ファッション関連の事業展開を検討していて「アパレルブランドの立ち上げに興味がある」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アパレルブランドの立ち上げの方法や必要な資金、流れ、そして成功するための秘訣について詳しくご紹介します。
アパレルブランドの立ち上げに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
アパレルブランド立ち上げは難しい?
アパレルブランドを立ち上げること自体は、それほど難しくありません。立ち上げるために必要な資格はなく、資金を準備し、商品企画・製造ができる人材、または外注先を確保し、販売ルートを確立することで基本的には誰でもブランドをスタートさせることができます。
しかし、アパレルブランドを成功に導くためには、単に手順を踏むだけでは不十分です。経験とスキルが重要な要素となります。市場のトレンドを把握し、消費者のニーズを的確に捉える能力や、魅力的なデザインを創り出すセンスが求められます。
また、品質管理や生産管理、マーケティング戦略の立案と実行など、多岐にわたる専門知識と実践力が必要です。加えて、ブランドの認知度を高めるためのプロモーション活動や、競争の激しい市場での差別化戦略も欠かせません。
そのため、アパレルブランドの立ち上げは容易でも成功させる難易度は高いといえます。
アパレルブランド立ち上げの方法と必要な資金
それでは、アパレルブランドを立ち上げる主な方法と必要な資金についてみていきます。主な方法としては「実店舗を構える」「ネットショップで販売する」の2つです。
実店舗を構える
実店舗を持つことで、顧客が直接商品を手に取って購入できるため、ブランドの信頼性や認知度を高めることができます。実店舗を構えるためには、まず店舗の立地選びが重要です。ターゲットとする顧客層に合わせて、賑やかな商業エリアや若者が多く集まる地域など、適切な場所を選ぶ必要があります。
店舗の内装や外装、什器や備品の準備も必要です。ブランドのイメージに合ったデザインを取り入れることで、顧客に強い印象を与えることができます。また、商品を魅力的に展示するためのディスプレイや、快適な購買体験を提供するためのレイアウトも重要です。
店舗の運営に必要な人件費や在庫管理費用等も考慮しなければなりません。スタッフの採用や教育、在庫の仕入れと管理、そして販売促進活動など、さまざまな運営コストが発生します。
実店舗を構えるアパレルブランドを立ち上げる場合、1000万円程度の資金が必要となります。その資金には、店舗物件の初期費用、内装・外装工事費、備品購入費、人件費、在庫仕入れ費用などが含まれます。
実店舗を持つことで、顧客との直接的なコミュニケーションが可能となり、ブランドの価値を高めることができますが、初期投資が大きいため、十分な資金計画と経営戦略が必要です。
ネットショップで販売する
実店舗を構えるよりも大幅に初期投資が少なく、より手軽に始められる方法です。ネットショップには自社型(独自開発)、モール型(Amazon。Yahoo!ショッピング、ZOZOTOWN)、ASP型(BASE、Shopify)などの種類があり、それぞれに特色があります。
自社型の場合には基本的にWeb制作会社に開発を依頼し、ブランドのイメージに合ったデザインで、ユーザーが使いやすいサイトを構築する必要があります。モール型やASP型はカスタマイズ性は低いものの、テンプレートなどを活用すれば専門知識がなくても開設が可能です。
ネットショップの運営は、サイトの維持費、決済手数料、梱包資材、送料などがコストとして発生します。立ち上げ時に必要な資金に関しては、規模によって大きく異なり、数十万円から数百万円程度が必要です。
ネットショップでの販売は、初期投資が少なく、手軽に始められる一方で、オンライン上での集客やマーケティング戦略が重要となります。
アパレルブランド立ち上げの流れ
実際にアパレルブランドを立ち上げる際の流れに関しては以下の通りです。
①資金を準備する
②ブランド名やコンセプトを決める
③外製か内製するかを判断する
④販売方法・場所の詳細を決める
⑤店舗またはネットショップ開設の準備を進める
