衣装デザイナー&スタイリスト 米山裕也さん | ファッション専門学校の東京服飾専門学校

衣装デザイナー&スタイリスト 米山裕也さん

先日開催されました体験入学のゲストに、本校の卒業生で衣装デザイナー&スタイリストの米山裕也さんがいらっしゃいました。

 

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デザイナーとはどんなお仕事ですか?

「まずプレゼンテーションから始まります。スタッフやメンバーに対して『こんな衣装はどうでしょう』というのをデザイン画や参考になる写真を持って行って提案します。OKを頂いたのち、素材や生地を集め、服の作り方を書いた指示書を作り、パタンナーさんと打ち合わせして指示書をお渡しするまでが僕の仕事です。あとは、出来上がったものに対して最終調整します」

 

最近だと、CDジャケットの衣装も手がけられたそうですね。

「メンバーからの希望を形にしつつ、アドバイスをして衣装制作をしました。グループによって違いますが、発注を受けた際にレコード会社から『こういうイメージでやりたい』という依頼があるので、そのイメージをこのグループの衣装担当的なメンバーが膨らませ、それを僕が形にしていくという感じですね」

 

コンサートの衣装とCDジャケットの衣装製作、どんなところが違いますか?

「コンサートの衣装というのは、コンサート中に着替える回数が決まっているので、楽曲とイメージが合うようにデザインします。実際に動いて使えるものにしなくてはいけないので、動きやすさは重要です。重すぎて動けない、細すぎて腕が上がらないということがないように。ジャケット写真は着て美しく見えれば、どれだけ細いパンツを穿いてもいいんです。そこが大きな違いですね」

 

衣装を作るときに必要な知識はありますか?

「これだったら綺麗に腕があがるだろうなとか、これだと延び過ぎちゃってだれるなとか、そういうのは生地選びのときに必要になってくるので、生地の特性を知る必要がありますね」

 

たくさんのグループを担当されている米山さんですが、グループごとに違うことはどんなところですか?

「打ち合わせの仕方から違いますね。メンバーから『こういう衣装がいい』というリクエストが来るのもあれば、おまかせというところもあるので」

 

衣装デザイナーさんというのは、ツアーは一緒に回られるんですか?

「基本的には一緒には回りません。初日の公演までは一緒に準備するというのが多いです。初日見て、問題ないかというのを確認しないといけないので。本番前のリハーサルで実際に衣装を着用してやることが多いんですけど、その時になにか問題が起これば、本番までに直すようにしています」

 

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このお仕事の魅力はなんですか?

「自分の考えた物が形作られていって、それがコンサートや舞台で見られることですね」

 

逆に、大変なことはどんなところでしょうか?

「納期というのが絶対にあって、時間が無限にある訳ではないので、期間内にどうアイデアを形にしていくか、というのが大変ですね」

 

仕事でなにか心がけていること、工夫していることはありますか?

「時間をムダにしないように、とりあえずこれでいいや、という風に出すのではなく、ちょっと時間がかかっても、これで大丈夫だなっていう確認をしてから仕事を進めていくのが大事かなと思います」

 

米山さんは卒業生ということですが、学校で学んだことで今も役立っているなと思うことはありますか?

「僕は1年の終わりくらいには研修で株式会社クリエイティブギルドに行かせて頂いて、実務経験を積んだというところが良かったですね。そういったシステムをやっている学校ってあまり無かったので、実際の仕事を経験するというのはすごく良かったと思います」

 

最後にひとことメッセージをお願い致します!

「“ファッション”と言っても幅は広いと思うので、最初から自分のやりたいことにぶつかるかは分からないし、やってみたら違うこともあると思います。なので今から色んなことに挑戦してみてください」

 

■Profile

2002年3月に本校を卒業後、舞台やコンサート衣装を製作する株式会社クリエイティブ・ギルドへ入社。現在は独立し、アイドルグループのコンサートやイベント、舞台の衣裳デザイン、スタイリングの仕事をメインに活動。