGsを考える

就活室便り ~2024#7~

 

ボタンとSDGsを考える

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。季節の変わり目はやはり日ごと、朝晩
の寒暖差がはげしく結構着るもので調節といっても暑いのと寒いのとどちらに合わせるか
で結構1シーズン違っちゃったりして大変ですよね。もう既に中綿、起毛系をデビューし
ちゃってる方、おしゃれのためには忍耐も必要な時もあるので暑いときは耐えましょう。某
アパレルの社長さんは「自分で着ないものが売れるわけがないだろう!」、と10月末から
コートを着用するように社員に呼び掛けています。ウールのコート、かなり暑いそうです。
ま、いろいろありますよね。

 

今回産学連携実習でお世話になっているボタンのアイリス様。日本で唯一のボタンの博物館を
運営なさっていらっしゃいます。今回その博物館にお邪魔し、その次の週にはボタンとSDGs
についての講義もおうかがいしました。
まず博物館ですが、バロック^ロココ時代から現代までのボタンコレクションが集まり、琥
珀、スカラベ入り、彫刻、金細工、七宝焼き、白薩摩、等豪華なボタンのコレクションが並
び、さすがに自分ではボタンははめず当然洗濯もしない王侯貴族、ブルジョワジーのボタン
はまさしく美術品レベルのものばかりです。

ちなみに11月22日はボタンの日です。これは明治3年、日本海軍の制服にヨーロッパス
タイルのネイビールックが採用された日にちなんで命名され、このとき、制服の前面には2
行各9個、後面には2行各3個の金地桜花のボタンをつけることが決められたことに由来
します。当然博物館には当時の海軍制服と共に金地桜花のボタンが陳列されています。こう
して日本のボタンの歴史は海軍から始まり、民間でも白蝶貝をはじめとする高級ボタンの
生産が始まり、それが絹織物と同様この時期の日本の外貨獲得に役立っていくわけですが、
それをテーマとした司馬遼太郎の「木曜島の夜会」という短編があります。この作品はボタ
ンについて、というよりは「明治と日本人」ということを考えさせられる内容で、美しく、
哀しく、そして推理の要素もある小説です。私見ですがが司馬さんは絶対短編のほうがおも
しろいですね。

 

ボタンの話でしたね。講義の前にアイリス様からボタンのカタログを4冊お貸し頂きまし
た。そのうちの2冊はエコ、サスティナブル素材となっています。サスティナブルを考えた
場合、素材、作り方、等の問題も当然あるのですが、問題はアップサイクルと呼ばれる方に
あると思われ、ご講義の際にお伺いするとボタンの生産においてA品の割合は92~93%だ
そうです。少ないように思われるかもしれませんが1万個生産すれば700個、10万個生産
すれば7000個のB品が出ることになります。ここが一番難しいところで一定割合で生地
キズが出ることが分かっていても生地キズのある服をわざわざ選んで買わないですよね。
同じく縫製キズ、ボタンのキズも同様だと思います。プラスチックのボタンでしたら再生可
能かもしれませんが貝や水牛、等の天然素材だとそうはいきません。
今回そのようなB品をご提供頂き、それをいかにアップサイクルするかが授業のテーマに
なっています。それらのB品ボタンを拝見していてもどこが傷だか全くわからないレベル
です。日本の、そしてアイリス様の検品精度の高さがよくわかりますね。まだ作品制作がこ
れからなのでどんなアップサイクルの方法があるのか、それをお伝えするのは先のことに
なってしまうのですが、いつかまた紹介できればと思っています。

就活の話だったのですが、服作りに関して、デザインやパターンだけで服ができるわけでな
く、生地、ボタン、ファスナー、裏地、刺繍糸、等々必ず必要なものは数多く、それが全て
服作りには欠かせないものです。今後もそのようなアパレルの周辺企業もどんどん紹介し
ていきたいと思っています。服には欠かせず、服を知らなければ営業活動が行えず、センス
もクリエイティブな感性も求められる、なんか特にビジネス科の学生にはピッタリなんじゃ
ないか、そんな気がしています。そんな業界について一度関心を持って調べていただけたら
と思っています。

