就活室便り | ファッション専門学校の東京服飾専門学校

就活室便り

~就活室便り~#25 角を曲がって~ファッション合同就職セミナーリポート

~就活室便り~#25 角を曲がって〜ファッション合同就職セミナーリポート

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。夜明け前はだいぶ寒い
ですが日さえ昇れば暖かくなってきました。それだけ太陽の位置が一時期
より高くなってきた、ということでこの時期は輻射熱のありがたさを感じ
ます。寒の戻り、寒気流入はこれからもあるでしょうが太陽さえ出てれば
もう大丈夫。よく三寒四温といいますが、その気温の変化こそが春の証で
す。むしろいろんな服を引っ張り出して春の季節を楽しんでいきましょう。
できれば早く家を出る時間に日が昇れば、と思いますがまあ、こればっか
りは待つしかないですね。3月からは休日の朝はランニングしようと考えて
います。その場合は辛いのは気温ではなく花粉なんですけどね。マスクを
して走ると窒息しそうになるのでティッシュの消費量はすごいものになり
そうですがせっかくシューズも用意してあるので週末のランが楽しみです。

 

今回の話題はちょっとべたですが、2月7日、ブランドキャリアジュニア様
主催のファッション合同就職セミナーが開催され、私も参加させていただ
きましたのでそのレポートをお送りします。

 

場所は渋谷ソラスタコンファレンスというところで、私も初めてお伺い
しました。非常に落ち着いた雰囲気で、よくある合同説明会会場のような
あわただしい雰囲気がなく、写真でもお分かりのように下に絨毯が敷いて
あると変な反響がしなくていいですね。この説明会を主催されたブランド
キャリアジュニア様はファッション専門の新卒求人サイトで、他にファッ
ション専門の求人サイトはありますが、新卒専用はここのサイトしかない
と思います。ファッション特化なので検索もしやすいですし、掲載企業は
ラグジュアリーブランドが多めかな、という印象があります。特にブラン
ドにご興味のある方はちょくちょくのぞいてみてくださいね。

 

会場は参加各社の説明会ブースとセミナー会場に分かれ、説明会ブースで
はタイムキーパーが会場を回り30分一区切りでいったん交代し、参加全社
に無理なく回れるよう配慮されていました。セミナーも各社の説明会もオン
ラインでの配信もされているとのことで、それを含めた参加者はかなり多い
ようです。それとは気づかずオンライン配信中の企業担当者の方に一回話し
かけてしまいました。そうなるとただ単に邪魔ものですよね。誠に申し訳
ございませんでした。

当然学生たちが主役のイベントで、説明会を邪魔する気持ちはさらさらなく、
全社にご挨拶はできませんでしたが一部ご挨拶させていただいた企業をご紹
介したいと思います。

 

まず、株式会社アイランド様。企業名より「グレース・コンチネンタル」の
ブランドの方が有名ですね。来期はデザイナー等企画職は未定、販売職は数
多く応募、ということです。ビーズ刺繍、後加工、異素材の組み合わせ、ス
テッチ、等凝った服が多い印象のメーカーなのでその良さ、こだわりが伝え
られる服作りが分かった人が販売するとその良さがより伝わる気がします。
丸井始め各商業施設に多数出展されていますので一度店頭でご覧になって
みてください。URLは以下の通りです。

 

https://www.gracecontinental.jp/

 

次にご紹介するのは株式会社キューブ様。MARK&LONAというブランドを
中心にゴルフウェア、モータースポーツ関連等のスポーツウェアを展開され
ている会社です。海外の輸入ライセンスブランドかと思いきや社長様がロス
在住の時に立ち上げたブランド、というだけで企画はすべて日本、というこ
とでした。会社の規模もそれほど大きくなく、全員に目配りができるところ
が良いところ、と人事担当の方がおっしゃっていましたが、これからどんどん
伸びていくブランドだと思います。ゴルフが好調ですし、特に景気が悪くなっ
てもスポーツ分野は強く、一般アパレルと違ってセールも少ないです。むしろ
安定成長をご希望の方にお勧めです。ご興味のある方は以下のURL覗いてみて
ください。

 

https://www.cube-co.com/ja/index.html

 

ジョイックスコーポレーション様。ブランド好きな方には有名な企業ですね。
ランバン、ポールスミス、サイコバニー、等有名ブランドが揃っています。
特に各ブランド共メンズに関してはこちらがライセンシーをお持ちなので、
特にメンズのブランド狙いの方、おすすめですよ。以下にURL貼っておきます。

 

https://www.joix-corp.com/

 

Mother’s Industry様。ミズイロインド、等個性的なブランドを取りそろえて
いらっしゃいます。色遣いがとても良いので昔からよく店頭を拝見していま
した。こちらはデザイナー、パタンナーも募集予定です。ただし、勤務地は
本社のある大阪になります。大阪といっても東京からは二時間ちょっと、地
の果てでもないどころか日本第二の都市でもあり、今年は万博の年でもあり
ます。デザイナー、パタンナー希望の方、チャンスですよ。あまり日本ブラ
ンドっぽくない服が多いのでデザインを覚えるのにもパターンを覚えるのに
も持ってこいです。みなさん、大阪、チャレンジしましょう。ちなみに私は
夜串カツ屋さんでの一杯が大好きです。販売職は当然東京勤務、東京での採
用が可能です。URLは以下の通りです。

 

https://mothers-ind.com/

 

ベルルッティジャパン様。LVMHグループの一員で、革靴を中心に高級革
製品が中心のブランドです。単価は高いです。メンズ、高級、等のジャンル
にご興味のある方、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。まず
ホームページご確認ください。

 

https://www.berluti.com/ja-jp/homepage/

 

最後にご紹介するのは株式会社TSI様。いわずと知れた超大手アパレルですね。
ブランドは多数過ぎるのでホームページからご確認ください。いつも見ている
ブランドがきっと含まれています。正直言って大手さんはやはり待遇面では群
を抜いていますね。以下がURLになります。

 

https://www.tsi-holdings.com/

 

その他に参加企業様多数ありましたが、あくまでも学生中心のイベントです
ので、参加学生対応にお忙しい方は挨拶をご遠慮させていただきました。参
加企業全社ご紹介できないのは残念ですが、また次の機会にご紹介できればと
思います。

 

各ブースでの説明会以外に別室会議スペースにて各企業様によるセミナーが
開催されていました。こちらもちちょっとだけ覗かせて頂きましたが、結構
席が埋まっていましたので邪魔にならないように覗いただけにしました。ここ
も各セミナー共オンライン配信されていましたので実際の視聴者はかなり
多かったのかな、と思います。

 

実は私も合同就職セミナーは初めての参加で、見るもの聞くもの初めてのもの
ばかりだったのですが、参加した学生たちに聞いてみると私なんかよりは堂々
と、全ブース周って資料集めも完璧らしく、なんかむしろ教わることが多いです。

 

現在企業情報はほとんどのことがホームページから確認可能で、会社説明会も
むしろオンラインの方が多いのが現状でなかなかリアルイベント、リアル説明
会に接する機会が少なくなっているのが現実です。それでも私は実際に行って、
見て、聞いて、触れて、ということをいつも学生たちにすすめています。企業様
の玄関から入って、それだけでいい印象があればそれはあなたにとって良い会社
です。たまたまお会いした人事担当の方と話が合った、社員様のお仕事風景が何
となく良かった、等々良い印象があった会社があなたにとっていい会社で、逆の
印象だったらその会社はやめたほうが良いです。私は今まで訪問した会社の数で
いうと、もしかすると1000社を超えているかもしれません。それでもやはり良い
印象の会社とはうまくいくし、どうかな、と思ったところとはやっぱりうまくい
かないですよね。

