スタイリスト・内田あゆみさんへ
tfac生からの素朴な質問!
大好評の直撃インタビュー第5弾は、当校の卒業生で、男性アイドルを中心にスタイリングを担当する、(株)クリエイティブ・ギルドの内田さん。どんな時でも頑張れるヒケツなどを聞いちゃいました!
今回の質問者:1SC 深澤杏里さん 2T 林奈都子さん(T=テクニカル科、SC=スタイリスト科Cクラス)
林:タレントさんのスタイリングをする時に気をつけていることはありますか?
内田:雑誌のスタイリングの場合、特集テーマや編集者からのリクエストがあるんです。たとえば、「衣装にチェック柄を入れてほしい」とか。そんな時に、チェック柄を前面に出し過ぎると、タレントさんが嫌がって着てくれない場合もあるので、ストールで取り入れたりという気づかいはしていますね。あと、2人組の方なら並んだ時の色のバランス、TVのレギュラー番組なら、先週と同じ色にはならないようなコーディネイトを心がけています。
林:内田さんご自身の趣味的なスタイリングを取り入れることはありますか?
内田:私は、1ポーズにつき、3体のコーディネートを用意しています。1体は無難なもの。1体はタレントさんが好きそうなもの。1体は私の趣味を取り入れたチャレンジ的なもの。タレントさんから「なんでもいいよ」と言われたら、まずは「これ着てみますか?」とチャレンジ的なものを提案します。そこで別なものを希望されたら、素直に諦めますね(笑)。
深澤:タレントさんから言われた要望で、困ったことはありますか?
内田:収録の前日に、衣装の膨大な加工を頼まれた時ですね。「時間ないよ」って思うんですけど、「プロでしょ」と言われたら「わかりました」としか言えないので。そういう時は、時間の範囲内で手を抜かずにできる最善策を提案するようにしています。
林:大変ですね。ちなみに普段の睡眠時間はどれくらいなんですか?
内田:その日によって違いますね。お店に衣装を借りに行く場合、お店が開く10時や11時に間に合うくらいの時間に起きれば良いし、朝イチから撮影があれば始発に間に合う時間に起きるし。寝られる時に寝るって感じです。仕事の終わり時間も同じで、仕事が終わらないと寝れないというか、眠くならないです。学校の課題とかだと自分に甘えてしまって、終わってないのに寝ちゃうことがあるかもしれないけど、仕事だと「今日を乗り越えれば休める!」って気持ちで乗り切れるものなんですよ。
林:朝起きれなくて遅刻したことはありますか?
内田:集合時間に遅れたことはありますが、衣装が間に合わなかったことはないですよ。ただ、アシスタント時代に1回だけ寝坊したことがありましたけど(笑)。
林:大丈夫だったんですか?
内田:事務所に師匠が来る時間に起きちゃって。急いで「すみません。寝坊しました。急いで向かいます」って連絡をして、撮影場所に向かいました。タレントさんが現場入りする前にはどうにか入ることができたのが不幸中の幸いでした。寝坊してしまった時には、すぐに言い訳するんじゃなくて、謝罪する!そして、すぐに現場に向かう。もし、バッチリ化粧してから行ったら、自分の失敗した重大さを認識していないと思われるので、最低限の身支度だけして全力で向かうべきだと思います。
深澤:アシスタント時代は大変だと思いますが、モチベーションを保つ秘訣はありますか?
内田:私はなんでも楽しむようにしていました。それは学校の研修でも同じでしたね。特に最初の頃は「大変だ」と思うことが多いけれど。たとえば、撮影に行った雑誌の発売日に、自分がアイロンをかけた衣装が掲載されているのを見て、「ちゃんとシワがのびてて良かった!」とか、何かうれしいと思えることを探すようにしていました。
深澤:スタイリストになるために、学生のうちにやっておいた方がいいことはありますか?
内田:都内の道を覚えること。住所を聞いて、その場所にたどり着ける力をつけると良いと思います。私は地図が友だちみたいな存在で、いつも持ち歩いてました。バスに乗りながら、地図を見てバス停の場所を書き込んだりしてましたね。実際に行ったことがなくても、大通りの場所など、土地勘があるとアシスタント時代は得に役立つと思います。
深澤、林:今日は参考になるアドバイスをいただき、ありがとうございました。
内田:頑張ってください。同じ現場で会える時を楽しみにしていますね。