 

本来今回は就活とSDGsについて書こうと思っていたのですが、書き始めたらかつてない
長文になってしまい、しかも終わる気配が見えずどんどん長くなるばかり。一体いつ書き終
わるのやら。とにかく一度区切りがついてから発表させて頂ければと思います。

 

来週からは色々展示会が続きますので展示会、企業レポート等の情報をどんどんお伝えして
いきたいと思います。

ではまた。

 

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~就活室便り~2024#6 ビーシーコスチューム様をお迎えして

ビーシーコスチューム様をお迎えして

こんにちは。就活室のHANAZONOです。もはや世間では衣替えの季節を迎えつつありま
すが海面温度が下がらない状況では素直に秋到来とは言えない雰囲気があります。この
時期に熱中症の心配をするのもなんですが、昼夜の寒暖差も大きくなってきています。
お体には十分お気をつけてくださいね。

今回は産学連携実習でいらっしゃったビーシーコスチュームの太田様から貴重なお話を
沢山頂き、それを少しでも紹介できればと思っています。

ビーシーコスチューム様はバレエ専門の衣裳レンタル、作成の会社ですが、バレエには衣裳
だけではない小物類(冠、お面、アクセサリー、靴、等)がたくさんあります。当然その
すべての制作を自社で行えるわけではなく、デザインだけ自社で行い製作は外注、という
流れになります。また衣裳にしても短期で250着分、とかいう無理な注文が意外に多く、
その分は外注に出すそうです。そういう外注先はバレエ専門という会社ではなく、舞台衣装
全般取り扱い、というような企業が多いようで例えば劇団四季、宝塚をはじめとする他の
舞台衣装、テーマパーク衣装、と多岐の仕事をこなしているそうです。そんな企業の紹介や
いわゆる引き抜き、等も多く各種衣装会社での人の流れは横断的で、バレエの会社に入社した
方がアミューズメントパークの衣装の会社に移ったり、舞台衣装の担当の方がバレエ業界に
移ったり様々な人の流れがあるようです。衣裳業界、思った以上に狭いというか、どこかで
活躍すればそれを評価してくれる人が必ずどこかにいる、と言うことだと思います。それゆえ
衣装制作を学校で学び、それを仕事として行きたい方は最初志望の会社、志望の演目に巡り
合わなくとも衣装業界に在籍し、あきらめなければいつかは希望のポジションに行けるかも
しれない、頑張ってチャレンジして欲しいとのお言葉を頂きました。それと、学校で衣裳制作
を学んでも衣装制作は趣味、と割り切り、一般企業に就職して休日に服作りを楽しむ、という
2通りの道が縫製技術科にはあり、どちらに進むかは自分次第だが、若いうちはチャレンジ
しても良いと思います、というお話を頂きました。衣装制作業界は特に新人の募集が少なく、
最初に務める会社探しに皆さん苦労していらっしゃいますが、少し長い目で見れば自分の
行きたいところに行ける可能性がある、というお話には全員が納得して聴いていたようでした。
チャレンジしたい方はどんどんチャレンジしてください。

それ以外に本題としてデザインの話、バレエの話、材料選択と購入の話、衣裳制作の魅力、
等々ためになるお話を沢山してくださいましたが、衣裳は作るだけでは善し悪しがわからず、
必ず試着してみないとわからない、というお話をされました。じっさいの着心地、動きやすさ、
等だけでなく、王、王妃などの重厚な役は動きに軽々しさが出ないようにわざと衣裳を重くする、
とかたとえ男性用の衣裳でも女性達が(社員は全員女性だそうです)試着し、直すところは
直していくそうです。私も以前レディースのバイヤーをやっていましたが、バイイングする商品は
必ず試着して確認していました。やはりファッション業界は着て、見て、触ってみる、と行くことが
基本だと改めて感じました。

