就活室便り ~2024#7~
ボタンとSDGsを考える
みなさんこんにちは。就活室のHANAZONOです。季節の変わり目はやはり日ごと、朝晩
の寒暖差がはげしく結構着るもので調節といっても暑いのと寒いのとどちらに合わせるか
で結構1シーズン違っちゃったりして大変ですよね。もう既に中綿、起毛系をデビューし
ちゃってる方、おしゃれのためには忍耐も必要な時もあるので暑いときは耐えましょう。某
アパレルの社長さんは「自分で着ないものが売れるわけがないだろう!」、と10月末から
コートを着用するように社員に呼び掛けています。ウールのコート、かなり暑いそうです。
ま、いろいろありますよね。
今回産学連携実習でお世話になっているボタンのアイリス様。日本で唯一のボタンの博物館を
運営なさっていらっしゃいます。今回その博物館にお邪魔し、その次の週にはボタンとSDGs
についての講義もおうかがいしました。
まず博物館ですが、バロック^ロココ時代から現代までのボタンコレクションが集まり、琥
珀、スカラベ入り、彫刻、金細工、七宝焼き、白薩摩、等豪華なボタンのコレクションが並
び、さすがに自分ではボタンははめず当然洗濯もしない王侯貴族、ブルジョワジーのボタン
はまさしく美術品レベルのものばかりです。
ちなみに11月22日はボタンの日です。これは明治3年、日本海軍の制服にヨーロッパス
タイルのネイビールックが採用された日にちなんで命名され、このとき、制服の前面には2
行各9個、後面には2行各3個の金地桜花のボタンをつけることが決められたことに由来
します。当然博物館には当時の海軍制服と共に金地桜花のボタンが陳列されています。こう
して日本のボタンの歴史は海軍から始まり、民間でも白蝶貝をはじめとする高級ボタンの
生産が始まり、それが絹織物と同様この時期の日本の外貨獲得に役立っていくわけですが、
それをテーマとした司馬遼太郎の「木曜島の夜会」という短編があります。この作品はボタ
ンについて、というよりは「明治と日本人」ということを考えさせられる内容で、美しく、
哀しく、そして推理の要素もある小説です。私見ですがが司馬さんは絶対短編のほうがおも
しろいですね。
ボタンの話でしたね。講義の前にアイリス様からボタンのカタログを4冊お貸し頂きまし
た。そのうちの2冊はエコ、サスティナブル素材となっています。サスティナブルを考えた
場合、素材、作り方、等の問題も当然あるのですが、問題はアップサイクルと呼ばれる方に
あると思われ、ご講義の際にお伺いするとボタンの生産においてA品の割合は92~93%だ
そうです。少ないように思われるかもしれませんが1万個生産すれば700個、10万個生産
すれば7000個のB品が出ることになります。ここが一番難しいところで一定割合で生地
キズが出ることが分かっていても生地キズのある服をわざわざ選んで買わないですよね。
同じく縫製キズ、ボタンのキズも同様だと思います。プラスチックのボタンでしたら再生可
能かもしれませんが貝や水牛、等の天然素材だとそうはいきません。
今回そのようなB品をご提供頂き、それをいかにアップサイクルするかが授業のテーマに
なっています。それらのB品ボタンを拝見していてもどこが傷だか全くわからないレベル
です。日本の、そしてアイリス様の検品精度の高さがよくわかりますね。まだ作品制作がこ
れからなのでどんなアップサイクルの方法があるのか、それをお伝えするのは先のことに
なってしまうのですが、いつかまた紹介できればと思っています。
就活の話だったのですが、服作りに関して、デザインやパターンだけで服ができるわけでな
く、生地、ボタン、ファスナー、裏地、刺繍糸、等々必ず必要なものは数多く、それが全て
服作りには欠かせないものです。今後もそのようなアパレルの周辺企業もどんどん紹介し
ていきたいと思っています。服には欠かせず、服を知らなければ営業活動が行えず、センス
もクリエイティブな感性も求められる、なんか特にビジネス科の学生にはピッタリなんじゃ
ないか、そんな気がしています。そんな業界について一度関心を持って調べていただけたら
と思っています。
本来今回は就活とSDGsについて書こうと思っていたのですが、書き始めたらかつてない
長文になってしまい、しかも終わる気配が見えずどんどん長くなるばかり。一体いつ書き終
わるのやら。とにかく一度区切りがついてから発表させて頂ければと思います。
来週からは色々展示会が続きますので展示会、企業レポート等の情報をどんどんお伝えして
いきたいと思います。
ではまた。
HANAZONO
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