自分の感じた印象を一番大事にしてください。あなたにとって良い印象の会社が
他の人にとっていい印象かどうかは、まったくわかりません。あくまでも自分の
感想だけが信じていいことであって、それにはまず自分で実際に訪問して、会って、
お話をしてきてください。

就職サイトのなかに現在かなりの割合で口コミサイトが増えています。しかし
それらのサイトを学生に一度も紹介していません。中には特に酷いな、と思う
サイトもあります。そのようなサイトに口コミを載せるのはよっぽど気に入った
か気に食わなかったかだと思うのですが、とあるサイトでは企業に対する悪口
だけが占めているサイトもあります。退職者の在籍時の口コミも載っていること
もありますが、それもやはり何かあったから辞めたんですよね。情報の選択が
できないうちは口コミに接しないのが一番、自分の体験と感だけ信じましょう。

 

というわけでリアルイベント、リアル説明会がこれから3月1日の就活解禁に
向けてどんどん増えていきます。私は春だからといって少し浮かれていますが
みなさんは気を引き締めて一件でも、一社でも、一イベントでも多く参加して
みてください。自分の好きな会社を好きに選んで訪問できるなんて、結構人生
で今しかできない体験ですよ。どうせ就活するなら就活を楽しんでいきましょう。

 

次回のビッグイベントの予定をお知らせしておきます。

3月5日、12:00~17:00

マイナビ2026主催、「ファッションビジネス就職セミナー」

新宿NSビル

これがファッション就職イベントで一番大きなイベントです。今回のように
落ち着いて回れるかどうかはわかりませんがみなさん奮ってご参加ください。

 

ロキシー・ミュージックの「マニフェスト」という曲がありますが、「角を
曲がって新しいものと偶然出会う。この時の新鮮さが僕の流儀だ。」という意味
の歌いだしから始まります。私ももう今まで何回角を曲がってきたでしょう。
現在いろいろな物が便利になって、グーグルアースで、ドローンを使って、角の
向こうの景色を見渡せるかもしれません。しかし実際に角を曲がって、見て、
聞いて、触って、その風。その香りを体験する、それ以上に信じられるものは
ないのです。就活、旅行、数々の体験をこれからもされると思います。みなさん、
億劫がらず、一歩でも外に出て、一つ一つ角を曲がって行きましょう。そのたび
に一つ一つ新しい世界が開けていきますよ。

 

今回は学生主体のイベントにお邪魔させていただいただけでなく、参加各企業に
ご紹介いただき、挙句には今回掲載の写真までいただきました、就活サイト、
ブランドキャリアジュニアを運営されている株式会社スプラウトの栗原社長には
大変お世話になりました。この場をお借りしてお礼申し上げたいと思います。

 

次回はまた展示会レポートの予定です。その他のイベント、企業情報もどんどん
紹介していきたいと思います。

ではまた。

 

HANAZONO

 

スタイリスト・デザイナー・衣装制作の就職はtfac

 

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東京服飾専門学校 次回オープンカレッジの日程

3/20に開催予定です。

 

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~就活室便り~#24 P.S.藍LOVE YOU

~就活室便り~#24 P.S.藍LOVE YOU 〜45rpm様展示会訪問記

 

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。毎日寒いですね。特に遠距離通勤者
にとって、朝出かける時間がほぼ最低気温なのが辛いですね。毎朝まだ日ののぼる前に
玄関を出るのですが、そこで毎朝わけあって仲良くなった外猫2匹にまちぶせされてい
ます。まず脚に頭突きされるところから始まって、その後まず撫でねばならずその後に
当然ごはんをあげなければなりません。時間に余裕があるわけではないのでできればご飯
だけあげて早く駅まで行きたいのですが、その前の「撫で」が不十分だとごはんを食べ
ません。毎朝毎朝こっちは時間がないんだってば!といっても通じないのでそのロス
タイムも計算に入れるとまた睡眠時間が減るんでした。遠距離通勤、辛いですね。特に
甘えん坊の外猫がいる場合には。逆に朝起きるのが苦手な方は気になる外猫がいると気に
なって早起きできるかも知れないですよ。ちなみに内猫は元からあんまり寝かせてくれま
せん。夜中に耳元で大声で鳴くのだけはやめてほしいなあ、とは思うのですがやめる気配
はさらさらありません。熟睡からはどんどん遠ざかっていきますが元気を出していきまし
ょう。

 

今回は、2月5日から7日に行われました45rpm様の来シーズンの展示会にお邪魔しました
のでそのレポートをお届けします。45rpm様といえばデニムにこだわり、そのこだわりの
デニムは、染め、織り、糸からしまいに畑(綿も藍もです)までこだわられ、それをこだ
わりの工場さんで縫製し、大量生産、大量販売よりは自分たちの作りたいもの、自分たち
にしかできない他にはないものを追求されているメーカーさんです。何枚か写真は撮らせ
ていただいたのですが、そんなoriginal追及のブランドの来期発表の新作商品を並べた展示会
なので、あまり克明な商品の写真を載せるわけにはいかないのでなるべく引きで撮らせて
頂きました。こういう場合には私の撮影のクオリティが活きますね。撮影が上手じゃなく
とも適材適所って、あるんですよね。それではいくつか写真を見ながら紹介していきたいと
思います。

展示会場入り口横にこのようなブースがあります。リアル・ビンテージデニムを目指した、
ということで、まるで本当に炭鉱で働いているうちに擦れてこうなった、というようなデニム
です。ダメージ部分にも茶系の色がかかっており、まさにビンテージですね。1点物の古着を
選ぶ感覚でお客様に選んでいただきたいそうです。大量生産とは違う世界ですね。

 

昨今の温暖化を踏まえて、防寒アウターの需要は年々減少しているようで、それに比して現在
スカーフ、ストール、等巻き物系を増やしているそうです。展示会でも140cm✖140cmのスク
エア大判のスカーフの新柄が陳列されていました。45rpm様で特徴的なのはそのプリントの柄
が社内デザイナーによる手描きのところです。世界中どこにもない全くのオリジナルの柄で、
私もかつてはプリント生地企画をやっていたのでこのサイズで図案を作成する大変さは身に染み
てわかります(といっても私自身が描いていたわけではないのですが)。しかも濃淡、細線を
多用して陰影を出している作品が多くただただ感心するばかりです。さすがに新柄の写真はコピー
される恐れがあるので自粛しました。みなさん、時期が来たら店頭でご覧ください。

写真が小さくてわかりにくいかもしれませんがわざと小さいんです。生地は製品にする場合必ず
裁断せねばならずその裁断くずが出るのは避けられない事実です。45rpm様ではその裁断後の
端切れでマスコット、チャームを作られていて、これは特にネット販売でよく売れるそうです。
金具等、付属もだいぶ凝ったものを使用されています。

こちらは藍職人のコーナーです。染は当然、藍の栽培からこだわった各種藍染めがずらりと
並びます。当然藍といえば染色、対光、摩擦、すべての堅牢度がよくないです。それゆえ縫製工場
のミシンにもやはり色が移り、他の物をそのあとすぐ縫うわけにはいかないとのこと。工場さんも
大変だと思いますが、そんなデメリットがありながら仕事を引き受けてくれる協力関係を工場さん
と築いていらっしゃる信頼関係構築の歴史は一言では語れないものがあると思います。よく上下
関係で下請け工場さんに横柄な態度、無理な注文を押し付けるメーカーがありますが、一時期は
うまくいっても決して長くは続かない、というのが私の感想です。みなさん、人とのお付き合いは
大切にしましょう。