、というわけで今回学生にも試着をお願いしました。男性用衣裳、等の体形が合わない衣裳の
直し方もご講義頂き本当に貴重な体験になりました。写真の学生たちの笑顔を見て頂ければその
満足度がお分かり頂けると思います。

今回はバレエ衣裳の講義が思った以上に就活に役立つ講義になってしまい、今後舞台衣裳の道を
進む方たちにも参考になると思い急遽紹介させて頂きました。今後もそんな訳でいろんな角度から
いろんな情報を紹介して行きたいと思います。

ではまた。

 

HANAZONO

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~就活室便り~2024#5 尾州マテリアルエキジビション訪問記

~就活室便り~2024、#5 尾州マテリアルエキジビション訪問記

 

こんにちは。就活室のHANAZONOです。

やっと秋風が吹き半袖ともお別れと思ったら次の日は暑かったりまだまだ
秋本番の気候とはいかないようですが、早朝の虫の音は爽やかで空のオリ
オン座がきれいです。いつの間にか季節はきっかり巡っているので少しずつ
でも秋の空気を味わっていきましょう。たとえ日中日差しが強くとも湿度が
低くなり風は爽やかです。新しい季節を楽しんでいきましょう。

そんな2024年の秋冬シーズンが始まりの予感を見せる9月25,26日の両日
WITH HARAJYUKU HALL にて2025年秋冬の尾州マテリアルエキジビ
ションが開催されました。尾州といえば愛知県一宮市を中心とする日本一の
毛織物産地です。

今回はその産地の中から12の企業が参加され、会場の真ん中には3つの企画
コンセプト、カラーに沿った生地が陳列され、その外側を各企業のブースが
囲むように設置されています。各企業ブースでは生地スワッチ依頼、サンプ
ル依頼、等商談が活発に行われています。各企業ブースのスワッチ依頼も
非常に活発でしたが、真ん中の企画コンセプト、トレンド展示だけを目的に
来場する方も多く、商談だけではなく、情報発信の場としての評判が定着
していることがうかがえます。

尾州産地というと定番毛織物を思い浮かべがちですが、今回の素材で
目に付いたもの、お客様のピックアップが多かったもののキーワードを
以下に挙げます。

 

「複合素材」 「表面変化」 「ツイード」 「ファンシー、モール」 
「ラッセル」「「レーシー」 「ダンボールニット」 「キャッチワッシャー」
 「シャギー」 「リバーシブル」 「ストレッチ」 「超細版」

 

いずれもかつての尾州では主力商品になりえなかった素材ですが、
やはり現在はそれほど様変わりをしている、ということだと思います。

現在繊維縫製品は輸入率が98%を超え国内のすべての産地は以前に比べ
縮小を余儀なくされています。それでも日本でしかできない技術は多数
存在し、それにいち早く気づいたのは海外ラグジュアリーブランドで
した。それだけの技術を持つ尾州産地の毛織物はフランス、イタリアの
生地と比べても何ら遜色がないどころか、物性まで含めて考えた場合に
は他に比するものがなく、このようなテキスタイル商品に関わって行く
ことはファッション産業の中心に近づいていくことになります。愛知県
に実家がある方、引っ越してでもものづくりを学ぼう、とご希望する方
は一度テキスタイルメーカーでのお仕事を考えてみてください。また
東京に営業所を構えているメーカーも数社あります。

 

尾州マテリアルエキジビションは毎回業界関係者(商社、アパレル、
コンバーター、諸団体、等)限定で、学生入場不可でしたが、来年4月
のエキジビションより学生でも入場できる時間を設けるそうです。詳細
わかり次第またみなさんにスケジュールをシェアさせて頂きたいと
思っております。みなさんのあまり見たことのないような生地がいっぱい
そろってます。期待しててくださいね。

 

