当校の卒業生で、スタイリスト・望月唯さんのアシスタントであり、独立間近の永野さんに直撃インタビュー。メンズファッション誌雑誌「EYESCREAM」や俳優・伊藤秀明さん他のスタイリングを担当している師匠から教わったこと、そしてこれからのビジョンを語ってもらいました!<今回の質問者:2SC林口裕美子さん 1SC古谷江利さん(SC=スタイリスト科Cクラス)>
古谷:スタイリストになろうと思ったのはいつ頃ですか?
永野:24歳のときですね。当時、大阪で電気工事の仕事をしていたんですが、ふと「このままこの仕事を続けてていいんかな…」って思ったときがあって。それで自分自身と向き合っているうちに、服がずっと好きだったからスタイリストになろうって決意しました。それにモテそうだなって思って(笑)。単純ですよね。
古谷:(笑)。学校で習ったことの中で役に立っていることは何ですか?
永野:実践的なことでは、地図の見方とか…。師匠が車を運転しながら「◯◯◯(ブランドプレスの入った有名なビル)行って」とか普通に言うので、「あっ、勉強しといて良かった」って思うことが何度もありました。知らないと「お前、それも知らないの?」って言われちゃうから、あれはすごい役に立ちましたね。あとはアイロンとか、底張りとか。裾上げなど基本的なことも大事ですよ。
古谷:師匠から学んだことはありますか?
永野:師匠にはいつも「テキパキ仕事をするように!」と言われていました。師匠は本当にストイックな方で、どんな仕事でも臨機応変に対応し、一番効率の良いやり方で進めていくのが上手なんです。手順や時間の組み方にムダがなくて。だからこそ、たくさんの仕事がこなせるんだなと思いました。そういう仕事に対する姿勢は本当に勉強になりました。常にファッションの勉強をして、自分のスキルを磨くことを怠らないってことも、師匠を見ていて学びましたね。
林口:尊敬している部分もそこですか?
永野:そうですね。仕事に対するストイックな姿勢は素晴らしいです。他にもスタイリングをふくむすべての感性が豊かなところも、師匠と比べて僕には足りない部分だなって思ってます。
林口:まもなく独立なさると聞いたのですが、独立するきっかけはあったのですか?
永野:今の師匠のアシスタントに就いてもうすぐ5年になるんですけど、師匠に「独立していいよ」って言われたんです。独立は僕が決めることじゃなくて、師匠のさじ加減なんで。自分で独立したいときに、言ってできるもんじゃないですよね…。多分、自分で言って独立できた人もいると思うけど、それはまれですね。
林口:これからはどんな仕事がしたいですか?
永野:基本は雑誌のスタイリングがやりたいです。カルチャー誌でも音楽誌のアーティストさんでも、なんでもやってみたい。でもやっぱりファッション誌をメインでやっていけたらいいなと思ってるんで。がんばって営業に行かなきゃって感じです。
古谷:営業ってどんなことをするんですか?
永野:自分の作品を作って、自分のやりたい雑誌の出版社に持っていくんです。
永野:僕の場合は師匠と仕事をしているカメラマンさんに、「作品撮りしませんか?」って声をかけてもらっていて。今回はやるって決めてから、だいたい1週間くらいかけて作りました。作品撮りってうまくいけばタダでできる。それはカメラマンもヘア&メイクもモデルも全員、自分の作品になるからなんですよね。それで僕のように営業に行ったり、オーディションに持っていく資料ができますから。
林口:作品作りは大事なんですね…。
永野:そうですね。やっぱりそれがないと営業できないですから。これは友達の話なんだけど、独立してすぐに師匠のコネで仕事が来たのに、作品撮りができてなくて流れちゃったって聞いたことがあります。「作品見せて」ってどこでも言われることだし、そういうときに備えて持っていないとね。作品がないせいで、仕事逃しちゃうのはもったいないでしょ。
林口、古谷:今日は貴重なお話ありがとうございました!
永野:僕も独立して頑張るので、みなさんも夢に向かって頑張ってください!