ニット含めまずどの製品も糸から凝っています。織物もスラブ形状が均一でなく、縦糸横糸の色の
違いで表現するデニムの色合いを一本糸のニット製品で表現しようとすると、かなり大変なことを
お察しください。また、藍染めだけでなく、普通のニット製品もニットなんですがガーゼのような
風合いが特徴的で、それはもう日本に数台しか残っていないような古い編み機で、時間をかけながら
ことこつと編んでいく作業のなかで現在の高速編み機より空気を含む量が多く、それがなんとも言え
ない風合いを醸し出すのだそうです。本当に不思議なのですが、織物も手織りに近い織機と現在の
高速織機では同じ糸を使用しても風合いがまったく違います。新旧織機ではまず糸のテンションが
全く違うのでそれが風合いの違いの最大の理由ではあるのですが、確かに織物でも空気を含む量に
違いがあるのかもしれません。繊維はその微妙な違いの追及が大きなテーマなのですが、45rpm様の
ニットは明らかに差異があります。こちらの展示会で他社とは明らかに違う点は、各ショップの販売員
さんが展示会場で来期商品を見るだけでなく、みなさん試着されている点です。今までいろんなアパレル
さんの展示会にお伺いしてきましたが、たいていは説明会だけ、その後販売会議みたいなところがほと
んどなのですが、ここではみなさん見て、触って、着て商品を確かめていらっしゃいました。ニット製品
コーナーでは試着後歓声があがっていました。0普段自社商品を毎日販売している方から歓声があがる
ような新作ニットの着心地、風合いの素晴らしさと、それを身をもって体験し、自分の言葉でお客様にお
勧めできる、この販売と商品企画がきっちりとかみ合っているところが強さの一因になっているんだと
思います。

手書き落書き風の商品です。これも社内での手書きで、海外での学校卒業時の服に書いた寄せ書きから
インスピレーションを受けた作品とのこと。それ以外にも毎年海外で70~80年前の古着を毎年購入され、
特に現在では使われなくなった編み方、織り方、糸使いのものとかは分解して組成、作り方を確認され
るそうです。

上の写真が集大成というか、刺繍、パッチワーク、ステッチ、織り、染め、すべての部分にこだわった
一連です。そんなに数量作る企画ではないのですが、というお話でしたが逆にこれを大量に作れ、と言わ
れたほうが工場さんは困惑すると思います。手作りには手作りの良さがあります。良いものを良いものと
して大切にしていきたいですね。

 

会社の方針としては、「作りたいものをつくる」、ということを大前提として、売り上げを伸ばす、多店舗化
とかそういうことは考えていないそうです。それよりはあくまでもものづくりにこだわり、ものだけでなく、
そのこだわりも一緒にお客様に届ける、それが一番大切にされている、ということだと思います。どんな
こだわりの企画でもそれを形にしていくまでに様々な仕入れ先、様々な工場さんにその企画に賛同し、
わかって頂き、協力して頂く生産部の方々の努力は察するに余りあるものがあります。そして私からすると、
そんな楽しい仕事してみたい、という気になってしまいます。企画を実際の形にしていくお仕事、楽しい
ですよ。

45rpm様の売り場は新宿伊勢丹3Fはじめ周りはハイブランドばかり、その中でデニム中心の商品構成は
ちょっと異彩を放っています。藍染めをはじめ堅牢度には問題を抱え、しかもブリーチ、ウオッシュ、等
一点ものに近いものが多くしかも価格は高価、という商品なので、その商品の魅力、ウエアリング、
コーディネートから取り扱いまで販売の方に求められるレベルもかなり高いものが求められます。企画、
ものづくりの現場での苦労、商品の魅力がすべてお客様に伝えられるよう、やはり販売員の方も見て、着て、
触っての商品理解は必須でそれが展示会での試着の多さに現れているのだと思います。そうして商品企画から
最終の店頭販売に至るまで会社としてすべての情報を共有されている、といっても差し支えありません。
社内全員が企画参画し、ものづくりし、お客様までお届けする、これほどすべての情報が社内で一貫している
会社を私は他に知りません。それは人事の方にいたるまで一緒で、そこまで行くとなお珍しいです。

企画、生産、販売のお仕事を紹介させていただきましたが、それ以外にも縫製の仕事も一部されているそう
です。先ほど紹介させていただいた手編みに近い古い編み機を使い、編地つくりと縫製は、もう現在やる人が
いないため自社でされているそうです。いつかは消えてしまうかも知れないその技術を継承したい方、勤務地は
地方になりますが、チャンスではあります。将来縫製の仕事につきたい方は一度考えて見てはいかがでしょうか。

 

ファッション産業は川上から川下まで本当に長く、その中でのものづくりをしようとすると、逆に自分だけで
できることはほとんどなく、様々な企業、様々な方々の協力が必要となります。様々な方々に自分の想い、
こだわりを語り、理解していただき協力を仰ぎ、一つのものを完成させていくものづくりの道、これをなんとか
みなさんに一度体験して頂きたく毎日いろいろ腐心しています。とにかく一度「見る」、「体験する」とその後が
全然違うので、

そんな機会があればどんどん紹介していきたいと思います。そう思っていたら45rpm

様では新入社員企画による学生限定イベント「風のマーケット」というイベントが3月14、15両日開催されます。
古着、端切れ販売だけではなく藍染め体験、等様々なイベントが行われるようなのでみなさん一度覗くだけでも
ぜひ参加してみてください。そしてものづくりの一端だけでも体感できたらいいな、とおもいます。

 

ファストファッションがこれだけ蔓延した現在、確かに45rpm様の服は高く、なかなか学生のみなさんには気軽に
手を出せるものではないかもしれません。しかし良い服はどうしても高いんですよ、とおっしゃった川久保玲さん、
私にとってのSDGsは絶対に捨てられない素敵な服を作ること、とおっしゃったsacaiの阿部千登勢さんの言葉が理解
できるファッション大好きなみなさんならここの服の魅力をきっとわかっていただけると思います。なお、もし45rpm様
に魅力を感じてより多くの商品を見てみたいと思われた方、店頭で来期エントリー予定の旨をお伝えすれば商品の解説も
していただけるそうです。ただし、お忙しそうな時はご遠慮してくださいね。

 

長々と書きましたがそれでもいろんな話が抜けているのはわかっているのですがとりあえずこの回はここで終わりにして
今度「風のマーケット」の報告もさせていただきたいと思います。最後に今回展示会のご説明、ご対応してくださり
撮影の許可もくださった人事総務部の井上様、伊藤様に感謝の言葉を述べたいと思います。本当にありがとうございました。

 

みなさん、ものづくりって本当に楽しいですよ。次回からもそんな魅力を少しでもお伝え出来たらと思います。

 

ではまた。

 

HANAZONO

~就活室便り~#23 kashmir

~就活室便り~#24  kashmir

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。暖かい日が増えてきましたが
なんだか朝晩ちょっと寒いですよね。現在私が家を出る時間はまだ日の出前で
真っ暗だったりするのですが、当然気温もほぼ最低気温の時間で、毎朝出勤意欲
を減退させる効果が十分にある寒さです。日の出の光景はいつも電車の窓から眺め
ることになるのですが、そうして四季の移ろいを身をもって感じるって、結構いい
もんですよ。特に毎日夜明けの時間がどんどん早くなっていくってなんだか理由も
なくどきどきして、春の醍醐味の一つであります。よく暖かくなったから春になった、
と思いがちですが、寒暖を繰り返しながら少しづつ暖かくなっていくその工程こそが
春なんですよね。そう考えるとこの季節、結構長いです。本当に暖かい日々ばかりに
なってしまえばそれは初夏なので。いずれにしろ家を出るときに日が昇っているその
日まで春を存分に楽しもうと思います。

