直撃インタビュー第7弾!
当校の卒業生で、アイドルグループのコンサートやイベント、舞台の衣装デザイン&スタイリングを中心に活躍中の米山さん。仕事の楽しさや魅力などを聞いちゃいました!
今回の質問者:1SC 船戸有莉さん 1KB 中藤友美さん(SC=スタイリスト科Cクラス、KB=基礎課程科Bクラス)
中藤:衣装デザイナーの仕事をされていて、一番楽しいと思うのはどんな時ですか?
米山:お仕事だから、すべてが自分のやりたいようにやれるわけではないですよね。その中で、お仕事を依頼してきたクライアントさんが求める衣装と、僕がこのタレントさんにはこういう衣装を着せたら良いんじゃないかという考えが一致したときは嬉しいですね。
船戸:雑誌やテレビ番組など、いろんなジャンルがありますが、とくに舞台に魅力を感じるのはどんなところですか?
米山:雑誌やテレビのスタイリストの場合、1ポーズのスタイリングでも、すごい数の洋服を用意しないといけないんですね。でも、舞台の場合、一番最初にデザイン画を見せて衣装が決まってしまうと、その1着を用意すれば良いんですね。僕は、数を集めてくるよりも、1着をしっかり作る方が向いていると感じたんです。僕にとっての舞台衣装の魅力は、そこかなと思います。
中藤:アシスタント時代は、苦労されましたか?
米山:僕の場合、実家暮らしで、学生時代にもアルバイトをしていなかったんです。だから、お給料としては一般的なサラリーマンよりは少ない金額だったかもしれないんですけど、とくに気にしなかったですね。「これだけお金を自由に使えるようになった!」って、逆にうれしかったです(笑)。勤務時間も同じで、この業界は忙しいのがあたり前だと思って入ったので、休みがなくても、「そんなもんかな」と思えたんです。要は気の持ちようだと思います。
中藤:そうなんですね。衣装を1着作るのに、どれくらいの時間がかかるんですか?
米山:1着、ちゃんとした衣装を作るとなると、2週間くらいはかかると思います。ただ、仕事の場合、一概には言えないですね。たとえば、「明後日、撮影なのでこういう衣装を作ってください」と言われることもあるんです。そういうときは、これまでの経験から、与えられた製作期間で作れる最善の衣装の提案をするようにしています。この業界は急に依頼が来るケースが多いんですよ。
船戸:作った衣装をタレントさんに着せてみたらサイズが合わなかった、などのハプニングはありますか?
米山:それはもう日常茶飯事で(笑)。コンサートや舞台って雑誌の撮影とは違って、衣装を着て動くことが多いんです。雑誌だったら、多少サイズが大きいTシャツでも見えていない背中の部分をピンで止めてしまえば、ピッタリのサイズに見えるんです。でも、舞台の場合は、着て動くことが前提。たとえば、動いた時に腕輪が外れてお客さんに当たってしまったら、それは衣装を用意した僕の責任なんですよね。だから、本番を見ていてヒヤヒヤしたりするんです。「大丈夫かな?」って。今までケガをさせてしまったことなどはないですね。
中藤:米山さんはご自身のコーディネートも素敵ですが、好きなお店とかありますか?
米山:よく聞かれるんですけど、特定のお店は決めてないんです。スタイリストや衣装デザインの仕事をしていると、「赤いものを集めてください」とかってお願いされることがあるんですよ。そうすると、赤いものを見つけられるまで、お店をまわり続けるんです。だから、その時に入ったお店で「これ可愛いな」と思ったものを自分用に買うといった感じですね。
船戸:「赤いものを探してください」って依頼もあるんですね。すごい大変そう…。
米山:そういうケースもあるから、スタイリストを目指すなら、「こういうものなら、あの店にありそう」という知識や勘を働かせられるようになると良いと思いますね。ボロボロのジーンズがほしいと言われて、お店を全く知らなかったら、それこそ、原宿の全部のお店をまわらないといけないかもしれない。でも、「あそこの古着屋さんなら」って、思い当たるお店があれば、もしかしたら3軒くらいまわるだけで終わってしまう。今から、いろんなお店を知っておくというのは、自分にとっての財産になると思います。
船戸、中藤:今日は貴重なお話が聞けて参考になりました。ありがとうございます。
米山:自分がやりたいと思ったことを続けていけば、道は開けると思います。頑張ってくださいね。