最後に、会場内は撮影禁止ですが、事情を説明させて頂き今回この
ブログのために特別に撮影を許可して下さった尾州ファッションデザ
インセンターの朝比奈様にお礼を申し上げます。

 

ファッション産業は本当に幅が広くみなさんのあまり知らない業界、
会社がとても多いです。その中の少しでもお知らせできたらと思って
います。訪問記だけでなく、就活に関するいろんな情報もUPして
いきたいと思います

 

ではまた。

 

HANAZONO

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東京服飾専門学校 次回オープンカレッジの日程

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~就活室便り~2024 #4 ファッションしらいし訪問記

~就活室便り2024~#4 ファッションしらいし訪問記

 

こんにちは。」就活室のHANAZONOです。

 

本日高円寺にある縫製工場「ファッションしらいし」様にお伺いしてきました。
事業内容、売り上げ的には現在オリジナルブランドの売り上げが3割、国内アパレルの
縫製が3割、海外の仕事(パリコレのサンプル、オートクチュール)が3割ということでした。

縫製工場では極めて珍しい、売り上げの3割を占める自社ブランドは、いわゆる「お受験服」
と、呼ばれる服で、母用と娘用とがあります。販売している店舗は新宿伊勢丹と梅田阪急のみですが、
工場内にオーダーサロンがあり、サイズのみならず刺繍の種類、位置まで選べるようで、毎日2組ほどの
予約が入っているとのこと。多い時で何と月200着も売れるとのことです。
ファクトリーツアーではないですが、伊勢丹の売り場より工場のショールームでのほうがお客様も気軽に
よくしゃべってくれるようで細部の仕様も聞きやすく、予定はいつも埋まっているようです。

インスタ、HPとも反響が多いようで、特にインスタを見て来社するお客様が増えたようです。以下URL
貼っておきます。一度ご覧になってください。

https://www.ifashion.co.jp/

https://www.instagram.com/nouv_confini_official/



HP等ご確認いただくと工場内の仕切りが全てガラス張りになっているのがお分かりかと思います。
これはお母さんが試着中に社内探検を始めてしまう(本当にお子様は目を離すとすぐにいなくなり
ますね。)お嬢様を見つけやすく、また作業中に隠れんぼをしていて作業中の社員と衝突してしまう、
という危険を回避する目的があるようです。また工場全体がショールームに見えるような美的効果も
当然あります。フローリングの床と相まっていわゆる縫製工場、という印象はありません。


オリジナルブランド「ヌーヴ・コンフィニ」の特徴は、細く見えて着心地が良いこと、面接時に
座っても綺麗で、立った時にもだぶついて見えない、という事で、それには独自の工程が必要で
その手間が大変ということでした。また自社製品を長く使用して頂くために各種リフォームも積極的に
受け入れており、多少の直しだけでなくデザイン変更(襟の形、等)、サイズが合わなくなればサイズ出し、
袖の交換、クリーニングまで、自社製品を末永く着ていただくために様々な努力をなされています。
繊維を元の材料に戻すよりも長く着ていただくことに重きを置き、いかなる直しにも対応する、というのが、
本来のSDGs、という考えのもと、自社製品であればたとえメルカリで購入した2時流通品であっても
いかなるお直しにも応じているそうです。

海外の仕事はパリコレ中心のショーサンプルで、基本的に日本で仕上げ、細部はショーの前に出張して
仕上げるそうです。特にTHOM BROWNEを長く手掛けていて、高いものは縫製工賃が500万円になる
ものもあるそうです。
社歴に関係なく、技術が認められれば海外出張メンバーに入れるらしく、早い人は入社2年目で海外出張に
出ているそうです。そのまま注文がつけば少ない数量の場合は本番も縫製を引き受けるとのこと。人数にも
限りがあるので500~1000枚といった大量注文は受けていないとのことです。