⑥開業届の提出と商標登録をする
⑦商品企画・製造を進める
⑧販売開始
①資金を準備する
まずは資金を準備する必要があります。先ほども説明した通り、実店舗を構える場合には1000万円程度を目安に、ネットショップで始める場合には規模に合わせて数十万から数百万円を用意します。自己資金が不足している場合は、融資やクラウドファンディングなどの方法も検討しましょう。
近年では実店舗よりも、SNSを活用した事業展開もございます。学生のうちから自分の作品をSNSで発信することで、在学中から世界に向けてPRすることが可能です。
②ブランド名やコンセプトを決める
次に、ブランド名とコンセプトを決定します。ブランド名は覚えやすく、独自性があり、ターゲット層に響くものにしましょう。コンセプトは、ブランドのテーマや価値観を明確にするために重要です。どのようなスタイルやメッセージを伝えたいのかを明確にし、ブランディングの基盤を築きます。
③外製か内製するかを判断する
商品を自社で製造する内製か、外部に製造を委託する外製かを判断します。内製の場合、品質管理が容易でブランドの独自性を保ちやすくなりますが、設備投資や人件費がかかります。外製の場合、コストを抑えやすく大量生産が可能ですが、品質管理が難しくなる可能性があります。外製の場合には依頼先を早い段階で確保することが求められます。
④販売方法や場所の詳細を決める
販売方法や場所を決定する段階では、実店舗での販売か、ネットショップでの販売かだけでなく、より詳細な部分を考慮して決定します。実店舗の場合には出店地域や規模、候補となる物件の選定、ネットショップの場合には自社型にするのか、モール型、ASP型にするのか、複数を活用するのかなどです。
⑤店舗またはネットショップの準備を進める
販売方法の詳細が決まり次第、店舗の開店やネットショップ開設の準備を進めます。実店舗の場合は、物件を確保して契約を進め、内装・外装工事の依頼や什器の準備を行います。ネットショップの場合は、制作会社やプラットフォームの選定、ウェブサイトのデザインと構築などを行い、準備を進めていきます。
⑥開業届の提出と商標登録をする
立ち上げの目途が立った段階で開業届を提出します。また、ブランド名やロゴの商標登録を行い、知的財産権を保護することも大切です。それにより、ブランドの独自性を守り、模倣品の出現を防ぐことができます。
⑦商品企画・製造を進める
市場調査を基にターゲット層に合ったデザインを考案し、魅力的な製品を企画・製造します。外製の場合には製造工程の管理や品質チェックを徹底し、より質の高い商品を提供できるように努める必要があります。
⑧販売開始
すべての準備が整ったところで、いよいよ販売を開始します。実店舗の場合はオープニングイベントを企画し、ネットショップの場合はプロモーション活動を強化します。
SNSや適切な広告を活用してブランドの認知度を高め、顧客を獲得していきましょう。
アパレルブランドを成功させる秘訣
アパレルブランドを立ち上げて成功させるための秘訣として以下のことが挙げられます。
コンセプトを明確にする
まずコンセプトを明確にすることが重要です。ブランドのコンセプトは、そのブランドの価値や理念、目指す方向性を示すものであり、消費者に対して強いメッセージを発信する基盤となります。具体的には、ブランドのターゲット層を明確にし、その層に響くデザインやメッセージを一貫して提供することが求められます。
例えば、エコフレンドリーな素材を使用したサステナブルなファッションを目指すのであれば、その理念に基づいた商品展開やマーケティング活動を行い、消費者に対してその価値を伝える必要があります。
さらに、コンセプトを明確にすることで、ブランドのアイデンティティが確立され、競合他社との差別化が図れます。市場には多くのブランドが存在するため、立ち上げるブランドが何を提供し、どのような価値を持っているのかを明確に示すことが、消費者の選択肢の中で際立つためには欠かせません。
マーケティングに力を入れる
マーケティングに力を入れることもアパレルブランドの成功において不可欠です。消費者のニーズやトレンド、競合他社の動向を把握し、マーケティング活動に取り組む必要があります。
