DHE株式会社 代表取締役社長 柳原秀哉様 | ファッション専門学校の東京服飾専門学校

DHE株式会社 代表取締役社長 柳原秀哉様

 

各業界のプロフェショナルの方をお招きし、体験談や業界についてお話しいただく「業界研究/講演会」の授業。業界の最前線にいるトップランナーのお話が聞けるということで、学生からの評判も高い講義です。

 

今回はファッションビジネス科の1年生のため、DHE株式会社の柳原秀哉代表取締役社長/CEOにご来校いただきました。現代人の生活に欠かせなくなったウェブコンテンツを中心に、マーケティングやプロモーション、エンターテイメントから地域創生まで様々な事業を手掛けてきたご経験をお話しいただき、ファッションとIT業界の「これから」について伺いました。

 

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Q 現在のお仕事の内容を教えてください。

ITやマーケティングの領域で仕事をしています。業界を問わず、アパレルやブランドはもちろん、医療メーカーなどあらゆる業界とお付き合いがあり、最近はタイで日本の魅力を発信する活動や某ポイントカードを広める仕事もしています。このほか、国内外の都市や企業のウェブサイトの制作、現実の風景に情報を重ねて表示するAR(拡張現実)という技術も扱っています。

 

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Q ファッション業界との共通点はありますか?

今、みなさんが使っているSNSは、きっと5年後にはなくなったり時代遅れになっているでしょう。IT業界だけでなく、ファッション業界も非常にトレンドの移り変わりが速い業界です。また、「もっとこうしたらいいのにな」と考えた人が、僕たちの想像を超えたような製品を作り出すのも共通していますね。コンピュータの技術はファッションにも応用されていて、服にチップを埋め込んで、着ている人の体温や汗を感知して温度調節をする――といったような開発も進んでいるんですよ。また、「どんな人が何をどういう風に購入したか」という統計を出し、そのデータを基にトレンドを分析することもありますから、ファッションはITとは切っても切り離せない関係ですね。

 

Q ITの観点から、今後のファッション業界の展望を教えてください。

今後数年、アパレルにおけるトレンドは、SNSを通じて洋服を購入する仕組みになるでしょう。画像だけでなく動画も取り入れて、TVや映画を見ているときに「この服いいな」と思ったら、すぐに購入できるような仕組みも出来上がっていくと思います。いまはどの企業でもスマホ向けのソーシャルメディアに一番お金をかけているでしょう。一方で、百貨店などの実店舗でも、「どの商品が売れているのか」だけでなく「どの商品が手に取られているのか」をリアルタイムに知ることができるシステムができあがっているんですよ。

学校では、流行の先を見る力、いわゆる“センス”を磨いていってほしいです。いつも一緒にいる仲間や先生、授業で得た知識や経験が高めてくれるものだと思います。

 

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Q 学生にアドバイスをお願いします。

ファッション以外にも何か別のジャンルも極めてみてください。これはある人の言葉ですが、5年(約10,000時間)かければひとつのジャンルで「100人に1人」の存在(専門家)になれると言われていますが、そこから「1000人に1人」になるのは難しいんですね。でも次の5年で別のジャンルで「100人に1人」の存在になれば、100人×100人で「1万人に1人」の存在になれる。そういう将来設計も頭に入れておくと、自分の可能性を広げることができますよ。

今の学生さんたちは、生まれたときからインターネットがある世代。便利なものがあって当たり前だと思うからこそ、「こうあったらいいのにな」や「ここが不便だな」と思ったことを大切にしてほしいです。ファッションの仕事にも通じることだと思いますが、そうして気づいたことが、その人にとってのアイデアになったり、仕事につながったりすると思います。