 

1月15日から17日まで、ベルサール渋谷ガーデンにて、インド・トレンドフェアが開催
されました。今回はそのレポートをお送りしたいと思います。現在、繊維製品輸入先と
してインドは9位のポジションにありますが、金額ベースでみるとその輸入額は全体の
1%に過ぎません。輸入額全体の半分以上は中国からで、それに続くのがベトナムです。
インドからの輸入額は中国からの2%に過ぎず、ちょっと差がありすぎるとしかいいよう
がありません。ところがこれを世界レベルでみると、インドの繊維製品輸出量は中国の
1割強の金額になります。この数字、日本でも繊維製品輸入額で中国の1割を目指す、と
いうのがインド政府の目標となっています。

インドと中国を比較して、中国に分があると思われる点は、日本との距離が圧倒的に近い
こと、航空便、船便をはじめ輸送手段も豊富でしかも輸送日数が短期で済み、日本に対し
ての輸出手続きにも慣れていること、日本語が話せる担当者が多いこと、生地をはじめと
する素材が豊富なだけでなく、裏地、付属品、等が豊富でほぼすべての材料を現地調達で
きること、等が挙げられます。特に付属品を含めた素材の豊富さは、輸入額2位のベトナム
と比べても比較のしようがなく、原材料を全て自国で調達できる国は中国をおいて他には
ありません。私も経験ありますが、この付属、どの部品が足りない、足りなくなった、と
いっていちいち日本から送るって、大変なだけでなくそれだけで利益がなくなってしまう
ような騒ぎなんですよね。いずれにしろ繊維製品輸入先として中国の地位は盤石なものが
あります。現在産地のリスク分散が重要なテーマになってはいますが、それでも中国以外
の産地に移行するほうが幾多の多くのリスクを抱えることになります。

一方、インドの利点ですが、まずEPA協定を日本と結んでいるため関税がかかりません。
同じものを作ったとすれば中国と比べると元々の単価がかなり安いです。そのうえ、関税が
かからないためコスト・メリットがあります。また、イギリスとの古くからの繋がりがあり、
それを通してヨーロッパの下請けとしての歴史が長いため、感性が非常にヨーロッパ寄りです。
中国は元々黄色と朱色の世界だった歴史が長いので、こちらの要望をわかって頂くのに時間が
かかる場合があります。プリント、刺繍、等配色のセンスは見事というほかありません。また
刺繍、ビーズ、スパンコール刺繍等細かい手作業が得意でその細かい作業は目を見張るものが
あります。大体国の生活水準が上がれば上がるほど、そのような細かい作業はしたくなくなる
か、とんでもない値段になるかどっちかです。昔有名だった中国の汕頭刺繍ですが、以前私が
お願いしていた頃の値段の5倍以上の工賃になっています。工賃がそれだけ上がると店頭での
最終製品上代は何十倍かになってしまうので諦めざるをえなかった経験があります。やはり
刺繍をはじめとする加工物はインドにかなうところはありません。

 

それでは、実際の商品をちょっと御覧に入れます。

まず、ウール関係のスカーフのプリントから。

このコーナーだけで何柄あるでしょう。大体このようなプリントの柄が一社平均100柄くらい
はあるでしょうか。そこから必要なものを選んでいったり、配色変更は可能なのでオリジナル
の商品の作成依頼も可能です。次に刺繍関係をご覧ください。

ジャンパーにほぼ前面刺繍です。これくらいの刺繍がびっくりするくらいの値段で可能です。

ちょっとびっくりしますが、縦のストライプに見えるところはすべてビーズ刺繍です。これく
らい手間のかかる刺繍はインドでしかできません。

これは「ジャパニーズハッピーコート」という名前でヨーロッパ中心に売れているらしいです。
鶴の刺繍も見事で、これは逆に日本で作ったほうが、と思われるかもしれませんが、値段の格差
が隔絶したものがあります。

これもよく見ないとわからないかもしれませんが、プリントのスカーフにビーズ刺繍を施してい
ます。プリントの配色で一番難しい中間色の出し方も見事で、これを日本で作った場合のコストの
三分の一位の上代で店頭販売可能です。

 

加工技術の高さを知っていただこうと、極端な加工物ばかり写真を撮ってきましたが、当然普通の
無地の商品が一番多いのでどんな市場にも対応可能です。でもこれだけ刺繍ができるとどうしても
柄物をトライしたくなりますね。いずれにしろ柄も値段もインドにしかできないことは沢山あります。

 

昔からインド綿、インドシルクは有名で、特にインドマドラスチェックと言ったら夏の高級品として
有名でした。そんなインドと中国との輸入金額の格差はどこにあるかといったら地理的な問題であり、
日本語が通じる可能性が皆無だったり納期、クオリティの問題、一度に要求される最低生産量の巨大さ、
付属品手配の問題、リードタイムの長さ、輸送の諸問題、等いろいろな問題があるのは確かです。
そして、一度でもインドと貿易をしたことがある方ならお判りでしょうが、それらはすべて、容易に
解決できる問題ではありません。

 

それでも人口は14億を超え世界一となり、しかも国民の平均年齢は28歳と非常に若く、生産拠点として
も市場としても非常に魅力的な国であることは間違いありません。これから社会に出ていくみなさまは
いつか必ずインドと係わりを持っていくのは間違いないと思います。特に繊維業界に関わっていこうと
思う方はその確率が特に高いと思ってください。

 

私は海外に行くと必ず宿泊ホテルの周りを散歩します。自分の目で見て、足で歩いて、肌で感じる外国の
雰囲気が大好きです。そんな私も周りの散歩をしなかった国が2か国あります。一つが南アフリカで一つが
インドです。ちょっとくらいの危険ならあえて挑戦してとにかく自分の足で歩くのが大好きなのですが、
ちょっと危険というのとかなりの高確率、というかほぼ100%ホテルに生きて戻れる自信がない、という
のは全く違います。みなさんもたとえインドに行くことになっても独り歩きはお勧めしません。それくらい
危険な物は危険だしそれが貿易の妨げになっている点は否めないでしょう。だからと言って独り歩きが危な
い、というだけで今後国家としてのインドの価値はますます増して行くでしょう。いずれにしろ繊維輸入品
が全体の98%を超える日本において海外を見ずに繊維産業は語れませんし存在しません。みなさんがこれか
らどんどん海外に目を向けて頂けることを期待します。

 

ちょっと風変わりな就活室便りになりましたが、商社、OEM,ODM企業に進まれる方は入社後もう待ったなし
です。なんかインドのマイナスイメージを植え付けるような話が多かったかもしれませんが、食べ物は本当に
おいしいですよ。何食べてもおいしいですし、お茶とビールも絶品です。ただ食べすぎには注意しましょう。

 

今回のタイトル、”kashmir”はカシミヤ、パシュミナで有名なカシミール地方にちなんで、というか、Led Zeppelin
の曲で今一番人気がある曲にちなんでつけたのですが、今回の展示会の出展企業はむしろムンバイから参加された
企業が多かったように思います。ムンバイは「踊るマハラジャ」や「RRR」等で有名なインドのハリウッドですね。
そしてとにかく暑い街です。私が2月に行った時には冬なのに35度ありました。デリーも30度で、日本から2月の
気温に慣れたまま行ってとにかくばてたのを覚えています。水分補給の大切さを思い知らされた訪問でした。

