~就活室便り~#16 染色いろいろ ジャパン・ベストニット・セレクションⅡ | ファッション専門学校の東京服飾専門学校

~就活室便り~#16 染色いろいろ ジャパン・ベストニット・セレクションⅡ

~就活室便り~#16 染色いろいろ  ジャパン・ベストニット・セレクションⅡ

 

こんにちは。就活室のHANAZONOです。実は私は冬が苦手で、とにかく寒いのがどうにも
いけません。寒くないように厚着をして、と思うのですが、重ね着もコートもなんだか着こ
なしがうまくいきません。寒いのがだめで着こなしもだめ、ということでできれば3月ぐらい
まで冬眠して過ごしたいとも思うのですが、それが許される環境にいたこともありません。
朝起きるのが特につらいですよね。と言いながら猫当番で朝食当番の私は結局家族の中で一番
早く起きねばならず、冬眠は夢のまた夢、春の訪れが待ち遠しいばかりです。

 


前回に引き続き今回もジャパン・ベストニット・セレクションにてお話しさせていただいた
企業の紹介をしたいと思います。まず最初は内田染工場様。ニット製品の染色の会社です。
創業115年という老舗で、住所はなんと白山!ご近所様です。大抵洗工場、縫製工場の場合、
工場は地方にあり、東京は事務所だけ、という会社がほとんどですが内田染工場さんの場合は
全て白山で生産されているとのこと。まさしくMADE IN TOKYOですね。

写真を見ておわかりいただけるかどうかわかりませんが、Tシャツの染色でも抜染剤を使いながら、
最初からブリーチ感覚が楽しめる染色をされています。染める時の生地の折り返し具合の違いなど
でどれも一様の色になることはなく、一着一着ブリーチ、濃淡、グラデーションの出方が違う染色
方法で、それを再現性がない、という欠点に捉えるか、一着一着がオンリーワン、という魅力に
捉えるか、捉え方は人それぞれと思いますが、現在では魅力に感じる方の方が圧倒的に多いのでは
ないでしょうか。その他特殊染からウール系のセーターまで様々な製品を染色していらっしゃいます。
ご近所ということもあり、ぜひ一度学生と一緒にお伺いしたいと思っています。見学だけでなく、
何らかの共同作業もできたら良いですね。

 

次にご紹介するのは小倉メリヤス製造所様。こちらも創業95年という老舗です。墨田区に本社を構え、
工場は栃木県佐野にあるそうです。

こちらで目を引くのはプリントデニムです。

写真を見ておわかりでしょうか。この色落ち加減は全部おプリントの表現で実際は一切の洗い加工は
していません。裏はこんな感じです。


まさに先染め感満載ですが実はこれもプリント。表裏プリントすることで普通のデニムと見た目では
区別がつきません。洗い工程をなくしたことで、水の使用量を90%カットすることができ、なお、
洗いや脱色をしていない副産物として染色堅牢度が飛躍的にアップしたとのこと。当然ブリーチ柄は
自由に設定できるので、デザイナーの以降に合わせたどんな表現も可能です。以前は、あれだけ流行
したサンドウオッシュが工員の健康問題で一気になくなったことがありましたが、今回は人体だけで
なく環境にも配慮し、なおかつ柄の自由度が高く、洗った後の処理もないため生産性は向上し、素材の
自由度も非常に高くなっています。写真ではわかりにくいのですが、最初の写真の1番手前にあるGパン
の素材はニットで(そう見えませんよね)、あまり激しい洗い加工には耐えられないように思える柔ら
かく薄手の素材です。それがこの見え方に染色できるのですから素材の幅は飛躍的に広がったと言って
良いでしょう。

その技術の応用で様々な防水、撥水加工、ラミネート、片面吸水/片面ドライ乾燥加工といった数多くの
加工をしていらっしゃいます(というよりデニムプリントの方がその技術の応用だと思うのですが)。
UV加工、シルクプロテイン加工などは紫外線対策、肌の保護、といった今求められるものがいっぱい
詰まった技術と言えるのではないでしょうか。

 

佐野工場では染色だけでなく製品の縫製もされており、縫製スタッフも募集中とのこと。栃木が実家の方、
一度ご検討なさってはいかがでしょうか。

現在縫製品は98.5%が輸入品となり、国内生産は1.5%に過ぎません。しかしだからといって技術的には
輸入品に劣っているどころかまさしく世界一と呼ばれる技術が数多くあります。この世界一の技術を、
世界に向けてどんどんアピールしていけたら、と思わない日はありません。

豊臣秀吉が6ヶ月という短期間で築いた肥前名護屋城。これを現代のゼネコンが、現代の技術で、現在の
重機を駆使して建築したとすると、最低でも3年はかかるそうです。そんな現代の技術も重機もかなわない
当時の築城技術も、城造りを辞めた途端、すぐに失われてしまいました。それは日本だけでなく、多分ピラ
ミッドにしても、世界の7不思議って多分そういうように普通の技術だったものがいつの間にか‘不思議‘に
なっていったんだと思います。

縫製にしろ染色にしろ編織にしろ日本にしかない技術はいっぱいあります。これを次代に引き継いでいか
ないと日本にはまた沢山の“不思議“だけが残されることになります。あるアパレルのMDと話していた時、
このまま行くと後数年後には日本でジャケットが縫える工場がなくなるのではないか、という話題になり
ました。

内田染工場でお相手してくださったKさんは、文化服装学院のご出身だそうで、学生時代に一度授業で内田
染工場さんとコラボし、就職は他の企業に就職したものの、その学生時代の体験が忘れられず、結局出戻り
とは言いませんがお世話になることになったそうです。今後みなさんにそんな体験のお手伝いが少しだけで
も出来たら、そして日本の技術を引き継いでいっていただけたらと思います。

現在では新技術というとIT系に限定されてしまいがちですが、繊維服飾系(昔は漢字のつくりから、“いとへん“
業界と呼ばれました)の技術は奥が深いですよ。そんな深みにどっぷり浸かってみたい方、応援しています。

 

染色いろいろ。色柄いろいろ。今回のジャパン・ベストニット・セレクション、染色もそうですが、ニットは
型の自由度も高く、いろいろ見どころ満載でした。今後もこんな情報を少しずつでもおお伝えしていけたらと
思っています。

 

ではまた。

 

HANAZONO

 

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