パリ、ニューヨーク共ショーへの出張には社長は同行せず、現場縫製スタッフだけで参加するので、
採用条件としてチームで海外共同生活が送れる協調性が欠かせない、とおっしゃっていました。ショー直前に
なるとどうしても休日出勤、等が避けられず、その分の代休先取り、等仕事のスケジュールも全て工員さんたちの
自主決定に任せており、社長は一切口出ししていないそうです。

行員の方々は全て新卒採用からで、中途採用は一人もいないとのこと。新卒はまず縫製、ものづくりから始め、
ある程度できるようになったらパタンナー希望の方はパタンナーの道を進まれるそうです。
いずれにしろ技術は入社後教えるので入社条件としては最低限の技術があれば技術面はOK,それよりは協調性、
等を大切にしているとのこと。ちなみに最低限の技術とは、「玉結び」、とおっしゃっていました。入社前に
玉結びができないと将来の技術習熟度に差が出てくるそうです。みなさん、玉結び、できますよね?

 

本社はあっても東京は事務所だけで工場は地方、という事例がかなり多く現在東京で稼働している縫製工場は
本当に少なくなりました。その中で独自の技術、商品、販路を持ち、堅実に経営されているファッションしらいしさん。
ミシンを使った仕事がしたいだけでなく、パタンナー志望の方、将来独立する時のために服作りをしっかりと
学びたい方、海外の仕事がしたい方は一度検討してみてはいかがでしょうか。

 

今回は東京の縫製工場、ファッションしらいしさんを紹介させて頂きました。今後はテキスタイル産地、

コンバーターを含めいろんな産業を紹介できたらと思っています。第4回就活室便りでした。

ではまた。

 

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~就活室便り~2024、#3 ヤマトドレス様の‘25SS展示会訪問記

~就活室便り~2024#3

 

ヤマトドレス様の展示会にお伺いしました

 

こんにちは。就活室のHANAZONOです。

 

9月に入り、3日からは百貨店アパレル中心に、専門店、セレクトショップ向けアパレルは
10日から´26 S/S展示会が始まっています。暑さがひと段落しないうちにもう来春夏?
と思われる方もいらっしゃると思いますが、冬が短くなった分だけ春夏はアパレルにとって
最も大事な季節となってきています。春夏に対する各社の動きを注目していきたいと思います。

 

今回はヤマトドレス様の展示会にお邪魔してきました。

現在のアパレル製品の輸入率98.5%という比率の中、ヤマトドレス様は国産生地使用、国内
生産100%という今では非常に珍しいアパレルとなっていて、また製品も基本的にボトム専門、
という他社にはない特徴があります。

展示会では複合素材のワッシャー、ストレッチ、表面変化素材が並び、縫製で言えばむしろ
縫いにくい素材、難しい素材が多く、それを綺麗にこなしていらっしゃいました。これは
ファーストサンプルを作成してからなんども何度も修正を重ね、ルックスと着心地の最良の
ポイントを見つけていく、という昔ながらのものづくりの手法が生きている、ということに
ほかなりません。ものづくりの基本的なテーマは、「自分たちの作りたいものを作る」、だそう
です。キャリアの通勤着を目指している、というターゲットにはぴったりで、大手セレクト
ショップからの引き合いが強いのも納得できます。

 

その他に特徴的で皆さんにとって朗報なのは毎年新卒でパタンナーを募集していることです。
現在アパレル各社デザイナー、パタンナー、採用は経験者のみで新卒採用がかなり少なく、
たとえあったとしても総合職として店頭販売職3年以上経ってからキャリアアップの可能性あり、
というところが殆どですが、ヤマトドレス様はパタンナー採用は新卒から、と決められているとの
こと。1年目はスカートからもう数型任されてパターン作成していくということです。まだ2025年卒の
枠も残っているとのことでパタンナー志望の方、是非チャレンジしてみてください。また、パタンナー
を3年以上経験した方はデザイナーへチャレンジできるそうです。いずれにしろデザイナーはしっかり
パターンを学んでから、という会社の方針にもものづくりに対するこだわりが表れていると思います。