ブランドのメッセージを効果的に伝えるためには、SNSの活用が有効です。ブランドのビジュアルやストーリーを魅力的に発信しましょう。定期的な投稿やインフルエンサーとのコラボを通じて、ブランドの存在感を高め、フォロワーを増やすことも重要です。
またオフラインのマーケティング活動も忘れてはなりません。コミュニティや関連イベントに参加することで、ブランドの存在感を示し、顧客やファンを獲得することができます。
アパレルブランドを立ち上げて成功させるためには、デジタルとオフラインの両方で効果的なマーケティング活動を展開し、消費者との接点を増やし、ブランドの魅力を最大限に伝えることが重要です。
ファッションに関する知識を身につける
ファッションに関する深い知識を身につけることも重要です。ファッション業界はトレンドの移り変わりが激しく、常に新しいスタイルやデザインが生まれています。そのため、デザイナーやブランドオーナーは、最新のファッショントレンドを常に把握し、それに対応できるスキルを持つことが求められます。
そのためにもまずは、ファッションに関する基礎知識をしっかりと学ぶことが重要です。それには、素材や生地の特性、色彩理論、服の構造やパターンメイキングなどが含まれます。それらの知識は、品質の高い商品をデザインし、製造するための基盤となります。
また、歴史的なファッションの流れや、各時代ごとの代表的なスタイルを理解することで、現代のトレンドに対する洞察力を養うことができるでしょう。
ファッション関連の知識を身に着けるなら
ファッション関連の知識を身につけるためには、服飾専門学校での学びがおすすめです。ファッションデザインやパターンメイキング、縫製技術など、ファッション業界で必要とされるスキルを体系的に学ぶことができます。
実践的な授業を通じて、デザインから製作までのプロセスを具体的に理解することができるのが大きなメリットです。また服飾専門学校では、経験豊富な講師から直接指導を受けることができます。それにより、最新のファッショントレンドや業界の動向をリアルタイムで知ることができます。
このように、服飾専門学校は、ファッションに関する深い知識と実践的なスキルを身につけるために適した環境です。ファッション業界での成功を目指すのであれば、専門学校での学びを検討してみてはいかがでしょうか。
東京服飾専門学校について
東京・巣鴨にある「東京服飾専門学校」は、70年以上の歴史がある服飾専門学校です。これまでに数多くの有名なスタイリストやブランドファッションデザイナーを輩出しています。
東京服飾専門学校の特徴として、ファッション業界での幅広い職種に対応した多岐にわたる学科・コースを提供している点が挙げられます。ファッションデザイナーやパタンナー、衣装製作者、ファッションビジネス関連の職種に加え、スタイリストやモデルなど、業界のさまざまな分野で活躍するための教育が充実しています。
また、学生に対しては年間を通して豊富なファッション業界での研修機会を用意しており、実践的な経験を積むことができます。それにより、卒業後に即戦力として活躍できるスキルを身につけることができます。
さらに、業界で役立つさまざまな資格の取得もサポートしています。色彩検定、ファッションビジネス検定、パターン検定、洋裁技術検定など、業界で有利になる資格を取得することが可能です。
アパレルブランドの立ち上げに興味がある方へ
アパレルブランドの立ち上げは、適切な準備と戦略をもって取り組むことで、成功に導くことができます。
ブランドを成功させるためには、明確なコンセプトを設定し、マーケティングに力を入れ、ファッションに関する深い知識を身につけることが重要です。
服飾専門学校での学びは、必要な知識とスキルを体系的に習得し、実践的な経験を積むことができますのでおすすめです。それにより、ファッション業界でのネットワークを広げ、活躍するための基盤を築くことができるでしょう。
東京服飾専門学校では、起業に関する授業が受けられるビジネス科、ビジネス演習の授業が受けられるデザイン科があります。ファッションに関する知識やスキルを身につけたい、将来的にアパレルブランドを立ち上げたいという方は、東京服飾専門学校への進学もぜひご検討ください。