 

今回はインド・トレンドフェアで考えたこと中心にお話させていただきました。来週からはまた日本の企業の話を
中心にしていきたいと思います。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

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~就活室便り~#22 a new hope

~就活室便り~♯22 a new hope

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。前々回にお話しした通り、先日
ちょっと手術したのですが、何が辛いって、手術前には基本的にいかなる薬も飲ま
ないように、それはビタミン剤等も含めて、とのお達しがあり、薬が飲めない事で
した。そう、この時期に花粉症の薬を飲めなかったのです。この時期、無意識のう
ちに鼻から落下物があることがあり、なかなか下を向けない状況が続きました。そ
の辛い日々もやっと終わり、今後は今までの分も薬飲んでやる、というわけにはい
かないですよね。薬は用法、用量を守って正しく使いましょう。いずれにしろ手術、
薬、という2つの懸念は去ったわけでめでたいといえばめでたいのですが、だからと
言って何も花粉が去ったわけではなく、これからが勝負です。鼻炎薬、目薬、等十分
に用意して春を迎えましょう。

 

さて、今回はライフスタイルWeek2回目のレポートをお届けします。この混沌とした
時代の中、各社かつての本業だけに収まることをせず、どんどん新しい分野に次々に
チャレンジしていらっしゃいます。大企業、老舗の企業もその例にもれず、そんな
新規事業、新規分野に挑む企業を紹介したいと思います。

 

まず最初に紹介するのは王子エフテックスさん。いわずと知れた王子ホールディングス
に属し、様々な紙製品、シートを制作されている会社です。そんな製紙界の大手が、
紙だけに留まらず、現在、コーヒー梱包の麻袋を回収し、リサイクル、その麻繊維を
混入した製品を展開していらっしゃいます。

写真のコーヒーの麻袋が見えるのがお判りでしょうか。このような麻袋を繊維として
リサイクル、従来の紙成分に10%の割合で混入し製紙するそうです。麻袋の隣のグリ
ーンの紙箱や下段の紙袋はその紙でできたものです。触らせていただきましたが、天
然繊維中最強の強度を持つ麻繊維を混入することにより従来の紙製品よりは強度が
増しているように感じられ、むしろ紙袋、紙箱としては最適かな、と思いました。
特徴として、麻の生成の色が少し残ります。それを欠点としてとらえるか味として
とらえるかは意見の分かれるところですが、それよりはエコ表示したほうが訴求感が
あるのかな、と思います。それ以外にもプラスチックの代替商品を紙で作っていらっ
しゃいました。これは言われなければ紙と気が付かないレベルです。

コップ、トレー、スプーン、フォーク等色々な商品を展示していらっしゃいましたが
どのお客様も紙と言われて初めて気付くレベルでした。技術の進歩は販路も開く一例
かと思います。新商品は自ら道を開きます。参考にしたいですね。

 

次に、BOKENさんをご紹介します。BOKENさんといえば正式名は日本紡績検査協会
ですから、当然繊維関係の検査専門の協会です。繊維製品の検査として、最初の品質
表示用の組成、取り扱い表示の作成から、購入後の各種の問題(縮み、色落ち、変色、
等々)各種各段階での試験が必要で、私もBOKENさんをはじめとする各試験機関には
大変お世話になりました。繊維製品は最も肌に近いものであり、使用するたび日に当
たり、汚れ、汗を吸い、洗濯され、伸ばされ縮められ、といろんな扱いを受け、購入
当初より使い込めば使い込むほど製品の状況は変化していきます。それを使用による
劣化をなるべく防ぐよう事前に洗濯をはじめとする試験を行いそれに基づく取り扱い
絵表示を取り付け、それでも予期せぬ事故があった場合は検査機関によりその原因を
追究します。服作りに繊維製品検査は欠かせないものです。ところがそんな検査も現在
のように縫製品の98%が輸入品、という状況になると海外生産国での試験が増えざる
を得ず、日本の試験機関で試験される数量は減少傾向にあります。(でも、正直言って
海外と日本の検査機関ではデータの正確さ、というかレベルにちょっと差がある気が
するんですけどね。)そうしてBOKENさんが現在主力で取り組んでいらっしゃるのが
おもちゃ、食器、調理器具、自動車内装材をはじめとする産業資材、シャンプー、
リンス、石鹸、マウスウオッシュ、入浴剤、香水などの化粧品、パーソナルケア商品
です。繊維製品以外にも実際に肌に触れるものは数多くあり、またアレルギーをはじめ
とする人体に影響があるものの解明は日々進んでいます。今後どんどんそんな新しい
分野の仕事は増えていくことが容易に想像されますね。現在化粧品だけでも新商品が
年間どれくらいデビューしていることでしょう。そしてそんな新分野の試験がこなせて
いくのはやはり長年の技術の蓄積、努力の賜物だと思います。積み重ねた技術、努力は
決して裏切らない、という典型だと思います。新分野だけでなく、今後も繊維業界を
試験の分野で支えていって頂きたいと思います。

最後に、ブルーミング中西さんをご紹介します。ブルーミング中西さんといえばハンカ
チ界の巨人、というか売り上げではトップクラスの企業です。この商品は値段も手ごろな
ものが多く、かさばらず、以前から送別会の返礼品としては欠かせないものでした。それ
以外にもハンカチをもらって困る人というのもおらず、手軽なギフトとして婦人服専門
だった私から見ると毎日ちょっとびっくりするくらいの商品が店頭で売れうらやましい
限りでした。そんな会社がわざわざ合同展に出展し、新規顧客を開拓する必要などある
のかな、と思っておうかがいしたところ、やはりそんな業界にも現在の不況(とは公式
に誰も言っていませんが)の波は襲ってきているようで、それに対抗すべく色々な作品
を出展されていました。

上の写真はタオル生産時の端材、カット残等を使ってタオルハンカチとしてリサイクル
したものです。当然新品のように真っ白を作るわけにはいきません。これもまたそれを
味としてとらえるかどうかですね。個人的には逆に新品ではできない色のミックス感が
魅力的に見えるのですが。全くの新しい糸を使った商品とコストは変わらないというこ
とで値段も変わらないようですが今後のアピールの仕方でなんかこちらのほうが訴求力
が出る気がするのですが。違うメーカーの違うアイテムとコラボするとうまくいきそう
な気がします。

それ以外にも様々な機能性商品、そして会社としては珍しいことのようですがキャラ
クター使用の商品も出展され、新規先にアピールされていました。

ちょっと見にくいかもしれませんがハンカチだけでなく同じタオル生地を使って、
シュシュをはじめとする様々な商品を展開していらっしゃいました。本業から一歩踏み
出しただけでなんかどんどんアイテムが広がっていきそうですね。これだけインバウンド
需要が増大する中、海外の方はほとんどハンカチを持たれない、というハンデがあります。
アイテムの拡大でそんな海外の方も手に取る商品が増えそうですよね。結構注目の市場に
なりそうな気がします。

 

