有名男性アイドルグループのステージ衣装&制作、スタイリングなど幅広く活動されています。
−スタイリスト科をご卒業されていますが、衣装製作は独学で学ばれたのですか?
入社した会社に衣装製作の師匠がおり、その方の元で勉強していました。そんな中、急に師匠の体調が悪くなってしまって…。自分1人で仕事をやるしかなくなってしまったんですよね。タイミングもあると思いますが、自分は成長できるチャンスをもらったと思っていて、仕事への意識も高まりました。
−担当されているグループの衣装デザインは、どのようなプロセスで製作していくのでしょうか?
まずは「どう見せたいか」というのをメンバー、マネージャー、演出家に聞き、アイディアを膨らませていきます。
そこから、クライアントさんの意図とテーマに合わせて製作していきます。打ち合わせを重ねながら、そこにプラスしてグループらしさやエッセンスを足していきます。
−本番直前のタイミングでデザイン修正や変更をするときはありますか?
ありますね。実際の出演者に衣装合わせをして動いてもらった時や、ゲネプロという本番同様の演出と動きをしてもらうリハーサルのタイミングで装飾の付け足しなどをしています。衣装が照明に当たった感じや動作を見て、変更します。
そのゲネプロが本番前最後のリハーサルとなるので、できる限りの修繕や対応をしてあげることも大事な仕事のひとつです。
−クライアント様と打ち合わせする際のコツはなんですか?
テイスト違いのデザインを3案ほど提案するようにしています。どのくらいの色の雰囲気がしっくりくるのかなどの基本的な部分から、最終段階までクライアント様にこちら側から選択肢を与えつつ意見をもらい、落としどころを決めていきます。
−ビジュー、ビーズなどの装飾をつける際に意識していることを教えてください。
できる限り多くつけてあげたい!という気持ちはありますが、予算や時間によっては難しい時もあるので、基本的にはカメラに映る範囲に近い顔周りなどに多めに装飾するようにしています。
−生地はどこで買い付けているのですか?
市販の生地屋さんで買うのがメインですが、会社が契約している業者さんから買うこともありますね。業者さんがやっている生地のショールームなどに出向いて選ばせてもらったりもしますね。
−素材選びで意識していることを教えてください。
デザイン画と出来上がった時のイメージを照らし合わせて、どういう生地だったらできるのかと考えながら選んでいます。デザインしたものに対して色も柄も良いのに、この素材じゃ作れないなっていう事も多いので、期間に余裕があれば、売っていない生地を実際にプリントして作ることもあります。
ステージ衣装であれば、ステージに上がった時に照明の具合でどう見えるのかを頭の中で考えて色味も選びます。
お忙しい中大変貴重なお話をお聞かせ頂き、本当にありがとうございました!
※今回は、先日のオープンキャンパスにて行われました「アパレル技能科衣装製作コース」個別ガイダンスでお話頂いた内容を掲載しています。
米山 裕也さん
2002年3月にスタイリスト科を卒業。
2012年に独立し、現在は数多くのアイドルグループやアーティストさんのコンサート衣装デザイン、スタイリングを手掛けご活躍されています。
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