内田:(株)クリエイティブ・ギルドに所属するスタイリストとして、人気男性アイドルやタレントの衣装を担当しています。媒体は雑誌からテレビ番組、ライブまでいろいろですね。最近は、人気アイドルグループの新曲とコンサートのプロモーションに携わらせていただきました。新曲のPVから、雑誌、歌番組までひとつのプロジェクトとして衣装を用意するんですが、とても忙しかった分、達成感はいつも以上に大きかったですね。
——(株)クリエイティブ・ギルドさんに就職された経緯は?
内田:在学中、こちらの会社で研修をさせていただくことになったのがきっかけです。研修に何度も参加して、2年生の後期には週3日くらいのペースで通っていました(笑)。その時の頑張りを認めてくださったようで、四方社長がお声をかけて下さったんです。
——スタイリストをしていて、特にうれしかったことは?
内田:スタイリストになって初めて、アイドルのCDジャケットのお仕事をいただいた時、衣装のほかにセットの小物も用意することになったんです。本来なら、美術やグラフィックを担当する方のお仕事なんですけど、なぜか依頼が来て。私は小物などを集めるのが好きなので、受けさせて頂いたんです(笑)。そこで用意したクッションやラグが、クライアントさんにすごく好評で、「内田さんと仕事ができてよかったです」と言ってもらえたことが、今でも忘れられないくらい印象に残っています。日常的な出来事では、私が用意した衣装を見たタレントさんが、「この洋服、可愛いね。どこのブランドなの?」と喜んで着てくれたり、リメイクした衣装の縫製に興味をもってくれたりした時に、「この仕事をしていて良かった!」って、これからも頑張ろうって励みになりますね。
——内田さんがお仕事をする上でのポリシーはありますか?
内田:撮影現場に着ていく洋服は、同じコーディネートしないこと、同じ洋服でも靴やアクセサリーを変えることですね。とくに初めて行く現場では、帽子をかぶったりして印象的な格好をするよう心がけています。すぐに名前を覚えてもらうことは難しいので、「あの帽子の子」とか外見で覚えてもらえるように。あと、現場では明るい表情でいるようにしています。元気のない人が持って来た洋服なんて着たくないじゃないですか(笑)。だから、疲れている時ほど明るい色の洋服を着て華やかな雰囲気作りをするように心がけています。
——今、振り返ってみて、内田さんにとって東京服飾専門学校とはどんな存在でしたか?
内田:スタイリストとしての技術や知識を学ぶだけではなく、いろんな刺激を受けられた場所ですね。特にファッションの専門学校なので、ひときわ目立つ個性やセンスを持つ人たちがたくさん集まっているんです。それは同級生や先輩、後輩だけじゃなく、先生方も。いろんな感性に触れることで、自分の考えや感性が磨かれていった2年間だったと思います。
——これからスタイリストを目指す人へメッセージをお願いします。
内田:「絶対にスタイリストになる!」という信念を持ち続けることが大切だと思います。スタイリスト志望の子と話をしていて、「自分はセンスがないから向いていない」と言われることがあります。でも、センスって人それぞれの主観だと思うんです。例えば、自分では「50点の出来」と思っていても、見る人によっては「100点」かもしれない。自分だけで決められないものだと思います。センスに自信がないと思うなら、雑誌などで人気ブランドや流行をリサーチして、その知識を応用してコーディネートすることもできる。それに、スタイリストはセンスだけではなく、コミュニケーション能力など、いろんなことがバランスよくできることが重要なんですよ。だから、「自分に不足している」と感じることをプラスしていく努力をするといいと思います。
内田 あゆみ さん
2004年3月にスタイリスト科卒業
株式会社クリエイティブ・ギルド入社
2010年7月に独立。クリエイティブ・ギルド所属のスタイリストに。
現在は「笑っていいとも!」に出演中のタレントさんの衣装コーディネートや、アイドルグループのコンサートのコーディネートなど、数多くのミュージシャンやタレントのスタイリングを担当されています。