前回、今回の2回に渡ってライフスタイルWeekに出展されていた企業の一部を紹介させて
頂きました。現代ではどんな企業でも新しい分野、新しい商品に挑戦していかなければ
生き残れない時代になってきました。今回紹介した企業以外でもほとんどの企業が新商品、
新分野のチャレンジだったと思いますがあくまでファッション産業という視点から見て
気になった5社を選んでの紹介でした。みなさんもウエアだけに限らずいろんな分野を
見て磨いたファッションセンスを発揮できる業界、会社を見ていただけたらと思います。
思った以上に「ファッション」という分野は広いですよ。そんな「ファッション」関連
企業を次回もまた紹介できたらと思います。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

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~就活室便り~#21 いんばうんどの夢噺

~就活室便り#21~ いんばうんどの夢噺

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。さすがに年明けは結構寒くてこの
苦手な季節が早く過ぎることを願う毎日です。そしてもう一つの難題にいつも悩まさ
れる季節でもあります。たいていのニュースソースでも気象庁発表でも基本的には2月
中過ぎから、ということになっていますが、1月からたとえ少量でも絶対「奴」はいます。
結局1回「奴」の存在を感じたが最後、4月の下手すると初夏、と呼びたくなるような季節
まで「奴」との戦いは続きます。SNSの情報を見ていても「奴」の存在を1月から感じて
いる方は結構多いようで、本当に「奴」、いや花粉対策は大変ですよね。私は毎年飲み薬、
鼻中に塗り薬、花粉ブロックスプレー、マスクの4点セットで乗り切るようにしています。
それでもふいに下を向いたときに思わず鼻が止まらない時があって、マスクのおかげで
大事には至らなくても白鳥が優雅に泳いでいるように見えても水面下では全力でバタ足、
というような努力を強いられます。今年もそろそろ始まりそうです。今まで症状がなかった
方も花粉症はある日突然始まります。今まで一緒に戦ってきた同士の方、今年も一緒に戦いま
しょう。そして今年から参戦される方、いいお薬お教えしますよ。一緒に頑張りましょう。

 

1月15日より、東京ビッグサイトにてライフスタイルWeekという展示会が開催されました。
そのレポートを2週に渡ってお届けします。ライフスタイルWeek内にいろいろなテーマの
展示会があり、私はファッション雑貨エキスポを目当てにお伺いしたのですが、その他にも、
推し活エキスポ、等いろんなテーマがあり、今回はインバウンドエキスポに出展されていた
企業を紹介させて頂きます。

 

まず最初は株式会社エー・ディー・ピーさん。元々はTシャツプリント工場で、シルクスク
リーン、インクジェット、転写昇華、熱転写、等様々な染色方法での注文を受け生産して
いる会社なのですが、今回は自社ブランド「HOKUSAI STREET」を擁してのインバウンド
エキスポ参戦です。

写真では相変わらずわかりにくいかもしれませんが、開襟シャツは古い着物のリメイクです。
古い着物をほどき、洗いをかけ、シャツ生地として裁断、縫製、右半身に自社制作の生地を
使用しセンターで縫い合わせています。品質表示を確認すると「古い着物からリサイクル
したもの(詳細不明)」となっていました。確かにそれ以上表示しようがないですよね。ここ
にも一部リサイクル、リユースの大変さが伺えます。なかなか日本の百貨店で日本人向けの
商品だったらそういう表示はなかなか許してくれません。

特に大変なのは洗いの作業で、折り目、重ねてあるところ、日のあたり加減等で各パーツの
色をそろえるのは実は大変な作業です。前と後ろ、見頃と袖の色が微妙に違うって、なかなか
許してくれるお客様はいませんのでその大変さは察するに余りあるのですが、じつは結構大変
だったのが「匂い」だったらしいです。なんか昔の祖母の衣装箪笥、箪笥代わりの茶箱を開けた
時のにおいを思い出しました。あまり洗いすぎると生地が傷むし、それは大変なことだったと
思います。それらの努力の成果で完成度は非常に高く、頂いた製品紹介のパンフレットには
「インバウンドにもほどがある!」というキャッチフレーズが謳ってありますが、むしろZ世代
にアピールするものがあるんじゃないか、と思いました。実際若い方からの問い合わせは結構
多いそうです。

当然Tシャツプリントメインの会社ですので江戸調Tシャツはかなりあり、完成度も高いです。

北斎の生誕地、墨田区の企業が浮世絵プリントに取り組み、そして今年の大河ドラマにも関連し、
ちょっと注目を集めそうですね。その他様々な商品を出展されていましたので、その雰囲気だけ
でも以下の写真から感じて頂けたらと思います。

元々アロハシャツは着物のリメイクから始まった、というのが定説になっていますから和柄が
似合わないはずがありません。毛筆プリントも、結構いいですよね。

 

その他、やはり墨田区で70年以上シャツ生産をされている羽衣シャツさんもインバウンド向け
商品を出展されていました。こちらは和柄シャツ、法被、小物雑貨までアイテムがかなり豊富です。

元々上質なメンズシャツが本業で、そこからアメカジ、等様々なラインを加えて行く途中で
これらの和柄の企画が加わったようです。

個人的に、猫柄に対して防御が薄く、すぐ手が出そうになってしまいます。猫柄、本当に危険ですね。

 

実際高級シャツブランドというのが基本の会社なので生地、縫製はじめクオリティには抜かり
がありません。お土産用の品質とは圧倒的に異なるクオリティです。

楽天にも大きく出店されていて、欧州、アメリカンテイストと和柄が相互に出てきて結構
面白いです。むしろ和柄を特別と見る方が時代遅れなのかもしれません。反省しつつ、やはり
少しずつ猫柄に惹かれて行きます。

 

今回、インバウンドエキスポから2社紹介させていただきました。本来の訪問の目的は違った
のですが、この2社がファッション総合展で目立つくらい一般アパレルで画期的な新商品、
新分野、新ジャンルと呼べるものは少なく、新規提案どころか出展すら殆どない、ということが
端的にファッション産業の現状を表していると思います。私が子供の頃には日本が観光立国に
なるとは考えてもみませんでした。それが今のインバウンド需要の大きさを見てもファッション
産業も変わらなくてはならない、というか変わるのが当たり前になりました。いずれにしろ
日本のブランドが海外で評価、成功することが今までほとんどなく、狭い国内市場を分け合って
いた時代は終わりを迎えつつあります。新しい時代へ新しい企業の新しいチャレンジを少しでも
応援できたらと思います。

ライフスタイルWeekという、この総合展の中で、ファッションの重要度が年々下がり、次回から
訪問しなくてもいいかな、と思うことがたまにあります。しかし、探すものが見つからなかった、
見るべきものがなかった、というのは実際参加したからこそ言える言葉でそもそも参加しなければ
良いも悪いもない、というのが私が若いころに上司に教わったことでそれを今でも何十年続いて
守っています。ファッションの知識獲得の方法は結局のところ足で、展示会を1件訪問するより
10件訪問したほうが知識、見分が広くなるのは当然のことです。みなさんも寒くても、暑くても、
少し体力的にしんどくてもどんどん表に出ていきましょう。実際に行って、見て、聞いて感じる、
これ以外に方法はありません。最短最速の方法は飛行機や車でではなく、歩いていくしかないの
です。今後もそんな歩いて見つけた情報を少しでもお伝えしていけたらと思います。

 

、といろいろ書いているうちに本当に花粉がやってきてしまいました。これから数ヶ月、一緒に
耐えていきましょう。来週はライフスタイルWeek後半編をお届けしたいと思います。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