もちろん営業、生産管理も募集しています。営業というとどんな仕事かピンとこない方も多いと思い
ますが基本的には大手セレクトショップに対するBtoB商売です。扱い量が多く、企画にもすぐ参加
でき、土日が休み、そんな職種にご興味のある方は是非ご一考を。

 

1946年以来の長い歴史を持ち今でもこだわりのものづくりを続けていらっしゃるヤマトドレス様。
展示会サンプルも素材、縫製にこだわり、試着したお客様の声を聴くととても着やすいそうです。
トレンドを追いながら、着やすい、これが本来の服作りの進む道だと思います。そんなものづくりに
こだわる企業も今後も紹介していければと思っています。企業訪問記以外の話題も少しはさんでいけたらな、
とも思っています。楽しみにしてくれていたら幸いです。

ではまた。

 

HANAZONO

 

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~就活室便り2024~#2 ウェディングドレス展示会訪問

〜就活室便り〜2024 #2

 

セリナ様のウェディングドレス展示会訪問記

 

こんにちは。就活室のHANAZONOです。

9月に入り涼しい風も吹き始め、やっと過ごしやすい季節になりました、
と言いたいところですが、まだまだ暑い日が続きそうですね。いつか長袖を
着る日も来るのかなと思いつつ、それでも夜の虫の声だけは秋を感じさせ、
勝手に涼しい気分に浸っていたりします。私は夜、窓を開けて虫の声を聞く
のが好きですが、みなさんはあまり真似をせず、暑い時はエアコンを入れて
くださいね。

さて、就活室レポート第2回目はウェディング専門企画のセリナ様の展示会
にお邪魔してきました。その訪問記を紹介させて頂きたいと思います。

 

 

展示会は9月2日、3日の2日間表参道のシャルマンシーナ東京(まい泉の前
ですね)で開催され、学園からも研修で数名の学生が参加していました。
ここで1番に目を引くのは、各種刺繍、意匠糸使い、ジャガード、モチーフ
付き、ビーズ、スパンコール、等の素材の豪華さです。生地は全てヨーロッパ
で買い付け、どれも非常にコストのかかっている生地なので多分コスト的に
真似するコンペティターもいないだろうと言う事は容易に想像でき、それが
オリジナリティにつながっています。生地的には多分、ウェディング、婦人服地
だけでなく、インテリア用生地まで使用しているのかなあ、という感じを受け
ました。これだけの刺繍、ジャガード、プリント、表面変化を扱っているドレス
メーカーは他に記憶がなく、これらのドレス自体が結婚式場選びの大きな要因に
なるのでは、と言う気がしました。

生地は社長自ら海外で買い付け、デザインは自社デザイン。ただ社内にパタンナー
がおらず、パターンは外注に出しているのが現状です。CADはじめ、機械、環境は
揃っていてパターン作成も自社で行いたいので、パタンナー募集中とのこと。特に
ウェディング好きのパタンナー志望者には大きなチャンスだと感じました。

パタンナー職以外にも、スタッフ募集中で、一つ一つ仕事を覚えていけばゆくゆく
生地のバイイングでフランス出張も可能ですし、大きな会社ではないので、ドレス
好きにとってやりたいこともやることもいっぱいありそうです。指示待ちよりは仕事
に積極的な方、なによりウェディング業界ご希望の方はご一考の価値ありです。

今回のような展示会は年2回。素材バリエーションだけでなく、デザイン型数も
どんどん増やしていきたいそうです。

私自身も何枚か写真を撮らせて頂いたのですが、画像はインスタグラムが一番
見やすいみたいですね。以下にアドレス張っておきます。

 https://www.instagram.com/serina_co/

今後もいろんな企業の情報をアップしていけたらと思います。出来るだけ早めの
更新を心がけていきます。次も多分別の会社の展示会レポートをお届けする予定
です。ではまた。

HANAZONO

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