鷺典子先生 | ファッション専門学校の東京服飾専門学校

鷺典子先生

先日、1年基礎科にて、「業界研究/講演会」が行われました。

この授業は、本格的な就職活動に向けて、各業界のプロフェショナルの方からの経験談をお聞きしたり、学生からの疑問に答えていただく企画です!

 

今回のゲストは、本校の講師としてもご指導いただいている鷺典子先生。オペラやミュージカルの舞台衣装やアーティストのステージ衣装を製作しているデザイナーさんです。コシノジュンコデザインオフィス勤務の時代から、有名劇団や紅白出場歌手の衣装を製作したときの経験談など、学生たちも興味津々。普段は見ることのできない資料や、舞台裏のエピソードも教えていただきました!

 

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そんな鷺先生の講演の中から、tfac生からの質問と回答をご紹介いたします。

 

Q舞台衣装の業界とは、どんなところですか?

インタビューなどで役者さんが「カンパニー」と呼ぶように、1つの舞台に関わる人たちは期間限定の「1つの会社」なんですね。プロデューサーをトップに予算を管理する制作という人もいますが、現場のトップに立つのが演出家なんです。衣装は演出家の方向性に合わせて何十ものプランを出して、その中から採用されたり「これをもっとこうしてくれ」と言われる方向に修正していきます。

 

Q衣装制作は具体的にはどんなことをするんですか?

予算や規模によって1から衣装を作る舞台と、市販の衣装を買う舞台があります。買う場合でも、演出家の方向性にサイズや色、細部の装飾がピッタリ合うことはありませんから、まずは作るものだと考えてください。

 

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Q舞台衣装になるにはどんな知識が必要ですか?

ひと口に「舞台衣装」と言ってもデザイナーなのかパタンナーなのか、縫製なのかによって役割が違いますが、デザイナーというのは、パターンや縫製を理解していないとできません。絵を描くだけなら誰にでもできますけど、プロとアマチュアの違いは洋服の構造を理解して絵が描けるかどうかです。

 

Q.デザイナーを目指す人はどんな勉強をしたらいいでしょう?

パターンや縫製の勉強はもちろんですけど、やりたいジャンルが決まっているなら、まずはその劇団やアーティストの舞台を見ることです。好きなタレントさんがいるなら「私ならこの人にこういう衣装を着せるのに」と考えてスケッチを起こす。それがすごく大事だと思います。

 

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Qそのほか舞台衣装を目指す人が気を付けた方がいいことはありますか?

舞台の仕事をしていて一番嫌われるスタッフは、体調を崩していることです。舞台に出る役者さんや歌手の方は、体調を崩したら舞台そのものが成り立ちません。体調管理にはぜひ気を付けていただきたいと思います。

 

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鷺先生、貴重なお話をありがとうございました!