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~就活室便り~#20 川をさかのぼる

〜就活室便り〜#20 川をさかのぼる

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。お正月も成人式もやっと過ぎ、そろそろ
落ち着いて日常に戻る頃でしょうか。年末からずっと続くイベントは楽しいものばかりです
が、やはり少し疲れますよね。私が以前OEM,ODMの仕事をしていた時は春節(旧正月)前
に諸々の仕事を終えねばならず(基本的にこの日から中国の工場は約一か月お休みになります)、
毎年結構緊張した時間を送っていました。今はそんな仕事をしていないので世間同様浮かれて
過ごせば良いので楽といえば楽なのですが今年は私事ですが来週3日間入院が決まっています。
やることは大したことないので(、といっても手術は手術なのですが)、あまり心配なことは
ないのですが、その3日間分の準備、等でやはり少し焦ります。入院中に静かに休みたいと
思います。

 

ファッション産業はその範囲が非常に広く、その立ち位置で企業の在り方も全く違ってしま
います。この広いファッション産業の領域はよく川の流れに例えられます。

みなさんが実際に目にする店頭や百貨店、ECサイト、等小売り、販売等の一番お客様に近い
ところは「川下」と呼ばれます。みなさんがファッション産業として一番意識しているところ
ですね。

その川下産業に商品を提供している企業があります。商品を企画、デザインし、材料を発注、
縫製工場で商品を生産、仕上げをした後各店頭に納品します。これらの企業は「アパレル」と
呼ばれ全ファッション産業の代名詞ともなっています。縫製工場等、関連産業を含めてこの
部分を「川中」と呼びます。

その川中に資材を提供している企業があります。糸、生地を生産し、染色整理後アパレルに
資材を納品します。原糸生産企業は巨大な装置産業であるのが普通で、織元やニッターは
大工場から家内制手工業レベルまで様々、染色整理も企業規模は様々です。素材別に産地も
分かれていることが多く、北陸では合繊中心、メーカーとしては東レ、帝人等の巨大企業が
中心となります。

綿、再生繊維等は浜松中心に日東紡、日清紡が有名ですね。毛織物は愛知県一宮付近(俗に
尾州産地と呼ばれています)の中小の会社が多く、それでも日本毛織(ニッケ)や深喜毛織
(カシミヤが有名です)といった有名企業もあります。

これらの繊維業界が俗に「川上」と呼ばれる領域です。ここはファッションというよりは
むしろ純粋に工業と言った方がむしろ正解かもしれませんが様々な糸のコンビネーション、
後加工の数々、あくなき風合いの追求、等やはりただの工業生産よりは「匠」という言葉が
一番しっくりくるような産業で、求めるのはあくまで「ハイ・タッチ」で「ハイテク」では
ありません。というわけでそのあくなき着心地、触り心地の追求はやはりファッション産業
の一環だからです。

そんな川上産業とアパレル各社を結ぶ企業群が存在します。川上各社の試織した生地の善し
悪しを判断し、良いものは本生産を依頼、そしてその素材の色、柄を決めるのもそれらの
企業群の仕事で、多くの生地は各色、各柄を自社で在庫として持ち、アパレルの急な発注
にも対応できるようにし、製品納期の縮小に貢献しています。それらの企業群は「テキスタ
イル・コンバーター」と呼ばれています。

今回デザイナー、パタンナーコースの学生を連れてお邪魔したのがテキスタイルコンバーター
の最大手の内の一社、株式会社サンウェル様です。訪問、見学の第一の目的は、製品サンプル
を作らずにその生地で作った製品のイメージが3Dで表現できる「3Dモデリング」という技術
の講習にあるのですが、今回それより注力したかったのは、テキスタイルコンバーターでの
実際の生地選びそのものです。

学生達も日暮里繊維街や各生地小売店へ訪問し、自分で生地を購入しています。ただ 生地
サンプルや生地のパターン帳から生地を選んだことはありませんし、ましてやその種類と
言ったら格段の差があります。現在サンウェル様で販売している生地(来期以降の企画の新商品
は含まれていません)が訳1000品番、そのうち定番と呼べる常時在庫を備蓄している商品が
400品番程になるということです。1品番で無地なら10~30色カラー展開があるとすると、その
莫大な量が想像つくでしょうか。実際にアパレルで企画担当のMD,デザイナーといった職業の
方はその中から生地を選択し、各アイテム毎にはめ込んでいきます。その判断の手助けになる
のが3D モデリング、等の新技術であり、あくまでも生地選びは見て、触って、振って、を繰り
返し、風合いを、落ちを、デザインとのマッチングを確かめる匠の作業の一つなのです。次世代
技術は講演会でも理解できるところがありますが、生地選びという匠の技は、口伝、というか
触伝とでも申しましょうか、いずれにしろ上司から部下へ、先輩から後輩へ、ひとつひとつ
風合いを確かめながらその判断基準を引き継いでいくほかないのです。そのテキスタイルコン
バーターでの生地選びを今回学生たちに体験してもらいました。

 

初めてのことに戸惑いながらも頭の中の絵型に合う生地を選んで行きます。

仲間同士でいろいろ意見を言い合いながら一つ一つの素材の触感、風合いを確かめつつピック
アップしていきます。

 

サンウェル様のご厚意により、選んだ生地のサンプル帳をその場で頂くことができました。

昨今ではOEM・ODMを担う商社が製品サンプルの形でアパレルに提案し、アパレルはその中から
自分のブランドに合う商品を選ぶだけ、半分セレクターのような状態になっている、と言ったら
言い過ぎかもしれませんが中らずと雖も遠からずだと思います。生地、製品の輸入率が上がっていく
事は諸所の事情を考慮した場合、ある程度しょうがないことだと思います。だからと言ってその風合い、
触感、着心地が人任せになっていく、それはもうファッション産業とは呼べません。あくまでも着て、
見て、触って、がファッションの基本であるべきです。WEB上のデザインが全てではありません。
学生たちに話を聞くと、将来自分のブランドを立ち上げたい、という話をよく聞きます。そのためには
市場分析、マーケット・インの発想は欠かせないものです。しかしそれがファッションである限り物作り
の基本を忘れてほしくないです。発想がどんどん顧客寄り(川下)に向かうのは当然のことです。実際の
生産、ということを考えたら少しだけでも川下から川中へ、川中から川上へ、と川をさかのぼってみて
ください。マーケットに裏切られることは少なからずあります。しかし身に着けた触感、その他の五感は
けっして裏切ることはありません。一歩でも二歩でも、ほんの少し川をさかのぼっただけでも全く違う
風景が見えてくると思います。今回の訪問で少しだけでも学生たちが川をさかのぼった実感を感じて
もらえたら、今回の訪問は大成功だと思います。こんな思いを理解していただき、多大なご支援をいた
だいたサンウェル様の中田部長には感謝の言葉もございません。

本当に、少しでも少しずつでもこの長い川の様々な地域を学生たちに紹介していけたらな、と思う気持ち
は止むことがありません。今後も色々な産業、企業を紹介していけたらな、と思います。次回の企業紹介
も楽しみにしていただけたらと思います。

ではまた。

 

HANAZONO

 

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~就活室便り~#19 和歌山から世界へ 島精機製作所様訪問記

~就活室便り~#19 和歌山から世界へ 島精機製作所様訪問記

 

みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。年も改まり、今回が2025年最初の
就活室便りになります。ファッション業界のあれこれを、少しでもわかりやすくお伝え
できたらと、本年も頑張っていこうと思います。写真が見にくいというかはっきり言って
下手だとか、調子に乗って文章長すぎ、とかいろんな弱点は承知してはいるのですが、
まあ本人なりにいろいろ改善は心がけていて、なるべく表現も簡潔に、写真も文章も
丁寧に、を意識しつつどこまで改善できるかわかりませんが、それでも性懲りもなく
レポートは続けていきますので、よろしくお願いします。

 

以前にも報告させて頂いた島精機製作所様のApex Fizですが、今回は学生とともに実際に
お邪魔して、講習と実演をしていただきました。

まずホールガーメント(無縫製ニット)の説明からしていただきました。現在この編機を
生産しているのは世界で島精機製作所様だけです。今回の説明では編機生産は全て本社
和歌山の工場で行っているそうです。特にそのことには言及されませんでしたが、世界中の
産業が、工賃が安い、コストの問題で海外生産に依存し、その結果、生産技術が大量に
生産国に流出したことがありました。いずれにしろ相手に設計図を渡す、ということは
そういうことだど思います。以前、婦人コートを生産していた時に、来シーズンのサンプルを
海外工場に依頼し、その1か月後その国で開催された総合展示会を訪問したところ、少なく
とも10社からその形が自社の新商品としてブースに飾られていました。特に独自の技術の
商品を生産する場合、海外生産にはやはり技術漏洩のリスクがあると思います。もっとも
それは国によってかなりの差はあることは確かですが、いずれにしろ世界一の生産大国を
さらに自国の技術を流出させて繁栄させることもないですよね。

 

ホールガーメントは例えばユニクロさんでは3Dニットの名で呼んでいたり、各社いろいろ
名前は付けていますが、その編機自体はすべて島精機製作所様作成のものです。小ロッド
生産にも対応でき、裁断、縫製がないため繊維くず、裁断くずが出ず、縫い目がないため
縫い代擦れが起こらず、ウェアだけでなく下着でもそしてベビーウェアでも重宝されて
います。

そしてスタートのスイッチを押す以外人間のすることはあまりないので最低限の人員で
工場を回すことが可能です。

 

無人化、省力化が進んでも従来の糸、生地の試染、試織、1stサンプル、各色サンプルの作成、
サンプル修正はなくなったわけではなく、それがコストやリードタイムの圧迫につながり
ます。それを解決していくのがApex Fizというシステムになります。

 

これは前回紹介させていただいたとおり、色、柄等を素材、デザインに合わせて表現していく
システムです。このシステムを使用してプリントアウトしたものはまさしく生地と紙との見分け
がつきません。下が、学生たちがその真贋探しをしているところです。

各色のスワッチのうち一つだけがリアルの生地なんですけどみんな必死に本物探ししていました。
ソフトとしてはillustratorに近いものだと思うのですが、画面を修正し新しい柄に置き換える、
という作業が衣服に特化しているだけに格段にやさしく行えます。

モデルが着ている服だけ切り取り、そこから袖だけまた切り取り各パーツごとに字の目を設定、
元の写真からドレープ、しわなどの部分の陰影をスポイト(、というように呼ばれていたので
そのようなツールの名前なんだと思います)で吸い取り反映させると、元のドレープ、結び目、しわ、
等すべて再現できます。それがまた短時間でマウスの操作だけで行えるため、illustratorのように
熟練する必要はないようです。さらにCADとの連携、グレーディング、柄ピッチの変更、別の編地柄の
挿入、等が行えるので、バーチャルサンプルを作ることが可能です。ウェア本体カラーもパントーンの
色はプリセットされているのでそこから選択可能、写真を読み込んだ場合はそれからから一番近い
パントーンのカラーを自動的に表示することが可能、付属に関してもYKKのカラーがプリセットされて
いるため表地に合うものを画面で選び、そのまま付属として発注することができ、サンプル作成の
省力化、リードタイムの削減、無駄を極限まで省くことができます。

 

このソフト自体は学校でも月額料金で使用できるためいつかは学校での必修科目となる日が来るかも
しれません。そして、アパレルメーカーでは操作が必須になっているところも出てきているようです。
ロスの排除の意味も大きいですが、なによりリードタイムの減少が一番大きいかな、と思いました。

 

以前はニットの新製品を作ろうとしたら、デザイン・パターン作成→糸の決定→糸ビーカーの作成
(本番の染に入る前に、本番は釜で染めますが、見本としてまず少量ビーカーで染めます)→色確認
→糸染め→ファーストサンプル→各色サンプル、という順番で作業を進行します。各工程ごとに訳1か月の
納期、そこで修正が入るとさらに1か月遅れます。企画が始まってから最低でも半年、下手すると1年、
そこから本生産を開始すると、企画段階から早くて1年、というのが従来の納期です。それがデザインさえ
決定していれば1か月程度でその全工程を終え、本生産に入れることになります。気候、流行ともに変わり
やすい現在の状況の中で、このリードタイムの縮小はかなり大きな意味を持ちます。

 

ものづくりの面からみて画期的なこのシステムは販売の面でも画期的な効果をもたらします。既にこの
システムを導入している会社を数社紹介して頂きました。大手シャツ、ネクタイ製造販売の企業様の
導入例を紹介していただきましたが、webカタログにネクタイが100柄近くあります。その写真はすべて
合成だそうです。当然シャツもすべて合成。製品の陰影まで再現できるため全く合成とは気が付きません。
大手アパレルの製品もサンプル作成は1型1色だけ、あとは全て合成だそうです。ネクタイ100本いちいち
結び目を作って撮影していたら一体何時間かかるでしょう。それがすべて1クリックでできてしまいます。
近年ECで最も手間のかかる作業が俗に言う「ささげ」(採寸、撮影、原稿―紹介文作成)と呼ばれる作業で、
この作業にとられる手間の膨大さに各社頭を悩ませていました。その手間が、少なくとも三分の一になる
のです。これはメリット、というよりは革新に近いと思います。

 

そんな講義を受けた後、そうして作られたホールガーメントの製品を見学させていただきました。

ホールガーメントは無縫製、縫い目がないため、ニットのシルエットがより柔らかく表現できます。元々
製品が立体でできているのと相まってドレープ性はかなり豊かですね。

写真ではわかりにくいかもしれませんが(今年はもう少しうまく写真が撮れるようにしたいです)、中央
テーブルの上のGジャンは実は刺繍ではなくプリントです。顔料プリントで少し立体感があるため本物と
さらに区別がつきにくいです。解説されてみれば確かにデニムの縫い目は厚くてそこに刺繍は無理なんです
よね。騙された、というより本当によくできています。

 

というように今回は1年生を連れて訪問させて頂きました。かれらにとっては今回が初めての企業訪問、
見学で、思った以上に緊張してたり興奮したりしたようです。今回の技術に興味を持っていいただきたい
のはもちろんですが、こうしてファッション産業の裏側には様々な企業、様々な人たちが独自の技術を競い、
支えているからこそ華々しい表舞台がある、ということを少しでも学んでいただけたらな、と思います。
そして裏側の領域は想像以上に奥行きがあり、そんな世界に1人でも関心を持ち進んでくれたらな、と思い
ます。ファッションの表舞台、ブランドは圧倒的に海外のものが多く、ライセンスを含めると日本独自の
ブランドは海外ブランドに対し、優位に立っているとは決して言えません。しかし、素材や特に技術部門に
関しては現在むしろ海外で引っ張りだこです。ユニクロさんの匠制度もそうですが縫製技術指導だけでも
どれくらいの日本人が海外で働いていることでしょう。今後もこんな技術を世界に誇っていけたらと思います。

 

去年の年末に1年生とお邪魔した島精機製作所様のレポートをお届けしました。このレポートが公開されて
いる時間には、実は2年生を連れてお邪魔しているところです。また新しい発見があればレポートさせて
頂きます。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

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